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2020年9月8日火曜日

癒しの虫たち(補遺)

 先日ウラギンシジミを紹介しましたが、結局幼虫を飼育したくて家に持ち帰りました。自然界ではなかなか成虫にならないので、その手助けと、幼虫から飼育することでの観察の充実のためです。いずれの幼虫も自宅近くで捕獲していますので、成虫になればもとの場所に戻しています(時には車で小一時間のドライブを強いられることもありましたが...)。生態系の保全には極力配慮しています。

家では現在、アケビコノハ2頭(共に前蛹化しています)、ヒメホシホウジャク1頭、そしてウラギンシジミ1頭が飼育中...と思ったのですが、本日詳細に調べたところ、ウラギンシジミのために採ってきたクズの花序の中にもう一頭のウラギンシジミと、おそらくシジミチョウ(ムラサキシジミ?)の幼虫を発見しました。なんやかやで7頭の飼育中です。

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最初に保護した幼虫がおそらく孵化した卵です。




これが最初の1頭。紫がかっていますので、バイオレットと名付けましょう。

これが本日発見したもう1頭のウラギンシジミ。緑がかっていますので、グリーニーと名付けましょ。

ウラギンシジミの秘密兵器はこれ。お尻の煙突から房状の突起を出して、線香花火のように広げて振り回します。グリーニーがさっそく披露してくれました。幼虫にも個性があり、怒りんぼの幼虫はちょっと触っただけで花火を出しますが、おっとりした幼虫はなかなか出してくれません。それでも、何かの気の迷いで出してくれることもあります。

ウラギンシジミはマメ科の植物を食べるので、インゲン豆を使って飼育できるとの情報もありますが、やはりウラギンシジミに似合うのはクズの花ですので、ちょいとがんばって餌を確保したいと思います。その結果、1日に1頭お仲間が増えることになるかもしれませんが。

2020.09.06.撮影
2020.09.06.記述



2020年6月26日金曜日

イシガケチョウ:その後のその後のそのまたその後

3頭のイシガケチョウを卵から育てていましたが、そのうちの2頭が羽化しました。1頭は22日の正午頃、2頭目は25日の午後2時頃、いずれも無事美しい蝶になりました。いずれもその日の夕刻に卵を採取した場所で放蝶しました。いずれも(繰り返しになりますが)すぐに舞い上がり、しばらく飛び回った後、頭上のイヌビワの葉裏に止まって様子をうかがっていました。3頭目は一昨日蛹化しています。

これまでの経過をまとめると以下のようになります。

産卵(確認)  孵化  蛹化  羽化
6/4(確認)  6/7   6/16  6/22
6/4(確認)  6/7   6/19  6/25
6/5(推測)  6/8   6/23  6/29(予測)

産卵から孵化までには約4日、蛹化から羽化までには約6日ですが、孵化から蛹化までは条件が異なるせいか、個体の差もあるのか、10日から16日程かかっているようです。蛹化から羽化までの日数は、最初の2頭が6日ですので、3頭目もおそらく6日かかるとすれば、6月29日が「予定日」という事になりますので、注意しなければなりません。というのは、この蛹は、体を糸座に固定できずに落ちてしまったからです。現在仮の糸座に固定していますが、羽化の時にまた落ちる可能性もあります。タイミングを見計らって羽化を見守りたいと思います。

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放蝶した1頭目です。葉裏に身を潜めました。

少し離れて見ると、葉と平行になり、かつ葉裏が陰になるのでほとんど見えなくなります。

これだけ離れると、全く見えなくなります。飛翔していなければ、まず気づくことは難しいでしょう。

同じく葉裏に止まった2頭目です。1頭目から3日遅れで羽化しました。イヌビワの実が隣に見えます。

周囲の葉を調べると、食痕のある葉も多いのですが、いずれも若齢幼虫の食痕で、古く、おそらくはこの2頭と同じ時期に産み付けられた卵から孵化した幼虫のものと思われます。



少なくとも100個を超える数の卵が産み付けられたのでしょうが、生きて成虫になれたのは、この2頭だけかもしれません。厳しい現実です。

2020.06.22. & 2020.06.25.撮影
2020.06.25.記述


2020年6月20日土曜日

イシガケチョウ:その後のその後

イシガケチョウの2頭目が蛹化しました。19日の朝のことです。1頭目と2頭目は同じ日に孵化しました。生育のための条件をほぼ同じにしても、個体によってかなり差が出ることがわかりました。

