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2019年9月1日日曜日

貴船を歩く:植物を見ながら:落ち穂拾い

先般の貴船散策の際に写した写真を整理していて、まとめていないものを見つけました。落ち穂拾いです。

クサギの花です。実と萼片は染め物の染料にもなります。特に成長期の葉を摘んで揉むと、薬品臭(アリナミンという人が多い)がすることでも知られていますが、おひたしにしてもおいしいとか。

キンミズヒキです。タデ科のミズヒキとは異なり、バラ科の多年草です。葉に特徴があり、互生の奇数羽状複葉です。

タケニグサです。春にタケノコのようにすっくと伸びることからこの名前がありますが、秋の花は初めて気がつきました。意外と繊細な花をつけます。

この花がタケニグサであることは、特徴的な葉の形で分かりました。

これは何でしょうか?よく分かりません。ヒヨドリバナのようにも思いますが、本格的に花が咲かないと分かりません。

上記の拡大です。

ヒトリガの終齢幼虫のようです。同じ葉に2匹が上下についています。二人でいてもヒトリガです。

キツネノボタンのようですが、柱頭の痕跡が長すぎるような...ペンディングにしておきます。

ノブドウです。実の大きさや色の違いは中に寄生する虫のせいだと言われています。まだ割ったことがないので、正確なことは言えません。

先日も紹介したセンニンソウです。今年初めてきれいに咲いている株を見ましたので、感動です。咲き始めでほどほどに咲いているのが楚々として良い感じです。


アカソですが、よく見るとフクラスズメの幼虫が見えます。

拡大します。虎柄は自然界ではなかなか見つけにくいです。

ヘクソカズラも、貴船らしく(?)上品に咲いていました。

今回圧倒的に多かったのがこの花(と言えるか?)ボロギクです。これがつぼみ。

これが開花状態(左端のもの)。

花が終わってほぐれ始め。

開いてこうなります。

これがいくつも重なると、白いぼろを枝にかけたようになり。

遠目には白い綿がほつれて、枝に掛かっているようで、あまりきれいなものではありません。

この綿毛が余りにもたくさん飛んでいたので、アカソの花の写真を拡大してよく見ると、毛だらけでした。きれいな写真はなかなかうまくは撮れません。
2019.08.26.撮影
2019.08.30.記述




2019年8月30日金曜日

貴船を歩く:植物を見ながら

貴船の散策で出会った植物を紹介します。酷暑の日々が続いても、植物たちは季節に沿って着実に芽生え、成長し、花を咲かせ、実を結び、枯れていきます。人は新緑や紅葉、花を愛でますが、成長のどの段階もその植物にとってはなくてはならない生きる過程を表しています。私たちの日々の暮らしの一つ一つの出来事も、私たちを私たちたらしめる、一つ一つの出来事であると思います。

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センニンソウです。貴船川を見下ろす車道脇に数カ所咲いていました。まだ咲き始めで、花とつぼみがほどよく交わり、清流を見下ろしてとても美しいです。

シャガの葉の間からヌスビトハギが顔を出していました。平地では外来種の荒れ地ヌスビトハギばかりになってしまいましたが、ここ貴船では在来種が健在です。

拡大します。ヌスビトハギの実です。きれいな半月型が2つつながる形(節果)で実をつけます。マメ科です。サヤマメに似ていますが、食べた人の記録は読んだことがありません。

イノコヅチはヒカゲイノコヅチのようです。市街地ではヒナタイノコヅチが主流です。

これも市街地ではほとんど姿を消してしまったゲンノショウコです。赤花です。

鮮やかな五弁の花が咲いています。

キダチコマツナギです。コマは「駒」のこと。コマツナギは匍匐性。キダチコマツナギは灌木になります。茎が丈夫で、馬をつないでおけるような強さをもっているということで、「コマツナギ」名前があるそうです。花はルピナスなどに似ていますね。マメ科です。

アキカラマツが咲き始めていました。漢方薬として健胃剤として使われます。キンポウゲ科の植物です。別名タカトウグサ。

アカソの花も咲き始めていました。葉と花を見れば分かりますが、イラクサ科で、ヤブマオなどと同じ仲間です。ただし、ヤブマオとは異なり低木になります。


ヨツバムグラのようです。

キツネノマゴが花をつけ始めていました。

貴船の料亭街では、シュウカイドウがほの暗い流れに映えています。

帰路に気づいたのですが、砂防ダムのそばの草地にアカネのつぼみがありました。こちらでも開花はまだのようです。
2019.08.26.撮影
2019.08.27.記述





