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2021年1月28日木曜日

キレンジャク参上

26日の午後、近くの桜並木でキレンジャクの群れに遭遇しました。群れは6羽。しばらく様子を見て、川下に飛び去りました。

昨年は桜の木にタマカタカイガラムシという濃い蜜を出すカイガラムシが大発生して、それを目当てに桜の花の散り終わる頃まで河川敷の桜並木にキレンジャクやヒレンジャクが多数逗留していました。しかし今年はカイガラムシの姿が全く見えず、レンジャク類の訪問は期待できないかもしれません。

レンジャク類は例年ピラカンサの実やトウネズミモチの実、ヤドリギの実が熟する頃に訪れます。今年カイガラムシが見込めないとなると、例年通りの時期と場所でしか出会えないことになるでしょう。

キレンジャクは学名をBombycilla garrulusと言います。属名のBombycillaはギリシャ語のbombuxから来ており、「絹」を意味します。cillaはラテン語の「尾」ですので、「絹の尾」を持つ鳥。小種名のgarrulusは「騒々しい、おしゃべりの」という意味になります。たしかにレンジャク類のつややかな羽毛は絹の感触を予感させます。

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写真に写っているのは5羽ですが、全部で6羽いました。






キレンジャクには次列風切羽の先端部に赤い蝋状の突起物があり、この種の特徴となっています。これが蝋のしたたりのように見えることから、英語ではこの鳥をwaxwingと呼んでいます。


2021.01.26.撮影
2021.06.27.記述




2020年4月28日火曜日

キレンジャクとカイガラムシ

先の投稿にレンジャクがくわえたカイガラムシ(タマカタカイガラムシ)から何か粉のようなものがこぼれている、と書きましたが、その正体がわかりました。どうやら卵のようです。

その観察の顛末を以下に。

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これがその写真です。

 拡大します。粉というよりは、砂という感じです。

カイガラムシを見つけてきました。選択のポイントは、体に付いた蜜が乾いていること。あきらかに生命活動を終了しています。


一部を割ってみました。中に卵?あるいは繭?のようなものが見えます。

 拡大します。

これが取れた殻。糖分が乾いてこびりついているようです。

 これが中からこぼれ落ちたもの。形は楕円体です。

顕微鏡を取り出してみることにしました。砂糖でまぶされているのですが...

 水滴を落とすと表面張力で逃げますが、砂糖が少し落ちて、正体が見えてきました。どうやら卵のようです。

玉ひものように連続したものもあります。調べてみると、カイガラムシのメスは移動することがほとんどできず、羽根を持ったオスが訪れて受精します。その後カイガラムシのメスは卵を抱えたまま死にます。すると、その体内にあった卵が孵化して、幼生として這い出してくるそうです。息絶えても固い殻で大事な卵を守る、やはりこれは母の愛でしょうね。

キレンジャクは、長旅を前にして、甘いカイガラムシを食べることで体力を養います。一方で、カイガラムシは食べられることで子孫をより遠くより広く拡散させているのかもしれません。企業で言えばWin-Winの関係というのでしょうが、生態系の中では命のつながりと呼んだ方が良いでしょうね。また一つ新たな発見がありました。


2020.04.23 & 25.撮影
2020.04.25.記述



2020年4月25日土曜日

レンジャクの食べ物

キレンジャクとヒレンジャクが、自宅至近の桜並木にも来るようになりました。ここでもカイガラムシを食べていますが、昨日撮影した写真を精査していて、奇妙なことに気づきました。

というのは、カイガラムシをくちばしでつまみ取った瞬間に、何か粉のようなものが飛び散っているのです。必ずしもそうなるわけではありませんが、異なった個体が別々の場所でつまみ取ったカイガラムシに同じような現象が起きています。

レンジャクやその他の鳥たちとカイガラムシの関係を考えていたのですが、一方的に食べられるばかりでなく、カイガラムシたちは食べられることを自分たちの繁殖の機会としてとらえている可能性はないでしょうか。

