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2021年12月16日木曜日

ハシボソガラス:Carrion crow (Corvus corone)

賀茂川で野鳥を観察しました、桂川に比べると川幅が狭く、手入れが行き届いていて、「てなづけられた川」という印象です。流量の少ない水位からは、かつて白河法皇が「賀茂川の水、双六の賽、山法師。これぞ我が心にかなはぬもの」と嘆いたという面影はありません。そんな賀茂川でハシボソガラスが、水中の石を岸辺に運んでいました。目的はどうやら石に付いているトビケラなどの川虫を食べることのようです。地方によっては、車の通る道にオニグルミの実を落として車にひかせて食べる知恵もあるとか。近年「羽毛を生やした人類」とも言われるカラスのことです。これくらいの芸当はたやすいことなのかもしれませんね。

I observed wild birds at the Kamo River. Compared to the Katsura River, the river is narrower and better maintained, giving me the impression of a "tamed" river. This  river reminds me of the passage from the Story of Heike, in which Emperor Shirakawa once said, "The water of the Kamo River, Sugoroku no Sai (the number of the dice), and Yamahoushi (monk soldiers): these are things that do not work out the way I want."  However, the sight of the tame river retains no trace of the one with ferocious power which made the emperor lament. In the Kamo River, carrion crows were busy carrying pebbles from the water to the shore. Their purpose seemed to be to eat the river insects such as lacewings larvae attached to the stones. In some parts of the country, there are also clever crows dropping walnuts on the road for cars to run over using the automobiles as nutcrackers. In recent years, crows have been referred to as "humans with feathers". Perhaps this kind of trickery is easy for them to do.

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Photo 2021-12-11

2019年12月29日日曜日

冬を生き抜く:カラスの知恵

カラスの貯食行動については以前書きました。先般亀山公園で柿の木に群れる野鳥を観察した際に、もう一つのカラスの知恵を知る機会に恵まれました。

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先般紹介したハシボソガラスです。へたをつついた後しばらく考えて...

 へたの付け根をくわえてひねり始めました。

ペンチのようなくちばしでしばらくひねると、へたが枝から外れましたので...

両足でしっかり挟んで固定し、徹底的こそげています。

拡大します。

さらに拡大。

別のへたも同じように処理しています。こちらは結構食べ応えがあったようです。

樹下を見ると、柿のへたがあちこちに散らばっています。カラスはほかの野鳥と比べると体が巨大です。おとなしくしていてはこれだけの体を養えません。機転を利かせ、知恵を絞り、器用さを生かして冬を生き抜くのでしょうね。

2019.12.25.撮影
2019.12.28.記述





2019年12月26日木曜日

嵐山亀山公園:柿の木の恵み

昨日よりも少し遠出して、嵐山地区にある亀山公園に行きました。紅葉の頃はごった返すような人出でしたが、観光客が少なくなってきて、ようやくゆっくりと自然との一体感を楽しむことができるようになっています。公園内に何本か柿の木があり、カキが熟する頃は野鳥たちの格好のえさ場になっていました。柿の実がもうすっかり食べ尽くされた頃ですので、柿木に来る野鳥を期待していなかったのですが、うれしい驚きがありました。

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エナガの一群が訪れました。エナガは日本ではキクイタダキについで体重の軽い小鳥で、平均体重は8グラム、1円玉8個ほどの重さです。

身の軽いエナガは柿のへたにぶら下がり、わずかに残った実をついばんでいます。

拡大します。この大きさですと、わずかな残り物でも結構な食べ応えがあるのではないでしょうか。

エナガのくちばしは、日本の小鳥のなかではもっとも短く、それ故にかわいく見えます。群れで移動し、木の実から蜘蛛や昆虫まで植物性のものも動物性の者も食べます。樹上性の鳥で、地上に降り立ったのは見たことがありません。

