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2021年11月25日木曜日

トベラの実

嵐山東公園でトベラの実が開き始めました。鮮やかな赤い実は野鳥たちの大好物。これからの季節、メジロ、シジュウカラ、ツグミなど、たくさんの野鳥たちがついばみに来ることでしょう。早くなくなる実ほど美味しいと、野鳥たちは教えてくれます。

トベラの学名はPittosporum tobiraで、属名はpitta(pitch, 樹脂)とsporus(seed, 種子)に由来し、粘液質の樹液に覆われた種子を描写しています。種小名のtobiraは、日本語の「扉」で、これはこの樹木の切り口から(あるいは焼くと)放たれる悪臭が邪気を退散させると信じられ、扉に飾られて「扉の木」とされ、それが訛って「トベラ」となったことから来ています。このことで、地方によってはヒイラギの代わりに、節分の際に戸口に鰯のアタまをっして飾るところもあるとか。学名の命名は1811年、William Townsend Aiton (1766–1849) によるもので、彼は1793-1841年に英国王立キューガーデンの園長を務めました。

The fruits of the tobera tree, Japanese pittosporum, have begun to open in Arashiyama Higashi Park. The bright red berries are a favorite of wild birds. Many wild birds such as white-eyes, titmice, and thrushes will come to peck at them. Wild birds will tell you that the sooner the berries disappear, the better they taste.

The scientific name of the tobera is Pittosporum tobira, and the genus name is derived from pitta (pitch, resin) and sporus (seed, seed), describing seeds covered with sticky sap. The species minor name, tobira, is Japanese for "door," which comes from the fact that the foul odor emitted from the cuts (or when burned) of this tree was believed to repel evil spirits and was displayed on doors, making it a tobira no ki, or "door tree," which in turn became "tobera. Because of this, in some regions of Japan, instead of holly, tobera leaves with sardine heads are used to decorate doorways during Setsubun. Incidentally, the scientific name was given in 1811 by William Townsend Aiton (1766-1849), who was the director of the Royal Kew Gardens from 1793 to 1841. 

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Photo 2011-11-24

2019年12月20日金曜日

桂川樹木調査:嵐山東公園の樹木

友人達と桂川の樹木調査を行っています。「調査」と言ってもたいしたものではなく、日頃散歩中に見かける樹木の名前を知りたい、という動機から始まりました。当初は主立った樹木だけわかれば良い、というような軽い気持ちで取りかかったのですが、いざ始めてみると、生えている樹木があれもこれも気になって、結局悉皆調査に近い形になっています。冬に向かう時期に始めたので、葉や花や実などの手がかりも回を重ねるごとに少なくなっていきますが、手がかりが少ないのをかえって面白がりながら取り組んでいます。第3回目に調べた樹木をいくつか以下に。

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230と番号が打ってあります。京都市の土木課が管理する河川敷の公園部分はこのように樹木に番号を記したテープがホチキス止めしてあります(おそらく台帳もあるのでしょうね)。ところが同じ河川敷でも法面は国交省の管理になり、番号がありません。草刈りも土木課と国交省は管轄をきっちり守って行うために、公園部分はツルツル、法面はボウボウ、その逆もあります。縦割り行政が虎刈り状態の河川敷をつくります。縦割り行政の足並みの不揃いは、河川敷の生き物にとっては福音です。

ところでこれはエノキです。

サンゴジュです。赤い実がきれいなのですが、いち早く鳥たちに食べられました。

ナワシログミです。グミの仲間の葉は星状毛あるいは鱗状毛といわれる毛が密生して、銀白色に輝くのが特徴です。このナワシログミの葉も裏側に鱗状毛が密生しています。

トベラは赤い実をはじけさせています。葉が反転するのが特徴的。

マサキの実です。外側が割れて中からオレンジ色の種子が出てきます。

アラカシの木肌です。老木は迫力があります。

ナラガシワの紅葉です。実は典型的なドングリの形。殻斗には鱗状の紋があります。1年で実ります。

テイカカズラです。初夏に風車のような花を咲かせます(工夫すると実際に風車のように回ります)。キョウチクトウの仲間です。

カイズカイブキかイブキか結論が出なかった植栽です。奥に見えるのはヒマラヤスギ。樹齢は約60年。この5年間で約12本が消滅しました。すべて台風のためです。

サザンカと思っていましたが、フユツバキだそうです。サザンカの仲間ですが、売り出すときに「ツバキ」の名称を与えた方がよく売れるだろうということで、命名されたとか。

あれかこれかと迷いながら、興味深い逸話なども伺いながら同定をすすめると、名前が記憶に定着しやすいです。今後も月一で開催する予定です。

2019.12.12.撮影
2019.12.19.記述


池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...