昨日に引き続いて、例会予定の河川敷の下見を行いました。ススキとオギの両方が生えていますので、区別をしておきたいと思います。「そんなことど~でもいい!」というのも一つの見解ですが、人間と同様、個性を知ると会うのが楽しくなります。
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一般に秋の草原一面にイネ科の植物が銀色の穂を出している状態を「ススキが原」とか「ススキで一面に覆われた草原」とか言いますが、必ずしもススキではありません。「オギ」の可能性があります。
ススキもオギもイネ科ススキ属に属する単子葉植物です。ススキは丘陵地や山間などに生え、草丈は1.5メートル程度。オギは水路や湖沼地、河川敷などに生え、草丈は大きいものでは2メートルを超えます。河川敷や堤防にはどちらかというとオギが優勢ですが、ススキも生えています。
よく似たもの同士ですが、あきらかな違いがあります。それは、ススキには「芒(のぎ)」があり、オギにはないことです。芒は種子を包む穎(えい、サヤ状の小片)の先端にある針状の突起のこと。麦などの種子ではとてもわかりやすいですが、ススキやオギの種子は小さくてわかりにくいです。
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これは小麦の穂(小穂)です。芒がはっきりと見えます。
種子を直接包んでいる外側の穎から芒が生えています。
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もう一つの違いは株になるかならないか。ススキは株立ち、つまり根元から分岐して叢生します。一方オギの根茎は横走して株を作りません。また、ススキの穂は小穂が比較的短く堅いのに対して、オギのそれはより密で長く細いのが特徴です。
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こちらがススキ。小さいですがしっかり株立ちしています。
小穂も腰があってしっかり立っています。
小穂をよく見ると...
芒がしっかりと生えています。整然と並んでいるのもススキらしいです。
さらに拡大します。ちょっと曲がった芒が1本ずつ生えています。
これはまだ穂を出していないもの。株立ちしていないのがよくわかります。
小穂は長く細いので、風に吹かれるとススキのものとは形が違ってきます。
これが典型的なオギの小穂の形です。
芒が見当たりません。
綿毛も柔らかく長いのが特徴です。
細部にこだわると、身近なものにもまだまだ発見があります。
2020.01.02.撮影
マクロ写真は2020.1.03.撮影
2020.01.03.記述