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2021年7月14日水曜日

ナンキンハゼ2度目の開花

ナンキンハゼの花が再び咲いています。2度目の開花です。1度目は6月半ば。このときはやたらと雄花が多く、雌花は数えるほどしかありませんでした。その花が終わった頃、脇にあった芽が伸び始め、花序となって今咲いています。やはり雌性先熟には変わりありませんが、雌花の数が非常に多く、一つの花序に4つ以上付いていることも珍しくありません。雄花の花序はとても短く、申し訳程度にしか付いていません。

昨年はこのようなことがなかったと思うのですが、今年に限ったことかどうかはわかりません。この現象は桂川沿いの公園の他のナンキンハゼの木でも観察できました。

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手前に見えるのが、先月咲いた雌花から実っている果実です。奥に新しい花序の雌花が見えますが、6つはありそうです。雄花は申し訳程度にしか付いていません。

これも双方の花序に6つの雌花が付いているようです。

長く垂れているのが、先月開花した雄花です。今月のものと比較すると5倍以上の長さがあります。

これもそうです。

短い雄花でも蜜を出すらしく、ヒメウラナミジャノメが吸蜜していました。

2021-07-10 撮影

2021年6月22日火曜日

ナンキンハゼの花

樹木に関心を持ってしばらくになりますが、ナンキンハゼは樹木観察のきっかけになった木の1つです。昨年はナンキンハゼの開花をぼんやりと眺めていて、花の盛りにこの木が雌性先熟であること知りました。それでまだ間に合うだろうと雌花を一生懸命探したのですが、ない!ない!雄花が黄色く咲き誇る頃には雌花はもうすっかり受粉を終えて子房が膨らんでいたのでした。

それで今年は花の若いうちから観察を始め、雌花の開花と雄花の開花の双方を確認することができました。

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6月18日の雌花です。すでに老熟した感がします。

雄花はまだ花粉を放出していない状態です。

そしてこれが21日の雌花と雄花です。

雄しべがようやく成熟して葯から花粉が見えてきています。

これからが雄花の出番でしょう。しかし、早熟する雌花はどの雄花の花粉を受けて受粉するのでしょうか。


2021-06-21 撮影





2021年5月6日木曜日

上野橋東公園あたり

緊急事態宣言が発出中で公共施設の休園が相次ぎ、河川敷は混雑気味です。上野橋東公園あたりの植物をまとめてみました。

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ヌルデの雌木です。

昨年実をならした枝をあっさり捨ててしまう潔さは見習いたいですね。


今年の花芽はまだ付いていないようです。

ナヨクサフジの白花がところどころに見えます。

ノイバラもこうしてみると、美しい。

アカメガシワにナヨクサフジです。

これもそう。

これも。

ナンキンハゼも花序はまだ伸ばしていません。

変わった声がすると思ったら、セグロセキレイのひなでした。

ミコシガヤです。『京都府レッドデータブック2015』では準絶滅危惧種。


アカツメクサにナミテントウ。

コバンソウ。

ウツボグサ。これはマメ科を宿主とする寄生植物。今年は多いです。

セイヨウヒキヨモギ。これは半寄生植物。上のウツボグサ同様帰化植物。

2021.05.03.撮影

2020年12月30日水曜日

葉痕と冬芽の勉強:アカメガシワ、センダン、ナンキンハゼ

 冬芽が楽しい季節になってきました。落葉樹でもまだ葉の付いたものもありますが、葉を落とした枝先には、葉痕と冬芽が並んでいて、それぞれの樹種で独特の表情を見せてくれます。

昨日夕方に撮影した木々の葉痕と冬芽です。コントラストが低かったので、あまり良い写真になっていませんが、メモしておきます。

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アカメガシワ。丸い葉痕と細毛に覆われた冬芽が特徴的です。ウマヅラは珍しい。


