先般自宅の庭を訪れたアサギマダラは翅にマーキングされていました。そのマーキングされた部分が大きく破れていて、哀れに思いました。数百キロ、場合によっては数千キロを旅するチョウです。吸蜜できる環境を整えて、チョウを迎え、その生態の不思議について思いをめぐらすのは良いのですが、それを捕らえてマーキングすることは、もう止めるべきだと考えます。アサギマダラを観察すると、しばしばマーキングによって翅を痛めたと思われるものを目にします。
アサギマダラの生態がまだ十分に解明されていない頃ならまだしも、十分に解明された今、その意義はどこにあるのでしょう。この個体は約160キロを24日かけて飛んだようですが、通常健康な個体であれば10キロから20キロの距離を飛ぶはずです。この個体は一日に約7キロ弱。翅の傷がこの個体の飛翔能力を奪っているとも考えられないでしょうか。
季節はすでに10月末。これからこの速度で飛んで、越冬できる地に無事に到着できるようには思えません。最近家畜にはアニマルウェルフェアという概念が導入されて、生きもの達の健康的な飼育を目指す動きがありますが、それを昆虫にも援用し、昆虫自身の持って生まれた生きる力を十分に発揮できるような、昆虫への人間の関わりが必要なように思います。
An Asagimadara butterfly that flew into my gardenthe other day was marked and had a large scar on its wing. This seems to be a fatal wound for a butterfly that has to travel a long distance. Not only this butterfly, but I have observed marked butterflies with large scars on their wings in the past. Now that the behavior of the Asagimadara has been fully studied, it is time to stop this kind of cruelty agaist insects.
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Photo 2021-10-28