9月26日武田薬品工業薬用植物園を見学しました。ここは、歴史のある、大変手入れの行き届いた薬用植物園です。1年に4回一般の見学を受け入れています。今回で3回目となります。色々と興味深いものがあったので、折に触れて紹介したいと思いますが、今回特に印象を持ったものを紹介します。
オナモミです。河川敷のどこにでもあると思いがちですが、あるのはオオオナモミで、外来種。在来のオナモミはほとんど絶滅状態です。原種の現物は初めて見ました。絶滅危惧ということで、ひ弱な植物かと思いきや、草丈は160cmほど。根元から分岐し、巨大な下部となっています。ひ弱な感じがしません。なぜ少なくなったのでしょうか。
オオオナモミに比べるとかぎ針のようなトゲがまばらで、短いのが特徴です。また、葉もオオオナモミよりはかなり小さいという印象を持ちました。
これはナツメ。昔祖父母の家に植えてあり、夏になるとよくかじりました。リンゴに近い味がします。ちょっとカスカスしているかもしれません。このナツメは本当に大きなオオナツメ。小さなリンゴほどの大きさがありました。キイロスズメバチが食らいついています。
これはブクリョウ(マツホド:生薬名:ブクリョウ(茯苓))という、松の根にできる菌核。「一般生薬エリア」にあります。「一般用漢方製剤での使用頻度が高い順にその基元植物を植栽してい」るコーナーだそうです。このブクリョウは4番目に頻度が高いとか。「エブリコ酸などの成分を含み、利尿、健胃、鎮静などの作用」があるということです。どう見ても石ころですね。
赤松の根に寄生する木材腐朽菌ということです。
これはムラサキの花。
これを求めて3年前には滋賀県の奥永源寺まで行きました。かつては大規模に栽培され、染めに使いました。冠位十二階の最高位である徳冠の紫色はこの紫紺で染めたものとされています。大変栽培が難しいそうで、この植物園でも、チョウセンニンジンと並んでVIP扱いでした。
Photos 2022-09-26