つまり、鳥に食べられることで犠牲を払いますが、一方で鳥のくちばしや体に卵や幼生が付着して他の木や枝に広がる好機を得ている、のではないかと考えます。ひょっとしたら、レンジャクがつまみ取ったカイガラムシからこぼれる粉のようなものは、カイガラムシの卵ではないか、と想像しました。

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この日は20羽ほどの群れで訪れていました。キレンジャクとヒレンジャクがほぼ半数です。

これです。つまみ上げたカイガラムシから、何か砂のようなものがこぼれ出ています。

ピンぼけ写真ですが、これもそうです。カイガラムシから何か吹き出しているように見えます。


 ヒレンジャクの中には「口直し」なのか、時折サクラの花びらを食べるものもいました。 



 



この日はコムクドリも訪れていました。かろうじて葉陰にその姿を認めました。

2020.04.22.撮影
2020.0424.記述



2020年4月9日木曜日

カイガラムシとキレンジャク+ヒレンジャク

先日キレンジャクを観察した桜並木に再度出かけました。先般見つけたタマカタカイガラムシは、まだアリの活動が不活発なのか、排出した蜜が大量にたまり、かつここ数日の強風で、蜜が水分を飛ばされて、いよいよねっとりして、まるで水飴のように体から垂れ下がっていました。そのカイガラムシをお目当てにキレンジャクがまだ10羽ほど。よく見るとヒレンジャクも2羽混じった混群でした。

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したたり落ちそうな甘露です。

鳥でなくともなめてみたくなります。濃厚な甘みがありました。蜂蜜のようなえぐみはありません。
  
 
このように枝に鈴なりです。

キレンジャクの食事風景です。




 今日はこの中にヒレンジャクが混じっていました。お尻から失礼します。

ヒレンジャクには、キレンジャクに見られる、次列風切羽の先端の蝋状の突起物はありません。それと上記の写真のように尾羽の先端が赤いのが特徴です。

後ろ姿です。

用心深くてなかなか全身を洗わしてくれません。キレンジャクと一緒にいますが、少し距離を開けています。つかず離れずという感じで混じり合っています。

 尾羽の緋色の先端部です。

今年はレンジャクの観察を堪能しました。無事に繁殖地に渡って、再び姿を見せてくれることを願いつつ見送りましょう。

2020.04.08.撮影
2020.04.08.記述



2020年4月4日土曜日

キレンジャクなど

3日連続でキレンジャクを見に行きました。自転車で片道20分余り。結構良い運動になります。昨日と比べると群れは約半分の大きさになり、一昨日と比べると4分の1程度になりました。食べ物はふんだんにあるのですが、さすがにこの季節になると北帰行に入らねばなりません。

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桜の中のキレンジャク。今年は堪能させてもらいました。学名は Bombycilla garrulus で、「絹の尾を持つおしゃべり鳥」というような意味です。種名の garrulus は今の英語にも garrulous という語があります。ラテン語の garrulus はおしゃべり好きのという意味。実際に鳴き声を聞いてみると「ヒリリリ...」というようなさえずりで、決して大声でのおしゃべりはありません。繁殖期にはまた違った鳴き方をするのでしょうか。



今日もヒヨドリがお邪魔虫でした。くちばしは蜜を吸うのに格好です。

対岸では大きなコイを捕らえたミサゴが食事をはじめていました。まだ生きているコイを頭からむしり取って食べています。残酷ですが、自然の摂理、命の交換です。

平和な植物に移ります。これはエノキの新芽。雄花と雌花のつぼみを含んでいます。

セイヨウカラシナ。対岸は桂離宮。

ハゼノキの芽吹き。

ご存じ、ジャケツイバラの実と種子。まだ地上に落ちません。

バンザイポースが大きくなったアカメガシワ。

葉痕に亀裂が入って膨れてきたセンダンの木。

これはやっと見つけたヤマモモの雌花。昨年は大豊作。今年は裏年のようです。大きな木でもなかなか雌花は見つかりません。

オニグルミの新芽も展開してきました。

2020.04.03.撮影
2020.04.03.記述



池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...