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2023年1月14日土曜日

ネナシカズラ2種:Cuscuta japonica and Cuscuta campestris

松尾橋付近の冬枯れの木に何やら汚らしい枯れた蔓草が絡みついています。葉は見あたらず、種子のみ。地上とつながる部分もはっきりしません。これはネナシカズラでした。ネナシカズラは日本の固有種です。果実はかなり大きく、長辺4ミリほど。カプセル状のフタが取れて、中の種子がこぼれ出ています。

比較のためにアメリカネナシカズラを見に行きました。これは西大橋付近に大きな株があります。こちらの方は色が淡く、果実もかなり小さめです。ネナシカズラとアメリカネナシカズラとの違いは、前者の茎は太く(2ミリ程度)主として樹木に高く登り、ふさ状の花を付けるのに対して、後者の茎は細く(1ミリ程度)主として草本上に広がります。前者の茎は薄茶色をしているのに対して、後者は黄色く、外見上の相違は大きいです。

ネナシカズラは、数年前4メートルほどのエノキ全体を覆うほどに成長したものを見ています。翌年も同じ場所に生えることを期待したのですが、全くその姿がないのに驚きました。おそらく数千万では足りない種子を付近に落としたと思うのですが、何故翌年に生えてこないのか、実に不思議です。

ネナシカズラの果実はカプセル状になっていて、中に種子があります。



アメリカネナシカズラの果実です。


ここでは主にヨモギに寄生していました。

これほど絡みつかれてはたまったものではありませんね。

2022-12-28 and 2023-01-04


2020年3月30日月曜日

植物園:オオカメノキが咲きました。

久しぶりに府立植物園に出かけました。桜をはじめ春の花々が咲き始めているので、入場者は結構多く感じます。約2週間ぶりなので、木々の芽が芽吹き、花芽がほころんで春爛漫に近づいています。

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植物生態園の池の畔のオオカメノキが開花していました。毎年冬芽を撮るのですが、春早々と開花するために、開花時期を逸しがちでした。今年はちょうど開花の盛りをとらえることができました。

ガクアジサイなどの同じように、白にピンクがかった両性花の周りに5弁の装飾花を配して、とても清楚な印象です。早春の山の中で見るとさぞかし美しいだろうと思えます。オオカメノキはレンプクソウ科ガマズミ属に属し、名前は、卵円形の葉を亀の甲羅に見立てたことから。また、「ムシカリ」の別名があるのは、この葉がボロボロになるまで甲虫によく食べられ「虫食われ」の呼び名が転訛したようです。

2020.03.29.撮影
2020.03.29.記述


2020年2月29日土曜日

植物園:冬芽観察のおまけ

この1年は府立植物園をかなり頻繁に訪れました。初めて年間パスポートの元が取れたと思います。植物の観察をメインにしていますが、植物に依存している昆虫や野鳥も観察の対象になります。

今年の植物園はハチジョウツグミが4個体現れて、目を楽しませてくれています。2月になってエナガの巣作りやシジュウカラ、ヤマガラの活動も活発になってきました。野鳥の写真から2種をポストしておきます。

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4羽のハチジョウツグミのうちの1個体です。先日見たものとは異なり、すこし茶色が濃いようです。


口にくわえたのはケヅメサンザシの実。かなり大きな実ですが、これを丸呑みします。

こちらはお食事中のシジュウカラ。食べているのは枯れ葉に隠れていた蜘蛛か蛾の幼虫のようです。

ヤマガラがこのように足で木の実などを押さえて食べる様子はよく見ますが、シジュウカラはあまりありません。

訪れるタイミングによりますが、いろいろな種類の野鳥が観察できます。植物園はある意味では大都会の中の里山と言えるでしょうね。
 
2020.02.28.撮影
2020.02.28.記述

2020年2月26日水曜日

例会中止、でも植物園へ

今日25日は植物園例会のはずでしたが、新型コロナウィルス肺炎の予防で中止。ですが、それを知らずに来られる方もあると思い、担当なので9時過ぎに北山門へ。案の定お二人が来られました。さらに会長さんも来られましたので、とりあえず例会は中止を確認して、個々に散策することにしました。

