2019年8月9日金曜日

西山を歩く(その5)

引き続き西山で遭遇した生きものたちを紹介します。時間軸に沿って並べていますので、ランダムに何が出てくるやら...。

セマダラコガネです。3つに分かれた触覚がチャームポイント。

ルイスジンガサハムシです。ジンガサハムシの仲間は広くはカメノコハムシに属し、この種の特徴として、体の周囲に透明な薄板が広がっていることです。特に美しいのは黄金色の体を持ち、透明度が高いジンガサハムシですが、これにはまだ遭遇したことはありません。

ヤブマオウです。イラクサ科の多年草で、かつてはカラムシ( 苧麻)などとともに、繊維を取り、糸を紡ぎ、布を織る材料になりました。カラムシよりも背が高く、頑健な感じがします。

ニワハンミョウです。同じ仲間のハンミョウに比べて地味ですが、大きく鋭い大顎は共通しています。

シロカネグモの仲間でしょう。緑色に輝く美しい体色をしています。写真では光沢が再現できないのが残念。

ヤブミョウガです。薄暗い半日陰を好みます。球形の液果は濃い青紫色に熟します。

カリガネソウの仲間です。上部に弧を描いて伸びる花柱とおしべが優雅で美しい。

フタオビドロバチのようです。枯れた孟宗竹に穴を開けて巣作りをしているようです。

 ジャコウアゲハのようです。ヤブガラシに吸蜜していました。後翅が長く伸びていて、優雅です。

オニドコロの花が満開でした。ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属し、花もちょっと見には似ているのですが、より繊細な感じがします。雌雄異株。

花の形からすると、これは雄株です。


枯れたオニドコロの実です。身に枚の翼があるのは共通していますが、こうなると外見はヤマノイモとはずいぶん形が違います。

ササキリの幼生です。薄暗い山道にいました。成虫は昼間に活動し、「ジリジリジリジリ...」と余り目立たない声で鳴きます。

モノサシトンボです。節々の模様を物差しの目盛りになぞらえました。

 以前紹介した、カシルリオトシブミです。3ミリほどの小さな昆虫ですが、よく見ると胸の部分の構造色がとてもきれいです。

食痕が道のように見えます。

葉を食べ尽くさないのは生きる知恵かもしれません。オトシブミの仲間にはこのように剥いたように葉を食べるものが多いように思います。

オオフタホシカメムシです。模様が人の顔に似ているという噂もあります。見方によって不機嫌な顔と、喜んでいる顔と。

ウズラカメムシです。なかなかハンサムな虫だと思います。かつての超音速旅客機コンコルドを彷彿とさせます。

こちらも先日紹介したヒメコブオトシブミ。エノキの木の常連さんです。


ハラビロトンボのオスです。この時点で夕立が近づいてきて、撮影にはかなり厳しい条件になりました。

 こちらがメスです。発見したのは住宅地のすぐそば。近くにため池がありました。

西山はニュータウンをはじめ、宅地化が進み、竹林や雑木林が次々と伐採されています。新たに住まう人々は、この土地になじみが薄く、そこに生きる動植物も知られないままですと、雑草・害虫のたぐいにしか見做されません。今回この地を良く知る方に案内されて、豊かな生態系が息づく地であることを改めて確認しました。これらの植物相動物相を調査し、伝えて行く方法を探りたいと思います。

2019.07.16.撮影
2019.08.08.記述



0 件のコメント:

コメントを投稿

クモを操るウジ虫(クモヒメバチ)

公園のゴミグモを観察していると、奇妙なものに気づきました。腹部にウジ虫のような幼虫がいます。どうやらクモの腹部に寄生しているようです。それで調べてみると、クモヒメバチの一種であることがわかりました。繭を作る時期になると、クモの脳を操って、繭を格納する特殊な巣を作らせるそうです。こ...