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2019年12月23日月曜日

種子を広める:ヒメガマの爆発

12月初旬に採取しておいたヒメガマが「爆発」してしまいました。ヒメガマはガマより少しほっそりとした穂をつけるガマの弟分です。「爆発」というのは、成熟した穂が内部の圧力に負けて一気にほぐれることです。

十分に実って乾燥した穂は、表面にびっしりと並んだ種子に付随した綿毛から、穂を開こうとする強い圧力を受けています。そのような状態の時に、表面かに触れたり、何らかの原因で圧力のバランスが崩れると、一気に吹き出すように種子があふれ出てきます。これが「爆発」現象のメカニズムです。

動きを伴う大変面白い現象ですので、観察会などにガマの穂を持ち込むと、子どもたちが大喜びで爆発を楽しみます。自然の不思議をじかに体験する良い機会になります。それで今年も穂を数本確保しておいたのですが、ベランダに出しておくうちに乾燥しすぎたようです。そのうちの1本がほぼ爆発、もう1本が部分爆発してしまいました。爆発物を処理するついでに観察します。

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片面がほぼ完全に爆発してしまった穂です。

風を受けると穂がほぐれていき...

さらにほぐれて...

ちぎれて...

飛んでいきました。

これは部分爆発した穂。一カ所からこぼれるように綿毛のついた種子が吹き出ています。

拡大します。種子は外側に、内側には種子を飛ばすための綿毛がびっしり並んでいます。この綿毛の圧力で爆発が起きるようです。

拡大します。

一つ一つの種子はこのような形をしています。 一つの穂に30万~40万個付いていると言われています。

タンポポなどと異なり、綿毛は軸の途中からも出ています。

目盛は0.5ミリスケールです。綿毛は6~7ミリ、種子の長さは約1ミリ。極小の種子です。指で挟んでもほとんどその存在がわからないくらいの軽く、小さいです。

 拡大します。

NHK for Schoolという番組に「種がぎっしり ガマの穂」というものがありましたのでリンクしておきます。ガマはまさに質より量の種子散布の方法を選んだ植物です。

ガマは古来から水辺に、人の生活に近いところに生えていますので、ガマを巡るいろいろは物語や逸話もあります。それらについてはまたいずれ。

2019.12.22.撮影
2019.12.22.記述


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買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...