先般小倉山を中腹まで登った時、目にとまった植物を掲示しておきます。まずヌルデです。
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これは桂川沿いの堤防に映えていました。ヌルデは、ウルシの仲間で、葉も似ています。漆に弱い人はかぶれることも。
ヌルデは有用な木で、かつてはその樹液を漆のように塗料にしたようです。名前は「塗る手」から来たという説もあります。また、ヌルデの葉にヌルデシロアブラムシという昆虫が寄生すると、その部分が虫えいになり大きくふくれあがります。これをヌルデノミミフシと言い、これを乾燥させたものは、「五倍子」と呼ばれて、豊富に含まれるタンニンから黒い染料が作られました。
また、実は乾燥すると、白い粉を吹いたようになります。これはリンゴ酸カルシウムの結晶で、なめると塩辛い味がします。実際に私もなめてみました。純粋な塩化ナトリウムの味ではありませんが、しょっぱい味です。この実は生薬(塩麩子(えんふし))として、咳や痰の除去、下痢などに薬効があるとされています。
野鳥などはこの塩味を貴重なミネラル源として、この実を好んで食べるということですが、野鳥に聞いたわけではありませんので、真偽のほどはわかりません。野鳥たちが率先して食べて、早期になくなることはありません。しかし、冬のさなかになると、野鳥たちは好んで食べます。
ウルシなども似たような実をつけますが、この冬芽の形でヌルデと同定できます。
2020.01.06.撮影
2020.01.09.記述
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