メジロも様子をうかがいに来ました。

小鳥たちがいなくなるとハシボソガラスが訪れました。ハシブトガラスよりは小柄ですが、それでも小鳥たちと比べると巨大です。

拡大します。エナガとは比較にならない大きなくちばしで、柿のへたをつつきます。

残り物がこんなに人気だとは知りませんでした。甘くおいしく、カロリーの高い食料なのでしょうね。

2019.12.25.撮影
2019.12.25.記述


2019年12月16日月曜日

京都御苑散策:ハシボソガラスの貯食行動

初冬の京都御苑を散策しました。いろいろと発見がありました。

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建礼門の近くの林で、カラスが何かをくわえています。ドングリのようです。

しばらく歩き回った後、場所を決めてドングリを隠し始めました。

入念に奥へ押し込んでいます。

しばらくして結果に納得すると、ゆっくりと歩いて去って行きました。カラスの体側に黒いものが見えるのは、風斬り羽根の一枚が乱れているからのようです。

 何を隠したのか確認するために、隠し場所とおぼしきところに行って探りましたが、密生した雑草と厚い腐葉土で全くわかりません。

そこからしばらく歩いたところに、先般ブログに書いたカラスの「金床」がありました。いろいろなドングリを割った痕跡があります。

少なくとも2種類ははっきりしているようです。

食べかけて放置した実もあります。このドングリは、近くに生えているツクバネガシのもののようです。

殻を並べてみると、シイの実とツクバネガシの2種類があるようです。試しにツクバネガシをかじってみるととても渋い。後口にまで残ります。いくつかは我慢して食べたものの、あまりのまずさに途中で放棄したのかもしれません。

振り返って、先のカラスがくわえていてドングリを拡大してみると...シイの実のようです。

どうやら、カラスはおいしい実を選んで隠しているようです。隠したまでは良いのですが、果たしてこれをちゃんと見つけることができるのでしょうか。Good luck!

2019.12.15.撮影
2019.12.15.記述



2019年12月7日土曜日

知恵者カラスの仕業

京都御苑を散策していて、カラスの仕業を見つけました。一昨年昨年と目撃しながら、余り良い痕跡を見つけることができなかったのですが、今回はバッチリです。動かぬ証拠とでも言いましょうか。場所は寺町御門を少し入ったところ、スダジイの林と野球場との境目あたりです。

時間は朝の10時半頃、遠目にハシボソガラスが多数集まって何やらかまびすしい。どうも餌を食べているらしい。近くに寄っていくと、カラスたちは用心しながらグラウンドの方へ立ち去りました。カラスがいたあたりを見ると、シイの木の根元に沢山のドングリの殻が...よく見るとドングリと見えたのはシイの実で、ほとんどが半分に割れ、中身をほじり出されています。なかにはまだ中身が入ったままのものもあります。私が近づいたので、あわてて逃げたためかもしれません。

鳥が道具を使うことは知られていて、これに近いものは、イギリスのウタツグミ(song thrush)が、カタツムリを石に打ち付けて殻を割って食べる行為が知られています。ウタツグミは自分のお気に入りの石を持っていて、anvil(金床)と呼ばれます。今回観察したシイの木の根元も、具合の良さそうなところは皮がはげるほど使っていて、周囲にはシイの実の殻が一面に散らばっています。これは知恵者カラスの立派な「金床」と言えるでしょうね。

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カラスたちが去ったシイの木の根元です。無数のドングリの殻が散らばっています。

拡大します。ドングリはシイの実であることが分かります。

嘴で挟んだ実を打ち付けていたところです。根の皮の一部(写真中央)が白くはげています。この部分の使い心地がよほど良かったのでしょう。

周辺には時折割れていないシイの実もありますが、これらはみな実りが悪くて中身は空っぽです。中身のしっかりした実をよく選んでいます。 

グラウンドではカラスたちが恨めしそうに(主観です)私の去るのを待っていました。

以前目撃したときには、カラスはマテバシイの実をつついていました。シイの実もマテバシイも、ドングリの仲間では渋味がないものとして知られています。特にシイの実は、全く渋味がなくてとてもおいしいドングリです。一方で、御苑に多数あるドングリの木はアラカシやウバメガシですが、これらはとても渋いドングリを実らせます。

渋味のないドングリを好んで食べるということは、カラスは渋味を避けるという点では人に近い嗜好を持っていると言えるかもしれませんね。

2019.12.05.撮影
2019.12.07.記述




池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...