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2020年6月28日日曜日

ヒメガマの開花

毎年見よう見ようと思いつつ、なかなか機会に恵まれなかったものの1つにガマの開花があります。開花の期間が短く、かつ地味系の花なので、ついつい時期を逃してしまいます。今年こそはと構えていて、先日開花の盛りを観察することができました。

ガマは穂の先端部分に雄花、その下に雌花が咲く、雌雄異花の植物です。ヒメガマの場合は、雄花と雌花の間に約2 cmほどの間隙があります。白亜紀の地層から花粉が発見されるということですので、約1億年前には地球に存在したのでしょう。単子葉植物ですが、イネ科植物とは大きく異なり、果実の形も大きく異なりますし、葉の内部が多数の小部屋に分かれるスポンジ構造になっていて、水辺での生育に特化した植物と言えます。

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これは雄花を揺すったところ。大量の花粉が飛び散っています。シャッター速度は約1/40秒。この花粉が穂黄(ほおう)と呼ばれる生薬になります。


花粉の動きを止めてみました。これは約1/1000秒。雄花は葯の塊です。


雄花を拡大します。裏返った葯の塊のように見えます。



これは花粉を飛ばしきった雄花。


これは雌花です。 


拡大すると...

 柱頭とおぼしき突起が多数並んでいるのがわかります。

2020.06.23.撮影
2020.06.27.記述



2020年1月10日金曜日

亀山公園~小倉山:冬の植物を求めて

先般小倉山を中腹まで登った時、目にとまった植物を掲示しておきます。まずヌルデです。

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これは桂川沿いの堤防に映えていました。ヌルデは、ウルシの仲間で、葉も似ています。漆に弱い人はかぶれることも。

ヌルデは有用な木で、かつてはその樹液を漆のように塗料にしたようです。名前は「塗る手」から来たという説もあります。また、ヌルデの葉にヌルデシロアブラムシという昆虫が寄生すると、その部分が虫えいになり大きくふくれあがります。これをヌルデノミミフシと言い、これを乾燥させたものは、「五倍子」と呼ばれて、豊富に含まれるタンニンから黒い染料が作られました。

また、実は乾燥すると、白い粉を吹いたようになります。これはリンゴ酸カルシウムの結晶で、なめると塩辛い味がします。実際に私もなめてみました。純粋な塩化ナトリウムの味ではありませんが、しょっぱい味です。この実は生薬(塩麩子(えんふし))として、咳や痰の除去、下痢などに薬効があるとされています。

野鳥などはこの塩味を貴重なミネラル源として、この実を好んで食べるということですが、野鳥に聞いたわけではありませんので、真偽のほどはわかりません。野鳥たちが率先して食べて、早期になくなることはありません。しかし、冬のさなかになると、野鳥たちは好んで食べます。


ウルシなども似たような実をつけますが、この冬芽の形でヌルデと同定できます。

2020.01.06.撮影
2020.01.09.記述









池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...