蛹化したサナギは半日後には体色が茶色く変わり、枯れ葉そっくりになりました。また、1頭目と同様に、体を半ばひねった状態でぶら下がっています。観察していると、徐々に体を伸ばしたり曲げたりする一方で、他の蝶や蛾のサナギがするように瞬間的にブルッと体をはねるように振るわせてひねりの方向を変える場合もあります。何を考えているのやら...虫の心の中は量りがたいです。

3頭目は昨日終齢幼虫へと脱皮しました。新しいイヌビワの葉を採ってきて与えたところ、若い葉にかじりついて、食べるわ食べるわ、丸一日の間に4倍ほどの大きさになりました。一般にイシガケチョウの幼虫の動作は敏捷で、葉を食べる速度もガツガツと旺盛です。条件さえそろえば、1頭目のようにすさまじい早さで成長する、というのが印象です。

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先日蛹化した1頭目のサナギです。下に見えるのは、脱ぎ捨てた終齢幼虫の皮です。

体を少し反らせていますが...

時間が経つと、さらにそらせていますので、何らかの意思を持って動いているのでしょう。

こちらは今朝蛹化した2頭目です。

夕方には枯れ葉そっくりになっていました。

こちらも微妙に体を反らせています。この種に共通した特徴なのでしょうね。

3頭目はもりもり食事中。

丸一日でほぼ1枚の葉を食べ尽くしました。 一日で4倍以上の大きさになっています。驚異的です。

引き続き見守りたいと思います。

2020.06.19.撮影
2020.06.19.記述


2020年6月14日日曜日

イシガケチョウ:その後

イシガケチョウの孵化から約1週間が経ちました。同日に孵化した幼虫でも成育の速度にはかなりの差があります。現在最も大きいものが3.5センチ、続いて1.5センチ(以上6月11日孵化)と1センチほど(6月12日孵化)の大きさになりました。グラン、ミディ、プチと仮に名付けましょう。プチは二齢幼虫、ミディは三齢、グランは四齢かと思われます。プチはこの幼虫独特の葉先を食べて細い主脈を残す「糞塔」をまだ守っています。グランとミディは葉を食べるとき以外は主脈にそって眠っているように休んでいます。

グランの様子を撮影してみました。

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体に四本生えているこの角がすごいです。このために大変猛々しく見えます。竜のようにも見えます。四齢と思っているのですが、五齢でしょうか。よくわかりません。

長時間休んでいますが、動き出すと結構敏捷です。




この角を少し拡大してみましょう。

先端部は透明で細い毛が生えています。

中程は黒く、毛も生えていますが、角からさらにトゲのような突起が生えてきています。これは側面の毛にピントを合わせたところ。

手前側の表面の突起にピントを合わせてみました。

これが付け根です。体表も突起に覆われています。カラフルゴジラといったところでしょうか。

頭です。弧状に並んだ複眼が見えます。黄色っぽく見えています。

この写真では光を受けて少し輝いています。

とにかく初めての飼育ですので、慎重に慎重に育てています。

2020.06.12.撮影
2020.06.13.記述




2020年6月12日金曜日

イシガケチョウ

今年はもうやめておこうと思ったのですが、ついつい出来心で拾って来たチョウや蛾の幼虫を飼育しはじめました。レスキューあり、興味本位ありです。

その中でこれまで飼育したことのないものは、ツマキチョウ。これは蛹化しましたので、VIP扱いで保管しています。それともう一つイシガケチョウ。これは市内某所で手に入れた卵(2個)と大阪府下某所で入手した卵(1個)から孵化したものです。市内某所の卵については、産卵の時間が月日時分秒までわかっています。

同日に孵化した2匹の間に生育の差ができてきましたが、順調に育っています。これまで育てたことのない幼虫ですので、振る舞いも変わったところがあります。それをメモしておきます。

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1齢幼虫の頃から、葉の先端を食べる傾向があります。これはおそらく2齢幼虫ですが、葉の先端に止まっています。ここから出張して葉を食べて、休むのは大概この先端。


不安定ですし、万一にもちぎれたら落下の恐れもあります。それでよく観察してみることにしました。葉の先端部がなにやらもやっと白く見えます。

拡大してみると、食べ残した軸に丁寧に糸を吐いて補強していることがわかります。

見ている間にも、糸を吐き、体をよじらせて糸を伸ばし、それを軸に巻き付けています。 この位置で休むことで、おそらくテントウムシやアリなどの天敵の接近を予防する効果があるのではないかと推測します。他の蛾などが葉を巻いて身を隠すのに似ています。

