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2022年5月4日水曜日

渡月橋から:Upstream from Togetsu Bridge

3年ぶりの行動制限のないゴールデンウィークとあって、嵐山は大混雑。渡月橋上流大堰川の貸しボート屋も10m以上の行列ができています。商店街は大喜びでしょうが、地元に住むフツーの人間としては、コロナ禍の最中の方が本来の嵐山を堪能できたと、いささか残念感があります。観光客をできるだけ避けつつ桂川上流を歩いてみました。

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イチモンジカメノコハムシの幼体のようです。長さは2ミリ程度。1齢幼虫でしょうか。



モンカゲロウの亜成虫をそこここで見かけます。


こちらはモンカゲロウの仲間のようですが、少し異なる別種のカゲロウのようです。成虫。

カクムネベニボタル(オス)のようです。

手すりに降りてきたクサグモ。

クロカワゲラの一種でしょうか。大きなカワゲラです。

Photos 2022-05-03

2021年8月12日木曜日

イチモンジカメノコハムシの秘密

暑い日が続いていますが、家にいると運動不足になりがちなので、午後に嵐山まで自転車で出かけました。まだ結構暑く、マスクをしていると熱が籠もって熱中症になりそうですが、自転車でゆっくりと風に当たりながら走ると、少しはマシです。歩道の照り返しも強いので、歩くのが一番きついでしょうね。

さて、イチモンジカメノコハムシポイントを久しぶりにチェックすると、ほとんどのサナギが羽化して、成虫が5匹ほど。毎年確実に発生してくれるのはありがたいです。

今日は思いついて、お腹の側からの写真を撮ってみました。気がついたのは、小さな虫にしては立派なかぎ爪です。この虫は葉表や葉裏にじっと止まっていることが多く、足の構造がどうなっているか一度見たいと思っていました。ルーペとカメラでは十分に観察できませんが、足の先端のかぎ爪が大きく、鋭いです。これで体を安定させるのでしょうね。

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このような場所に止まっていると、背景に紛れてほとんど見えなくなります。

裏側から見ると足が長いです。

裏返してみました。

足の爪の様子です。猛禽類のような、長く鋭い爪が付いています。背景は目の細かい化繊のズボンの生地ですが、これに足を掛けると、引きはがすのに苦労しました。

2021-08-07 撮影

2021年7月29日木曜日

残念なイチモンジカメノコハムシ

先日イチモンジカメノコハムシポイントを訪れたところ、何かの虫が幼虫に食らいついていました。かわいそうに思い、払いのけたのですが、皮膚を食い破られて体液が出ていました。

翌日見に行くと、真夏の暑さで見る影もなくひからびた幼虫の姿がありました。糞と脱皮殻でカモフラージュしてはいますが、これと言って天敵の防御手段を持たないよう中にとって、肉食昆虫は脅威です。

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捕食者はコメツキムシの幼虫のようです。大人の牧歌性とは裏腹に、コメツキムシの幼虫はどう猛な肉食昆虫です。

2021-07-23 撮影

2021年7月24日土曜日

イチモンジカメノコハムシ:

イチモンジカメノコハムシは前胸と前翅の周辺が板状に広がっていて、半透明な円盤を形成しています。これは、いわば昔の日本の家庭にあった金だらい、あるいは、セルバンテスの『ドン・キホーテ』で、騎士を気取ったドン・キホーテが「兜」として奪い取った床屋の金だらい様のものです。その真ん中にやや扁平な昆虫本体がはまり込んだような形になっているというわけです。自分の世界に籠もってなかなか顔を出さないところも、昆虫界のドン・キホーテと言えるかもしれません。

その円盤は一見ツルツルの表面をしているようですが、拡大してみると、微少な凹点が多数ある、一種のディンプル構造であることがわかります。このような微細な構造は防汚機能を持つことが知られており、甲虫の固い殻の表面や、土中に潜って蛹化する蛾のサナギの表面などに見られます。こういった生物の構造や機能を人工物に応用する目的の学問は「生物規範工学」と呼ばれます。英語ではbiomimetics。ドン・キホーテの金だらい兜はピカピカに光っていたそうですが、生物規範工学をおうようすれば、さらにピッカピカに光った兜になったかもしれません。

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イチモンジカメノコハムシです。鳥の糞に擬態していると言われています。

何が「一文字」なのかはよくわかりませんが、翅鞘にある茶褐色の模様(尾部の方)が一文字に見える(見えますか?)からのようです。

半透明の殻をよく見ると、微少なくぼみが多数あります。

また、中央から外側部分に流れるように付いた溝もあり、なかなか複雑な構造をしています。

2021-07-22 撮影

2021年7月5日月曜日

雨後のイチモンジカメノコハムシ

 7月2日の夜の降雨は、太平洋側に甚大な被害を与えたようですが、京都でも警報が数回発令されて、激しい雨に目が覚めました。幸い明け方からは雨脚もやんで、日中は雨にならなかったので、ちょっと自然観察に出かけました。

いつものイチモンジカメノコハムシポイントでは、小さな幼虫達も無事だったのですが、大きな幼虫の隠れ蓑の糞が雨で溶けたらしく、脱皮殻のみ(と思われる)小さな隠れ蓑だけを背負っていて、ちょっと滑稽でした。大トトロが小さな蕗の葉を雨傘に使うような感じです。

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この2匹は知り合い(尻合い)同士?小さな幼虫は元気でした。あの雨の中、隠れ蓑も大丈夫だったようです。