こちらは阿波踊りで踊り出しそうな冬芽。

このほかにもバンザイポーズはたくさんあります。オオカメノキのように形が揃わないで個性的なのが面白い。



アカメガシワのお隣のセンダン。昨年は背が低くて冬芽を撮影しやすかったのですが、今年は大きく育って枝を下ろすのに苦労します。丸みのある冬芽が暖かそうです。


こちらは最初何かな、と悩みましたが、昨年の記憶を頼りに...ナンキンハゼです。維管束の痕が人面に見える葉痕を持っています。一つ一つ全く異なって、個性的です。







2020.12.27.撮影
2020.12.28.記述



2020年1月19日日曜日

有栖川に沿って:冬芽と樹木の勉強

今日はぐずぐずと時雨れた一日でした。午前中の用事を済ませて昼食後有栖川沿いの樹木を観察に出かけました。そのメモ書きです。

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川沿いに生えていたオオイタビが伐採されたと聞きました。オオイタビは南方系のイチジクの仲間。つる性の植物です。京都では余り見ないので、時々観察に行っていました。

現場に着くと、元気に茂っていた株がなんとも無残な姿に。何でも近所の方が、「うっとうしいから伐ってくれ」と、たまたま府道の整備に来ていた業者に言ったそうで、それを受けて、業者がばっさり。

昨年は府の土木事務所が、伏見区の運河沿いに生えていた絶滅危惧種のヤドリギを、これも近隣住民の「うっとうしい」という理由でばっさり。ニュースになりました。知識のなさか、配慮のなさか、愚かしく、情けないことです。

残っていた葉と果実の写真です。

無残な姿の切り株です。しかし、株がしっかり残っているのと、伐採時期が冬ですので、おそらく春には元気に芽吹いてくれると思います。

拾って来た果実を割ってみました。雌株に実った果実のようですが、中はがらんどうで、受粉していないようです。雌雄異株の植物ですので、雄株がないか、気候的に受粉しても結実しないのか。結実すれば直径5センチほどの大きな丸い果実になるようです。食べられるそうです。どんな味がするのでしょうか。

近くの公園ではマサキの実が熟していました。


クスノキです。今回は迷いません。

三行脈もきれいに出ています。

シラカシのようです。ここにもありました。アラカシに比べて葉が細く、繊細で上品な感じがします。

冬芽の拡大です。

近くに植えてあるのは、ヤマモモのようです。雄木です。

落下する果実や、果実を求めて飛来する野鳥を嫌って、大きな実を大量にならす樹木では、実のならない雄木を好んで植える事があります。イチョウなどはその代表格。一方でキンモクセイも日本にあるものが雄木ばかりなのは、雌雄異株の植物の雄木が、花を多くつけることから、花の多い雄木が好まれるようです。植物の世界ではsexistが多くても、文句を言う樹木はありません。

公園から出て川沿いに歩き始めると、とたんに樹木がわからなくなります。とにかく手当たり次第に植えたこと、野鳥が運んだ種が芽生えた木々が多いこと、などなどから。

これはなんだろう、と頭をひねっていると...

枝に白い実。ナンキンハゼでした。

これが枝の様子。この時期、落ち葉も結構朽ちてきていて、手がかりが少ないです。

となりの桜の木にセンニンソウの蔓がからまり、種が残っていました。今年は河川敷には少なかったのですが、町中に大きな株があるとは、意外です。

桜の花芽と葉芽です。なんの桜かはよくわかりません。ソメイヨシノとしておけば、ほぼ7~8割当たりでしょうか。


対岸にビワが咲いていました。この花は今が花期。地味系の花ですので、ついつい気づかないうちに花が終わってしまいます。

つぼみがまだあるので、咲いたばかりかと思いますが、それにつけても、地味ですね。ムシも来ないのに、冬に花を咲かせるメリットはどこにあるのでしょうか。

植物を折り取るのは好きではないのですが、いくつかの樹木が何の木かよくわからなかったので、短い枝を手折ってきたものが3種あります。冬芽の図鑑の写真と比較してみました。

これはエノキのようです。

これはムク。

 鋭い爪のような冬芽が特徴です。
 

これはトウカエデのようです。人が近づけない場所で、木肌が街路樹のものとは異なり、推測はしましたが、確信は持てませんでした。

手がかりが少ない植物の名前を探るのは、なけなしの知識を試され、五感を駆使する"pure detective work"と言えますので、結構面白いです。

2020.01.18.撮影
2020.01.18.記述


京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...