2齢幼虫の段階では、キティちゃん顔で結構かわいいです。

これが3齢幼虫以降になると、結構おぞましい姿になります。まあ、それも人間から見た偏見ですが...この幼虫はこれまでのものとは異なり、触るのにもちょっと勇気がいりそうです。これからどうなるかは....乞うご期待。

2020.06.10.撮影
2020.06.11.記述


2019年11月14日木曜日

飼育記録:ホシホウジャクの羽化

ホシホウジャクが昨日羽化しました。9月24日に孵化して、蛹まで育てていた個体です。蛹化は10月14日です。気温下がり花の少ないこの時期に羽化するとは全く予期しなかったことで、ちょっとショックです。飼育箱はベランダの日陰に置いていました。10月に暖かい日が続いたためか、ベランダに出す前に室内にしばらく置いていたためか、原因がよく分かりません。早朝に飼育箱の中に発見したときはほとんど動かなかったのですが、陽光を浴びると体が温まったのか、しばらくして舞い上がり去って行きました。飛翔能力が高いので、蜜源となる植物を見つけ、できれば交尾できる相手を捜し当てることを祈ります。

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最初飼育器の中で見つけたときはほとんど動かないので、相当弱っているのかと思いました。取り急ぎアイソトニック系の飲料をしませたティシューペーパーから給餌しようとしたのですが、口吻を伸ばしません。そのうちに羽を小刻みに震わせ始めました。

ベランダに出して太陽の光が当たると、体が温まったのかさらに大きく羽ばたきはじめ、垂直にホバリングして上昇した後、外に飛び出していきました。気温が低めだったせいか、ホシホウジャク一流の俊敏な動作ではありませんでした。週末には寒波の到来も予報されていますので、長くは生きられないでしょうが、短い間でも大空を自由に飛翔する自由を満喫してほしいと思います。羽ばたくと、ホシホウジャク独特の後翅の黄色い模様がよく見えました。
2019.11.12.撮影
2019.11.13.記述



2019年10月25日金曜日

飼育記録:ホシホウジャクNo.1:蛹化の記録:虫に弱い人は閲覧注意

One week ago, Macroglossum pyrrhosticta, or burnt-spot hummingbird hawkmoth, which I had been breeding, pupated. The egg was laid on September 24, so I bred it for 22 days in total. It was my first experience and the larvae revealed a lot of secrets about its behavior, which I will put down on this blog later on.

卵から育てたホシホウジャクが、先日蛹化しました。冬が来る前に成虫になるといけないので、今は飼育容器を戸外に出しています。蛹化直前の様子から、蛹化後の様子までを時系列に並べました。

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9月24日に産卵したホシホウジャクの成熟した姿です。これは10月12日の撮影ですので、22日間育てたことになります。流線型が美しい幼虫です。2019.10.12.撮影

1日後、蛹になる場所を求めて降りてきました。朝所在なく動き回る姿です。オオスカシバと同じように、体色が茶色っぽくなっています。通常は地上に降り立つので、カモフラージュの意味があるのでしょうか。2019.10.13.撮影

夜にはすでに飼育箱の底とキッチンペーパーの間に薄い繭を作っていました。オオスカシバよりも目の粗い繭です。2019.10.13.撮影

翌日は丸一日ほとんど動かないでいました。徐々に皮膚が透明になってきています。2019.10.14.撮影

その翌日、10月15日に蛹化しました。頭の部分が丸くふくれているのが特徴です。長い口吻を収めているということです。2019.10.15.撮影

オオスカシバならば、丸1日で体色が濃い茶色になるのですが、ホシホウジャクは半透明なままです。これは蛹化から3日後の10月18日、うっすらと茶色を帯びています。体に不思議な模様があるのが見えます。まるでタトゥーのようです。2019.10.18.撮影

その翌日、9月19日です。その後体色はこれ以上濃くなりません。2019.09.19.撮影

容器を入れ替えるためにいったん取り出しました。不思議な模様がはっきり見えます。2019.10.21.撮影

背中側から見たところです。2019.10.21.撮影


腹側を見たところ。体の中心に黒い線が入っています。2019.10.21.撮影

 ボテボテに太っている感じで、きついベルトをしたら、おなかがムキッと出てしまったような感じです。触られると、太みじかいおなかを、「ムニッ、ムニッ」と言わせて左右に振ります。元気です。2019.10.21.撮影

この後、シュレッドしたキッチンペーパーに緩く包んで、小さめの飼育容器に入れ、戸外に出しておきました。時々様子は見ますが、約6ヶ月余りの眠りにつくことになります。羽化するのは5月に入ってからでしょう。その日を楽しみにしています。

2019.10.24.記述






京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...