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2020年8月7日金曜日

桂川左岸を下って

Biking along the Katsura River

昨日ジンガサハムシを見つけたルート上で見つけた植物です。

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キンボシハネカクシ。自宅近くにいました。背中に飛翔のための羽を折りたたんで隠しています。太陽の下では金色が美しく輝くのですが、残念ながら陽光の下は嫌がってすぐに飛び立ってしまいました。


イヌゴマです。この季節ハチたちの貴重な蜜源になっています。

カラスウリの実が大きくなり始めていました。

これはガガイモの花。昨年は豊作でしたが、今年も場所によっては多くの花が見られます。

花を拡大したところです。アリが吸蜜に訪れています。

花びらは密生した毛に覆われていて、拡大すると動物の腸内を眺めているような生々しさがあります。
一面ガガイモの花が咲いていました。

ツルマメの花も咲き始めています。

この付近でジンガサハムシを見つけたので、写真を入れておきます。一日経ってもまだうれしい。

ツノマタタケです。食用になるそうですが、これは長さ5 mmほどで、皿に乗るほど集めるのは大変でしょうね。

ワンドの上に張ったテリトリーを飛行中のギンヤンマです。

2020.08.05.撮影
2020.05.06.記述


2019年12月22日日曜日

種子を広める:ガガイモの種の旅立ち

以前にも書きましたが、今年はガガイモの豊作年です。ガガイモの種子は長い毛に揺られて飛翔します。ケサランパサランの正体はこれだ、という方もおられます。この世のものとは思えないゆったりした飛翔は、映画Avatarの聖なる木の精を思わせます。

観察会でガガイモの実を割ると必ず歓声があがります。人の心に感動を与える何かがあるようです。タンポポの種、シャボン玉などにも人は惹かれます。風に乗り浮遊する姿が、日頃は気づかない自然の力を可視化してくれるためかもしれません。

観察会のために採取したガガイモのうち、さやがかなり開いてしまったものを戸外で開き、種子を飛ばしてみました。

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さやはこのように縦に2つに割れます。

風を受けると綿毛が広がり種が浮きます。

徐々に種がほぐれていき...

 さやからこぼれて旅立っていきます。

堤防のそばでさやを開いてみました。






無事に着地して芽が出て育つことを祈ります。

2019.12.21.撮影
2019.12.21.記述


2019年12月5日木曜日

種子を広める:飛ぶタネ

寒波の到来でこの1週間は全国的に厳しく冷え込む予報です。夏や秋に咲いた花は実をつけ果実や種子を周囲に広げようとする、種子散布の季節です。方法はいろいろとありますが、飛ぶ、くっつく、食べられる、流れるなどが代表的なものでしょう。

飛ぶ種を4種記録しておきます。

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まずはガガイモ。これはこのブログでも何度か取り上げましたが、今年はよく繁茂してあちこちに独特の形の実を見つけることができます。袋状になっているので、袋果と呼びます。同じガガイモでも、表面に凹凸があるものと、滑らかなものの2種があるようです。採取したもののうち、器量よしのものを並べました。

芋のような紡錘形の形の袋果の中には綿毛のような毛の生えた種子がびっしりと詰まっています。袋果が熟して乾くと縦に1本亀裂が入り、次第に口を開け、種子が風を受けて飛んで行きます。種子は毛を内側に、種を外側に向かって付いています。


個々の種子は中央部が若干ふくれたうちわ型です。毛は種子に対してとても長い。

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次にユリノキ。近年街路樹としてもしばしば見かけるようになりました。日当たりの良い広々とした場所では大木になります。果実はろうそく型の集合果で、個々の種子はへら状の形をした翼果です。種子が実って乾燥するとばらけた状態になり、果実が風に揺られる度に果実の縁からこぼれるように落ちて風に舞います。この木の葉は半纏(はんてん)に似ていることから、ハンテンノキとも呼ばれます。


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次にアカマツ。ご存じ「松ぼっくり」は松の仲間の果実の総称です。松ぼっくりは湿ると閉じ、乾くと開きます。この開閉を繰り返すうちに中の種子がこぼれ落ちるというわけです。

