conodontとは、ギリシャ語由来の言葉で、英語に訳すとcone+toothということで、「尖った歯」「円錐状の歯」の意味です。19世紀の半ばに歯の化石が見つかった後、本体の化石は長らく発見されなかったので、謎の生物とされていましたが、現在では、ヤツメウナギのような形の生物であり、発見される化石はその歯の部分だということが分かっています。
コノドントは、カンブリア紀から三畳紀にかけて、約6億年の間幾度もの大絶滅を生き延びた生物です。ただし、京都で見られるものは、石炭紀から三畳紀にかけてのものということですので、約3億5千万年から2億年前のもの、ということになります。京都産のコノドントは、化石として知られる遙か以前から、珪質頁岩である鳴滝砥石の中に含まれる不思議な文様として、その存在が認識されていました。
探し始めた当初は判別が難しかったのですが、現在では珪質頁岩が一目で見分けられるようになったので、小一時間川原を探すと、両手に一杯の珪質頁岩が手に入ります。表面にそのまま化石の一部が現れている石もあれば、石を割ってはじめて化石の存在が分かるものもあります。
拾って来た珪質頁岩です。中下流域ですので、かなり小さくなっています。長辺は2から4センチほどです。
割ったところです。石を水平方向をたたくと、頁(ページ)のように平たく割れることから、頁の音読み「けつ」をとって「頁岩(けつがん)」の名前があります。
次の写真の石はコノドントの固まりと言って良いほどで、たくさんの化石が見られます。赤く見えるのはすべてコノドントの化石です。倍率は40倍です。
拡大します。大きなものはくし形の歯の化石であることがよく分かります。
赤茶色の石には、赤っぽい化石が含まれているのですが、灰色の石には灰色あるいは暗灰色の化石が含まれることが多いようです。成分の違いでしょうか。
拡大します。コノドントの歯は、いろいろな複雑な形をしたものが組み合わさっているようで、これは上記のものとは異なる歯のようです。
これは最初のものに近いようです。
拡大します。
大きさを測ってみます。
マス目0.1mmの方眼紙を当てています。この化石の長さは約0.7mmです。
2019.08.09.撮影
2019.08.09.記述
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