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2020年5月29日金曜日

ハッチョウトンボを探して

今日明日と晴天が予報され、湿度も低いという予報が出ています。梅雨前に遠出をする良い機会ですので、ハッチョウトンボを見に行ってきました。ハッチョウトンボを見るのは2回目、初回はよく知った方々に連れて行ってもらったのですが、自分で探しに行くのは今回がはじめてでした。しかも初めての場所です。

現地に着いてあちこち探し回ったのですが、なかなか見つかりません。サイズ感がつかめないからでしょう。もう一度サイズを念頭に探すと、結局探し始めた場所に数匹がいました。

子供の頃のトンボはとにかく大きいものを捕りたくて、ヤンマばかり狙っていました。ハッチョウトンボはいたのかいなかったのか、よくわかりません。いたとしてもおそらく関心を持たなかったと思います。山里で田畑に山が迫り、清流が山から直接農業用の水路に流れ込むような環境は、ハッチョウトンボが棲むには少々清涼すぎていたかもしれません。また、このトンボが注目を集めるようになったのは、高度経済成長が環境に甚大な影響を与えた反省が始まった1980年代からだったと記憶しています。

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真っ赤なのはオスです。体長は2センチに満たないほど。小さいだけで十分かわいいのですが、目が赤色です。これが黒色だったらもっとかわいいのでは...などと思ってしまいます。 


よく見ると右の羽に損傷があります。他のトンボなどに狙われたのでしょうか。

こちらがメス。黄色と黒の典型的な虎模様で、草を背景にすると紛れて見えなくなります。

子供の頃よく遊んだ田舎の小川では、川底の泥を救うと、わき出すようにヤゴが這い出してきました。休みの日に早起きして川沿いに本家まで歩くと、あちこちでオニヤンマが羽化しており、わずか800 mほど歩く間に羽化したオニヤンマを指に1本ずつ止まらせ、本家に着く頃には10本全部の指にオニヤンマが止まっていることもありました。

トンボは捕食者、昆虫の生態系の頂点に君臨します。しかも、ほぼ1年間を水中で過ごすために、水質劣化の影響をまともに受けます。トンボの飛び交う水辺というのは、健全な生態系が存在する証でしょうね。

2020.05.28.撮影
2020.05.28.記述




2020年4月28日火曜日

キレンジャクとカイガラムシ

先の投稿にレンジャクがくわえたカイガラムシ(タマカタカイガラムシ)から何か粉のようなものがこぼれている、と書きましたが、その正体がわかりました。どうやら卵のようです。

その観察の顛末を以下に。

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これがその写真です。

 拡大します。粉というよりは、砂という感じです。

カイガラムシを見つけてきました。選択のポイントは、体に付いた蜜が乾いていること。あきらかに生命活動を終了しています。


一部を割ってみました。中に卵?あるいは繭?のようなものが見えます。

 拡大します。

これが取れた殻。糖分が乾いてこびりついているようです。

 これが中からこぼれ落ちたもの。形は楕円体です。

顕微鏡を取り出してみることにしました。砂糖でまぶされているのですが...

 水滴を落とすと表面張力で逃げますが、砂糖が少し落ちて、正体が見えてきました。どうやら卵のようです。

玉ひものように連続したものもあります。調べてみると、カイガラムシのメスは移動することがほとんどできず、羽根を持ったオスが訪れて受精します。その後カイガラムシのメスは卵を抱えたまま死にます。すると、その体内にあった卵が孵化して、幼生として這い出してくるそうです。息絶えても固い殻で大事な卵を守る、やはりこれは母の愛でしょうね。

キレンジャクは、長旅を前にして、甘いカイガラムシを食べることで体力を養います。一方で、カイガラムシは食べられることで子孫をより遠くより広く拡散させているのかもしれません。企業で言えばWin-Winの関係というのでしょうが、生態系の中では命のつながりと呼んだ方が良いでしょうね。また一つ新たな発見がありました。


2020.04.23 & 25.撮影
2020.04.25.記述



京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...