午前中は人影も少なく、野鳥がのびのびと活動していました。エナガ、混じってキクイタダキ、ハチジョウツグミ、イカル、シジュウカラ、ヤマガラ、カワラヒワ、アトリ、コゲラなどを見ることができました。

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ミツマタですが、中国産の品種大輪ミツマタのようです。花が大きいです。外側から咲いていきますので、まだ咲き始めです。花の咲き方や枝振りから想像できますが、ジンチョウゲの仲間です。

こちらはシナマンサク。これも花が大きいです。

ハクサンボク。ガマズミの仲間では唯一常緑の樹木です。つぼみがかなり膨らんできました。

先のミツマタの葉痕と冬芽です。葉痕がサンタのようでかわいい。

シリブカガシもチェックしてきました。

ドングリはまだほとんど育っていません。

シダ類のカニクサが大きく育っています。2メートルはあるでしょうか。大きいですし、枝分かれしていますが、これで1枚の葉になります。

部分を拡大します。これはしたがって、葉のごく一部です。

フウの葉です。かなりの数が落ちずに残っています。これはタイワンフウで、アメリカ産の紅葉のような形の葉を持つモミジバフウとは少し異なります。これは別名イガカエデ。マンサク科フウ属の植物です。

これはトネリコの冬芽。樹皮に寄生するアブラムシの一種、イボタロウムシから採取される蝋を敷居に塗って戸の滑りをよくしたことから、戸に塗る木ということで、トネリコという名前がついたということです。イボタロウムシから名前をもらっている木は、他にイボタノキがあります。



ツノハシバミの雄花です。まだ花粉を出してはいません。雌花はまだ咲いていないようです。雌花は赤い柱頭を出して受粉します。

セリバオウレン。

オオカメノキの頭(つぼみ)が少し膨らんできました。

こちらはゴマギ。レンプクソウ科ガマズミ属に属する木で、春の花と夏の赤い実が楽しめます。

これが日本のマンサク。生態園のマンサクです。名前は豊年満作から来たとも、また、「ま(ん)ず咲く」から来たとも。さらに、木に一杯(満ちて)咲くことからともされます。縁起のよい花とされ、日本の山野に春を告げる花です。

 ドウダンツツジの花殻と冬芽です。

これはカナクギノキの花芽と葉芽。花芽がかなり大きくなってきました。「がんばるぞ~」の木です。

 ゲンカイツツジが咲き始めていました。

ハチジョウキブシです。在来種のキブシよりも大型です。キブシは、染料に使われるヌルデの実、五倍子(ブシ)の代用になったことから名付けられました。雌雄異株で、庭には雄株が好まれます。


ツクバネの雌木です。池の畔ナギの隣にありました。針葉樹に半寄生しますので、ナギから養分を摂取していると考えられます。

相当の古木です。これほど太い幹は初めて見ました。

植物は日々変化する季節に入っていますので、目が離せません。

2020.02.25.撮影
2020.02.25.記述




2020年2月24日月曜日

府立植物園:冬芽の勉強のおまけ

テレビもネットもニュースは新型コロナウィルス肺炎ばかりで、家にいては気が滅入ります。幸いに天気も良いので、府立植物園に冬芽の勉強をしに出かけました。

暖冬に加えて季節が巡ってきていますので、冬芽は芽吹きかけて危機的な状況ですが、何とか十数種の復習と数種を新たに覚えてきました。

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冬芽はさておき、野鳥たちも忙しくしていましたので、その写真を少々。

 半木池に人だかりができていました。カワセミです。ここでは比較的近くで見ることができるので、人気者のようです。

 くちばしの色から、この個体はオスでしょうか。

くるりと振り向き...

体を伸ばして...

飛び立ちました。

流体の中を無駄なく進むことのできる素晴らしい体型です。

桜の元にはハチジョウツグミが。

大変美しい個体です。

枯れ草の上に来ると...

見事に見えにくくなります。


ケヅメサンザシの実を食べていた頃は用心深かったのですが、地上に降りてミミズなどを食べるようになってからは人慣れして、かなり近くで観察できるようになりました。

さてさて、こちらはメジロです。アセビの蜜を吸っています。

身が軽いのでぶら下がりながらでもOK。

あちらを吸ったり...

こちらを吸ったり、忙しく食餌をしていました。

植物の写真はまた今度。

2020.02.23.撮影
2020.02.23.記述


京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...