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2022年4月27日水曜日

カゲロウとカワゲラの飛翔:Mayflies and Stoneflies

カゲロウとカワゲラが夕刻になると数多く飛翔する季節になりました。現時点ではカゲロウはモンカゲロウが多く、カワゲラはフタツメカワゲラが多いです。夕刻に飛翔するのは、オスがメスを求める行為だと理解しています。カゲロウは高く舞い上がってそのままスーッと舞い降りる飛翔を繰り返し、メスの姿を見ると、飛翔したまま絡みついて交尾しようとします。カワゲラの飛翔も同様の目的があるようにも思いますが、こちらの方は日中でもオスがメスと交尾している様子を頻繁に見るので、時刻が限定されているわけではないようです。飛翔の姿は、カゲロウが実に優雅に、前2脚と後4脚をそろえて飛行しているのに対して、カワゲラは体を起こしたような形で飛翔します。カゲロウの飛翔は後翅2枚を前翅2枚とそろえて、大きな翅を作り出し、その推進力に依存しているのに対して、カワゲラは4枚の羽根それぞれで推進力を生み出そうとしています。しかし前翅と後翅の間隔が広いことでこれら4枚のコーディネーションがうまく取れていないようで、カワゲラの推進力の弱さはこれが原因のようです。いずれにしても、カゲロウやカワゲラの飛翔は夕刻の散策時に、見ていて飽きないエンターテインメントです。

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モンカゲロウのダイブです。斜めから。

前方から見たところ。

水平飛行です。空気抵抗を少なくした合理的な飛び方です。

こちらはカワゲラの飛翔。

4枚の羽根で一生懸命羽ばたきますが、何か無駄が多いようです。速度も出ません。体も起きていますので、空気抵抗も大きいと考えられます。

Photos 2022-04-23

2021年6月20日日曜日

カゲロウ2種

今日は朝から雨。にもかかわらず、玄関先の壁面やガラス戸にはカゲロウがかなりの数止まっています。いくつかの種に分かれるようだが、いずれも1cmに満たない小さなカゲロウです。そのうちの2種を接写してみました。一枚目と3枚目は同じ種だと思われます。

カゲロウは亜成虫という、成虫に一歩手前の状態で水から空中へと飛び出し、もう一度脱皮して成虫になります。これらはおそらく成虫だと思うのですが、よくわかりません。大きな目は夜間に活動するからでしょうか。目の位置が上と横というのは、何か意味があるのでしょうか。異星人と言っても良いような形をしています。

追記:その後の調べで、上と下のカゲロウは亜成虫であることがわかりました。成虫はもっとnonterrestrialな眼をしています。

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2021-06-19 撮影

2021年5月10日月曜日

カゲロウの季節

桂川のカゲロウの羽化が最盛期を迎えています。少し前はカワゲラ、特にフタメカワゲラの羽化が多かったですが、今はモンカゲロウの羽化に移っています。カゲロウの類は一般に水面羽化で、羽化した亜成虫が空中を飛翔して、川岸の樹木の葉などに止まり、その後脱皮して成虫になります。成虫脱皮の前の状態と言えば、通常はサナギの状態ですので、それが飛翔できるというのは、何か不思議というか、驚きです。

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モンカゲロウの成虫です。弓のように反るのは、ちょっと緊張しているとき。前に突き出ているのは触角ではなくて、前肢です。尾毛がとても長く、優雅に見えます。

これが亜成虫。尾毛は長いですが、前肢がとても短い。水中から羽化したばかりの羽根と重いからだで飛ぶ際に、空気抵抗を抑制するのでしょうか。

これが亜成虫の抜け殻。この細い尾毛をどうやってうまく抜くのか、不思議です。羽根の抜け殻は縮まってごく小さくなります。今の季節、川縁の並木を歩くと、この抜け殻がはらりはらりと降ってきます。

2021-05-08 撮影

2020年9月9日水曜日

キイロカワカゲロウ

玄関脇のガラスにカゲロウの成虫が止まっていました。キイロカワカゲロウのようです。カゲロウ類は幼生の時期を水中で過ごし、亜成虫という、羽が広がったほぼ成虫の形で水面から飛び立ち、陸に至ります。そこで一日以内に最終の脱皮をして成虫になります。オオシロカゲロウのように亜成虫までで生涯を終えるものもいます。

カゲロウの成虫の口も消化器官も退化し、成虫になってからものを食べることはありません。空中をひらひらと飛ぶはかなさとも、優雅さとも言える姿は、急流の石にしがみつき、流れの中を縦横に動き回る幼生時代の敏捷さと、際だった対比をなします。水の中から出てくる目的は子孫を残す、ただその目的を果たすためです。

カゲロウ、カワゲラ、トビケラ、そしてユスリカなど水棲昆虫は、デトリタスという、水中の落ち葉などの有機物を食べて成長します。それが魚や鳥に食べられ、また成虫として川の外に出ることで、大量の有機物を川から運び出し、川の浄化に一役買っていると言えます。

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引き絞った弓のようにそらせた体が、凜としています。



2020.09.07.撮影
2020.09.07.記述




2019年6月10日月曜日

小川の昆虫たち

上流から取水していて、水のきれいな小川の昆虫たちを観察してみました。ここはゲンジボタルが飛んでいるところでもあります。以下、いささかオタク的なコレクションになりますが、ご紹介を。

ヒモワタカイガラムシの、リング状になった卵嚢です。これが多数枝に付いていると、思わず引いてしまいますが、単独であれば、造形的に面白い。

ヒメマルカメムシです。茶色のマルカメムシよりも小さくツヤツヤで可愛いです。

ガガンボ(おそらくミカドガガンボ)です。ガガンボは、か弱く、短命で、特に害をする昆虫でもありません。生態系の中でどのような役割を果たしているのでしょうか。また、こんなに長い足は何の役に立っているのでしょう。よく見ると精悍な顔つきをしています。

アオヒゲナガトビケラです。最初見たときには前肢で何か捕らえて食べるのかと思いましたが、そうでもなさそうです。体もステルス機のような特殊な形をしているので、一度見ると忘れられません。

ミドリタニガワカゲロウのようです。目が平たいのが特徴です。面白いです。

モンカゲロウの仲間です。羽化したばかりなのか透き通った体が美しい。

ゾウムシの仲間で、カツオゾウムシというらしいです。名前の由来は体が鰹節(カツオブシ:削る前の)に似ているからだとか。成虫になったばかりの頃は、体が赤茶色の粉に覆われていて、体の形も加わって、ミニ鰹節そっくりだとか。初めて見ました。

アワフキムシの泡状の巣を見つけました。このあたりにもあったのですね。幼虫は終齢のようです。これはおとなしい色の茶色のアワフキムシのようです。

ちょっとお顔を拝見、と思いましたが、お顔は泡の中でした。この後ちゃんと戻しておきましたので、ご心配なく。

その名もヨモギハムシで、ヨモギの葉をムシャムシャとお食事中です。この後撮影のために寄っていくと、いきなりポロリと地面に向けて落ちていきました。これは多くのハムシの防御策。お約束です。

ウズラカメムシです。結構上品なジェントルマンといった顔つきをしています。上品ぶっていても危機の時には、おしりからプッとやるのでしょうか。

昆虫の世界の多様性には本当に感心します。幼い頃一緒に戯れた、当時は名もない虫たちを観察する楽しさを再体験しています。

2019.06.10撮影


京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...