2019年8月28日水曜日

飼育記録:オオスカシバ:体色の変化

オオスカシバの4匹目が前蛹になりつつあります。今日午前中に摂食を止めて、場所を探してうろつき、飼育器のコーナーに場所を定めました。

アゲハの場合、徘徊する直前の終齢幼虫は、下痢便をして一気に体内の残留物を排出しますが、オオスカシバはそのようなことはせず、通常に糞をしながらうろつきます。先に蛹化したもの(1号~3号)は、繭の中にさえ数粒の糞をしていました。

不思議なのは体色の変化です。食餌を止めた段階で体色が土色に変化し始めます。その後徘徊しているときがもっとも土色が濃い時期です。その後繭を作る段階になると、体色は再び緑がかってきます。土の上を徘徊するときに少しでも見つからないようにとの擬態でしょうか。

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枝上ですでに体色の変化が見られます。これが午前8時頃。

徘徊中。これが午前11時頃。

繭を作り始める頃には体色が再び緑色っぽくなります。これが午後10時頃。

今年はオオスカシバが周囲で余り見られません。こうして保護してリリースすることで、少しでも個数の増加につながると良いのですが。

2019.08.24.撮影
2019.08.24.記述



2019年8月26日月曜日

ゴマダラチョウの不思議

これまでいろいろな昆虫をお世話してきましたが、今回初めて飼育したゴマダラチョウは、ちょっと不思議です。この個体に固有のものかもしれませんが。

この子を保護したのが、台風10号が西日本に上陸した8月15日。強風が吹く中、ピロティのそばのコンクリートの壁にしがみついていました。ゴマダラチョウだと判断してエノキを与えたのですが、全く食べず、ほぼ絶食状態で4日間が過ぎました。この間、ひょっとしてゴマダラチョウではないのでは、と思い、ユキヤナギやヤナギの葉などを与えましたが、まったく関心を示さず、飼育器の蓋に張り付いていました。

ところが、20日にようやくエノキの葉を食べ始めると、猛烈に食べる、次にう~んと休む、猛烈に食べる、う~んと休むを繰り返しています。休む期間は当初よりも短く1日程度ですが、その間はまったく動かずに「葉化け」しています。

通常幼虫は少し休みながらも、コンスタントに食べ続けるのが普通ですので、このインターバルのある食餌行動は不思議です。人に聞くと、ゴマダラチョウは、休みを取る葉が決まっていて、食餌の後はその葉に戻って休むそうです。人間ならば、ベッドでしっかり寝ると言うことでしょうか。

たらふく食べてお休み中のゴマダラチョウの幼虫です。皮膚のくすみ具合、肉角の角度、皮膚にある模様と枯れたエノキの鋸歯の色などが、ホントにそっくりです。毎朝姿を探し求めます。

食事中の様子の動画です。早回しではありません。ゆったりと休んでいた時には考えられないスピードで動きます。

もう一つ動画を。食べるスピードが半端ではありません。早食いするので、ゆっくり休む必要があるのでしょうか。さんざん食べた後に、ぴたりと動かなくなりました。
この種の特徴なのか、個体の個性なのか、不思議です。

2019.08.23.撮影
2019.08.23.記述



2019年8月25日日曜日

精霊トンボ、精霊バッタ

この季節になると精霊(しょうりょう)と名のつく昆虫が現れるようになります。ショウリョウトンボと、ショウリョウバッタです。精霊とは死者の霊のこと。それを送る頃、初秋に現れる虫たちです。

一般にショウリョウトンボはウスバキトンボのことを言うようですが、京都ではハグロトンボを「オショライトンボ」などと読んでショウリョウトンボとするようです。都市化した京都の町中の鴨川などにもよく見ます。

昔の京都では、親たちが子どもたちに、この季節のオショライトンボを捕らえたりすることを戒めたりしたそうですが、今ではどうなのでしょうか。

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これが一般的にショウリョウトンボと言われるウスバキトンボ。この季節にたくさん飛びます。アキアカネと取り違えられて、赤とんぼなどと呼ばれることもあります。薄黄色のトンボで、それこそ魂のように軽く、はかなさのあるトンボです。2019.08.22.撮影