これもOKです。

ところが、この大きな幼虫の隠れ蓑は危機的な状態です。

雨で糞が流されたのでしょうか、残っているのは脱皮殻のかたまりだけのようです。


もともとは、こんな大きさでした...がこれでも小さいですね。ぼちぼちサナギにならないといけません。


2021-07-01 および 2021-07-01 撮影


2021年6月26日土曜日

イチモンジカメノコハムシ

林縁のムラサキシキブにイチモンジカメノコハムシの幼虫を見ました。幼虫は糞と脱皮殻をお尻の先にくっつけ、お尻を背中側に折りたたんで体を隠しています。これはカメノコハムシの仲間に特有な生態で、世界共通のものでもあるようです。

この場所では毎年発生していました。ところが、今日その場所を訪ねると、昨年多くが発生していたヤブムラサキがばっさりと剪定され、ムラサキシキブも春先に剪定されたようで、わずかに伸びた枝の葉がほぼ食べ尽くされています。人為的に飼育しているわけではないので、継続的な観察はなかなか難しいですね。

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上方に向かって移動しているところです。黒く細い枝のようなものを背負っていますが、これが糞。濡れても溶けません。お尻からまっすぐに棒状の糞を出し、それを背中に背負うのですが、その瞬間はまだ見たことがありません。

時々このようにおおいを取って体を見せることがあります。シガシガとムラサキシキブのはを食べる、きわめて大人しい虫です。

2021-06-25 撮影

2020年7月30日木曜日

イチモンジカメノコハムシ幼虫

tortoise beetle larvae

長梅雨で外出もままなりません。HDDを探ってイチモンジカメノコハムシの幼虫の生態を撮った写真を紹介します。

最初に見つけたとき(7月2日)はサナギと成虫の様子を、2回目に見たとき(7月5日)は脱皮殻の様子を紹介しました。今回は7月18日に撮影した写真です。背負った脱皮殻は若干おぞましくはありますが、振る舞いなどとてもかわいい幼虫です。

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葉裏に止まった状態です。右側が頭、左側がお尻です。お尻をうんと曲げて脱皮殻で体を隠しています。

上から見たところです。脱皮殻はなにやらエイリアンの抜け殻のようで全然かわいくありません。右が頭。

斜めから見たところです。脱皮殻の上の突起物は脱皮した頭部の抜け殻かと思います。

下が頭、上がお尻。よく似ているので、時々混乱します。

葉表から見たところです。シガシガと葉をかじっています。太くて短い足もかわいいです。


夢中で食べていると、体が曲がってしまい、脱皮殻がずれて体が丸見えになってしまいます。

丸見え状態の幼虫です。背中側には肉角もないので、無防備です。やはり脱皮殻は体を守るための必需品と見えます。

脱皮殻の内側にも歴代の抜け殻の痕跡が大きさの順に並んでいます。

足は結構太いです。後ろ足はよく見えませんでした。どうも前足6本で体を支えているようです。

やはり後ろ足は見えません。ひょっとしたら、脱皮殻を支えるために使っているのでしょうか。究明は今後の課題です。それと、糞を長くつきだしていますが、これを背中に乗せるのでしょうか。撮影時はこれに気づかずに観察できませんでした。脱皮殻は、英語では fecal shieldsと記述がありますので、文字通りには「糞楯」ということになります。

近くの葉の上では交尾中のペアがいました。子孫をたくさん残しますように。

2020.07.18.撮影
2020.07.29.記述



2020年7月8日水曜日

イチモンジカメノコハムシ再訪

渡月橋付近に用事があったので、イチモンジカメノコハムシの様子を再度見てきました。先日蛹だったものは、一部羽化し、成虫の数も先般ほどは見えませんでした。しかし、あらためてじっくり観察すると、面白いことに気づきました。

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カムフラージュした蛹です。

 めくると黒い体の蛹が見えます。ひれのような部分の役割がわかりませんでしたが、先日見たときにはクサカゲロウの幼虫が攻撃を仕掛けていたように思えました。捕食者の接近に対しする隔壁としての役割があるのかもしれません。

こちらは先般蛹だった個体。

めくってみると、すでに羽化した後で、蛹は空の状態です。

面白く思ったのはカムフラージュに使っている脱皮殻。これをよく見ると、歴代の殻の集大成、つまり、これまで脱皮した抜け殻を少なくとも4つは付けているようです。
 




これを見て、以前NatGeo日本語版の配信で目にした記事を思い出し、検索してみました。昆虫学者の西田賢司氏の「コスタリカ昆虫中心生活」という報告です。

まさに歴代の抜け殻を背負った昆虫が登場します。西田氏は「トーテムポール」と形容していますが、素晴らしい造形です。この記事に登場する昆虫もカメノコハムシの一種ということですから、この種に共通した特性なのでしょうね。

日本のイチモンジカメノコハムシは、脱皮殻が魅力的とは言いがたく、もう少し鑑賞に堪えるようなものであれば、とちょっと残念。

近くの葉に止まっていたこの個体が抜け殻の主かもしれません。

ちょっと遊んでもらいました。葉に乗せて、覗いたポーズ。「やあ!」と片手を上げていますが...短い!

この画像で気づきましたが、殻の背後から見て腹部の膨らみと見えるものは、実は殻自体の模様のようです。

同様に腹部上部の部分の膨らみと見える部分も、殻の模様のようです。

ほどなく放してあげましたが、ひっくり返した状態での写真を撮るべきでしたね。

またの再会を楽しみにしておきます。

2020.07.05.撮影
2020.07.07.記述


池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...