鱗片の根元に2つずつの翼果が見えます。


翼を持つ松の種子は比較的小さいですが、翼を持たない大きな実をつける松もあり、そのような種の種子はとても大きいです。実を包む外皮も分厚くて、石でたたかないと割れないようなものもあります。日本固有の松はほとんどが翼を持つ小さい種子の種類です。

この松ぼっくりの種子を好んで食べる鳥がヤマガラやカケス。リスたちの好物でもあります。リスが食べた食痕は「森の海老フライ」と呼ばれて、子どもたちが見つけると大喜び。

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最後にケヤキ。これは何度か書いていますが、着果短枝と呼ばれる果実を結ぶための特殊な枝に花が咲き、果実が熟す頃には着果短枝が種子をつけたまま、風に舞い落ちます。着果短枝は早々と飛ぶものも多いのですが、かなり遅くまで木にしがみついているものも沢山あるようです。通常の葉が散った後に、しっかり残って、黒っぽい固まりのようになっているのがそれです。強い北風が吹くと、さわさわと南に向かって枝を飛ばす姿が見られます。


2019.11.30. 2019.12.03.撮影
2019.12.03.記述
2019.12.06.修正






2019年11月22日金曜日

秋色の桂川

久しぶりに桂川の様子を見に出かけました。景色がすっかり秋色に染まっています。嵐山は殺人的な人混みですが、少し離れると静かで落ち着いた秋の景色が楽しめます。上野橋から桂大橋までの右岸を歩きました。

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近年河川敷に増えているトウゴマの実です。種をしぼるとヒマシ油が取れます。ヒマシ油は下剤や灯火用の油として利用され、ヒトにとっては有用植物として関係が長いです。種はとても固く縞模様が美しいので、装飾品にも使われますが、種には有毒蛋白質のリシンやアルカロイドのリシニンが含まれ、猛毒です。

花は終わり実ができています。これが熟すと外皮が割れて中から種が出てきます。

これはツルドクダミの花序。花殻です。夏以来観察を怠っていたら、こうなってしまいました。

わずかに残った種を見てピンと来ました。これはタデ科ではないか?調べるとビンゴ!種がイタドリやスイバにとてもよく似て、翼があります。

ガガイモの実もバックネットに数多くぶら下がっています。これはキョウチクトウ科。今年はガガイモの実りが豊かです。「ガガ」はガガブタと同様に「鏡」の意。一説に、種を飛ばした鞘の裏側が鏡のように光るからとか。実際にツヤツヤしていて、とてもきれいです。幸せを運ぶという伝説のケサランパサランはこの種のこととも。

ダイサギがすまして周囲を見渡しています。

コサギもよく群れるようになりました。

アオサギとコサギです。

前後の二羽はカンムリカイツブリです。カイツブリの貴婦人。

岸辺にはヤナギタデが美しく咲いていました。タデの中でもっとも辛みが強く、刺身のつまに使われるのはこのタデだそうです。「これこそ正真正銘のタデ」ということで、マタデ、ホンタデとも。

オナモミです。種の全身にまとったかぎ状のトゲで、衣服にくっつく「ひっつき虫」の代表格。この種には結構面白い話があるので、またいずれ。

この周辺には岸辺にマコモがたくさん生えています。夏には気づかなかったのですが、秋になって葉が枯れ始めるとよく分かります。この地下茎はデンプン質が豊富で、ガンなどの大型の冬鳥の餌になります。もっとも桂川には飛来しませんが。

桂大橋から見下ろすと大きな鯉が泥の中に餌を求めています。これを狙ってミサゴが訪れます。

堰の上流では、オオバンの取ってきた水草をヒドリガモが奪う姿が見られます。ヒドリガモは、自らは潜水せずに、潜水能力が選りすぐれたオオバンが、潜って水草を取ってくるのを水面で待ち受け、横から奪って食べます。他のカモ類には見られない、ヒドリガモだけの略奪食事法です。

橋脚の下ではゴキヅルが実をつけていました。今年の生育場所は局所的でした。
2019.11.21.撮影
2019.11.21.記述



池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...