 こちらはショウリョウバッタ。メスの方がオスの10倍ほどの重さです。メスは動きが鈍くて捕まりやすく、長い後ろ足を持つと、はねようとしてピクンピクンと体を揺らせるので、コメツキバッタとも呼ばれ、オスの方は飛ぶときにキチキチと音を立てるので、キチキチバッタとも呼ばれます。2019.08.21.撮影

これはメスの茶色型。数的には少ないですが、このような茶色型のオスメスもいます。2019.08.22.撮影
猛暑が和らいだと思ったら、秋雨前線の停滞で、にわか雨と高湿度の毎日です。

2019.08.22.記述





2019年8月20日火曜日

残暑の植物園に見る生きものたち

植物園に用事があって出かけました。一昨日昨日と降雨があったせいか、刺すように照りつける太陽の下でも、植物は元気に葉を茂らせ花を咲かせています。見たものを時間順にいくつかメモ書きしておきます。

パパイヤの木と実です。熟した実に含まれる酵素パパインは、パイナップルに含まれるブロメラインと同様に、タンパク質分解酵素の中のシステインプロテアーゼに分類される酵素です。肉料理と相性が良いのはそのせいもあるでしょう。

支えのロープの先にある緩衝材がプラゴミのようで興ざめです。もう少し美的な配慮がないとね。

夏でも元気なのがこのサルスベリ。あちこちで鮮やかに咲いています。花の構造が複雑です。花の後にできる実も面白い形をしていて、ドライにしてリース飾りに使えます。

広場の南西にあるシダレエンジュです。葉を落とした冬には独特のシルエットで目立ちますが、夏にはしだれていることは分かりますが、緑が枝を隠して、あまり目立ちません。

花も小さくて派手さがなく、地味系です。

ナラガシワの堅果です。だいぶ大きくなってきました。ドングリの仲間は実をならすのに1年かかるものと2年かかるものがありますが、この木は1年で熟します。備長炭で有名なウバメガシなどは2年かかります。

ホルトノキ。街路樹や公園木などによく使われますが、これも地味系の樹木で、目立たないので気づきません。平賀源内がポルトガル(ホルト)に由来する木だと誤解して、この名を付けたという説があります。

アオダイショウが幹を登っていきました。足がないのに器用ですね。久しぶりにじっくりと蛇を観察しました。

カラタチの実です。今年は実りが良いようです。かつては寺の周囲などによく植えられて、アゲハチョウの繁殖を助けていましたが、鋭い刺が嫌われるのか、近年滅多に見かけなくなりました。初めて見た時の木は、ほとんど刺だけのもので、阿部公房の短編に出てくる「デンドロカカリヤ」とは、この木ならん、と思いました。

熟したニガウリです。ナスにしろキュウリにしろオクラにしろ、野菜には未熟あるいは超未熟なものを食べるものがあります。このニガウリもまたその1つ。熟しては食べられませんが、美しいです。

やがておしりの方から崩れていって...

ぼとぼとと熟した種が落ちます。これが自然にあるべき姿ですね。

近くには長瓢もありました。ナガフクベと読むらしいです。長くて重い!

こちらは大ひょうたん。

ディル(フェネル?)にはアカスジカメムシが20匹ほど、恍惚の表情を浮かべながら汁を吸っていました。

恍惚の表情です。(硬骨かも(^^;)

この蜂が何かよく分からない。スズメバチ系統ではなく、クマバチ系統のようですが、なかなか近くまで来ないので、以下の写真がめいっぱいです。オオハキリバチかな?


これはサネカズラの花。実も美しいですが、花もなかなかのもの。ビナンカズラとも言い、古くは植物体から取れる粘液で髪の毛を梳かしつけたとか。これは雄花です。

この棚ではまだたくさんの蕾もあり、当分楽しめそうです。

雌花の時期は過ぎたのでしょうか。開花しているものがありませんでした。これは実り始め。

徐々に大きくなり...

秋の終わりには、鮮やかな赤色になります。実が落ちた後の花托も赤くきれいで、常緑でもあり、一年中楽しめる植物です。

傍らにはあけびの実も大きくなってきています。 

アーモンドの実が熟してきています。食べる部分は種の仁の部分です。

オミナエシが花の盛りで、いろいろな虫たちが吸蜜していました。フタモンアシナガバチのようです。

アブの仲間。

これは触覚が長いので、ハチの仲間でしょうね。

カメムシの仲間。

ミツバチより一回り小さな蜂です。

ミカドトックリバチでしょうか。
2019.08.17.撮影
2019.08.17.記述



池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...