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2021年12月19日日曜日

コウゾ(あるいはヒメコウゾ):Kouzo (Broussonetia kazinoki × B. papyrifera) (or Himekouzo (Broussonetia kazinoki)): Leaf marks and winter buds

 桂川では河川敷のそこここにカジノキの群生を見ますが、雄木ばかりです。その中でここには雌木ばかりの群生があります。しかし、この雌木はカジノキではなく、またヒメコウゾでもなく、どうやらコウゾのようです。この場所にはかつて日本では数少ない初期の洋紙工場だったパピール・ファブリク(1872年創業、その後変遷を経て旧王子製紙に買い取られ、1971年に工場閉鎖)があり、その名残として植栽されていたコウゾが生き残っているのではないか、と推測しています。伐採に近いほど幾度も強剪定されてきましたが、株立ちした木はしたたかに生き残り、最も太い幹周りは約70cmにもなります。部分的に枯れた幹からは毎年ヒラタケが大量に発生し、近隣の住民をよろこばせています。今日はその冬芽を観察しました。

In Katsuragawa River, you can see groups of Kajinoki trees here and there along the riverbed, but they are all male trees. However, here we have found a group of female trees. These female trees are not actually Kajinoki, nor is it a Himekouzo, but it seems to a Kouzo tree. Kouzo is a mix of Kajinoki and Himekouzo. There used to be one of the few early paper mills in Japan, Papir Fabrik (founded in 1872, later purchased by the former Oji Paper, and closed in 1971), and I suspect that some of the Kouzo trees planted here may have survived. The trees have been heavily pruned to the point of being almost cut down, but the stumpy trees have survived well, with the thickest trunks growing to about 70 cm in circumference. The partially dead trunks produce a large number of hiratake mushrooms every year, much to the delight of the local residents. Today we observed its winter buds.

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Photos 2021-12-17


2020年6月18日木曜日

木々の実り

堤防のコウゾ(あるいはヒメコウゾ)とヤマモモの実が実りはじめました。コウゾの方は桑から少し遅れて実ります。実があまり大きくないので食べ応えはありません。しかも毛が生えている上にちょっと渋い。ヤマモモも実が小さいのですが、それなりに美味しい。まだあおくてたべられませんが。昨年とても豊作でしたので、今年は若干裏年のようです。

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虫木草魚は時を忘れずに季節と共に歩みます。


2020.06.14.撮影
2020.06.17.記述



2020年5月1日金曜日

悩ましい木:ヒメコウゾ

近所に悩ましい木があります。これまでヒメコウゾと思っていた木です。どうもこれがコウゾらしい。図鑑によれば、コウゾはヒメコウゾとカジノキの交配種とあります。また、コウゾとカジノキは雌雄異株なのに対して、ヒメコウゾは雌雄同株ともあります。

私の近所の桂川堤防法面に生えている木がヒメコウゾだと思って見ていましたが、毎年雌花は咲くけれども雄花が咲いた記憶がなく、この春特に注意して観察していました。

今年の観察では上記の場所の株の花序に雄花はついていませんでした。この木はヒメコウゾではなく、コウゾの木でしょうか?これが悩ましい点です。


そこから300mほど下った桜並木沿いに流れる小川沿いにもたくさん同類の木が生えていますが、これもすべて雌木。ただし、丹念に調べると、そのうちの1本に雄花らしいものがわずかに観察されました。この木はヒメコウゾと言えるのでしょうか。あるいはヒメコウゾの性質をちょっとだけ出しているコウゾの木なのでしょうか?これも悩ましいところです。




このような疑問に至ったのは、先週末亀山公園の樹木を見ていて、正真正銘のヒメコウゾとおぼしき木に出会ったからです。場所は公園奥の階段の登り口。ナワシログミの生えているところです。今ミツバアケビの花盛りで、その花の写真を撮っていたところ、巻き付いている木に特徴的な雌花を見つけ、その雌花の下に丸く大きな雄花とおぼしきものを見つけました。開花前の蕾のようでした。




「これがヒメコウゾとすれば、家の前のあの木はいったい何だ!」とにわかに疑問がわいてきた次第です。

樹木をよく知る方に尋ねたところ、お返事をいただきました。それによれば「コウゾは雌雄異株と書かれているものが多いのですが、ヒメコウゾ寄りの特徴をもつものは雌雄同株で更に細かな特徴もヒメコウゾに酷似するものがあるそうです」と教えていただきました。

考えてみれば、掛け合わせた場合、子孫のおのおのにどちらかの形質が強く出てくることは、人間の兄弟姉妹を含め、大いにあり得ることです。今回の悩ましい木は、「ヒメコウゾの形質がチラリと見えているコウゾらしきもの」程度にとらえておきましょう。

そもそも生き物を何かの枠にきっちり収めようとするのは人間の悪い、しかし、仕方がない性質かもしれませんね。もっとゆる~く構えて眺めることにします。

2020.04.25. & 2020.04.27.撮影
2020.04.30.記述


2020年4月26日日曜日

亀山公園の樹木たち

久しぶりに亀山公園に行ってきました。緊急事態宣言が発出されて2週間あまり、連休の遠出も自粛するようにと厳しいお達しが出ています。嵐山地区はレストランも土産物店も駐車場も軒並み閉店で、人気のないこの時期の嵐山の姿は、過去に例がないことでしょう。

亀山公園はほぼ10日ぶりで、すっかり新緑の装いです。

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これはムクノキ。薄い新緑が陽光を透かしてさわやかです。


周恩来碑の前にシリブカガシの木がありました。これまで気がつきませんでした。

これはツブラジイの新芽。花芽もできています。

ベニバナマンサクの葉です。

 デシオモミジでしょうか。春に紅葉するタイプのモミジです。

ハゼノキの芽吹き。

カキノキの花芽。

名残のウワミズザクラ。


アラカシの雌花です。

ミツバアケビの花。大きいのが雌花。小さいのが雄花

雌花の拡大写真です。太い筒のような部分がめしべ。


ナワシログミの芽生えです。もうすでに果実は1つもありませんでした。食べ損ねました!

これはどうもコウゾのようです。上の方に雌花、下の丸い塊のように見えるのが雄花のようです。



2020.04.25.撮影
2020.04.25.記述





京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...