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2022年5月26日木曜日

河川敷の昆虫たち:Insects found on the riverbed

晴天に恵まれた日、河川敷の植物探索に出かけました。目指す植物は見つかったのですが、その付近の草に色々な甲虫やらがいて、気になりスナップしておきました。

これは初めて気づいた虫です。一見マルカメムシとよく似ていますが、星が2つあるだけでずいぶん可愛く感じます。調べてみると、タデマルカメムシだそうです。これも切羽詰まると、例の「プッ!」をやるのでしょうが、大人しくしている限り、とても可愛い。


このテントウムシのペアは、模様も異なるので、道ならぬ恋の果てか...と推測したのですが、調べてみると、これは両方ともヒメカメノコテントウで、下になっているのは通常型、上に載っているのはセスジ形らしいです。がんばれ、がんばれ!

満開のコミノネズミモチにはタイワンタケクマバチが大群(7匹程度)で押し寄せ、花の香りに寄ったように狂おしく飛び回っていました。しばらくすると、少し落ち着いて吸蜜を始めました。このタイワンタケクマバチは近年すこぶる数を増やしている外来種です。この日はこの木に、在来種のクマバチは1匹のみでした。

水際の土の上にはモンシロチョウが多数吸蜜しています。特定の場所を選ぶと言うことは、ここに何かミネラル、あるいは動物由来のもの(の名残)などあったのかもしれません。

草むらにのっそりとツチイナゴが現れました。スーッと葉裏に隠れていきます。

Photos 2022-05-24

2021年5月29日土曜日

モンシロチョウの吸水

河川敷で時々見られることですが、チョウたちが集まって吸水していることがあります。特にモンシロチョウが多い(数も多いですが)です。場所は水際の開けた地面で、泥土のこともあれば、砂礫質のこともあります。動物や人の尿などに引かれているのかとも思いますが、どうもそのような場所に限らないないようで、何か地下からわき出ている、あるいは流れ着いたものからのミネラルを吸収しているようです。

スミナガシやゴマダラチョウなどは、動物などの糞に止まることで知られていますが(ハエみたいですね)、夏場の水分補給や、このようなミネラル補給に集まるものもしばしば見かけます。昨年の6月にはモンキアゲハが地上で吸水していて、手で触ることもできました。よほど夢中だったのでしょうね。

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砂地で吸水しています。

すべてモンシロチョウです。

他の写真を見ても、どうやら雄ばかりのようです。何か雄の体に必須の成分が含まれているのでしょうか。

2021-05-23 撮影


2020年5月2日土曜日

モンシロチョウの蛹化

モンシロチョウには郷愁をかき立てられます。子供の頃の虫取りでチョウチョと言えばモンシロチョウ。祖母にはキャベツ類の害虫でしかなく、素手でひねり潰していました(私はこれが未だにできない)が、比較的ゆっくりと飛びどこにでもいるモンシロチョウは駄蝶とは言いませんが、格好の捕獲対象でした。

春と言えば菜の花畑。アブラナのむせかえるような菜の花の香りに包まれて、じっとしていると、ハナアブ、ミツバチ、モンシロチョウなどが次々に現れて蜜を吸いに来ます。私にとっては、春の原風景はフクジュソウでもなく、カタクリでもなく、カタクリに来るギフチョウでもなく、菜の花とミツバチとモンシロチョウです。

そのモンシロチョウを卵から育てることになりました。事の始まりは、ツマキチョウ探しから。ツマキチョウは育てたことがないので一度卵から育てようと、セイヨウカラシナのこの辺に産み付けた、とおぼしき枝を切り取って帰宅。葉裏にはツマキチョウかモンシロチョウかよくわからない卵がいっぱい。それを飼ってみることに...

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葉裏に産み付けられた卵です。モンシロチョウのものと似ています(それもそのはず、この卵は結局モンシロチョウであることがわかりました。後日談です。)。総計10個あまりありました。高さは約2ミリ。2020.04.16.撮影





 2日後に幼虫が孵化しました。すでに卵の中から出ています。こちらに頭を向けています。 2020.04.18.撮影

体を起こして卵の殻を食べ始めました。卵の殻は、多くの蝶の幼虫にとって、最初に口にする食べ物です。2020.04.18.撮影

小さいながらも、歯が見えます。これで卵の殻、やがてセイヨウカラシナの葉を食べます。2020.04.18.撮影

拡大します。赤く見えるのが歯です。2020.04.18.撮影

10分ほどでかなり食べ進みました。2020.04.18.撮影

これがその2週間後の姿。蛹化するために体を固定しています。2020.04.30.撮影


一昨日、昨日とすでにサナギになったものもいます。昨年ジャコウアゲハやオオスカシバ、ホシホウジャクなどを育てたので、あまりの小ささに驚いています。



 モンシロチョウは滑りやすいキャベツやアブラナの葉を食べるせいか、体が滑り落ちないように、前進する際に口から吐いた糸で歯の上に横8の字を書くように進路に糸の道を作ります。水槽の壁面にはそのような糸道が幾筋も見えます。また、上部に見えるセイヨウカラシナの茎の上には体を固定しないで、必ず飼育容器の側面で蛹化の準備をします。これは今回育てた11匹すべてに当てはまります。12匹いたのですが、最初から少し育って大きかった幼虫は2日前に寄生蜂の幼虫が体内から出てきて死んでしまいました。

同じ時期に産み付けられた卵も野外では全く育っていません。産み付けられた翌日に見に行くと、痕跡すら残っていません。おそらくテントウムシなどの捕食者が卵の段階から食べてしまうと思われます。生存の確率はきわめて低い厳しい世界です。

2020.04.30.記述




2020年3月19日木曜日

昆虫たちの目覚め:蝶2種

今日はいろいろと用事があるので、空き時間に近場の桜並木を散策しました。昨年は一面にセイヨウカラシナが咲き乱れていた斜面に今年はほとんど生えていません。少なくとも数千万個の種子を地面に撒いたはずなのに、いったいどういうことでしょう。ひょっとしたら、何らかの理由(暖冬、土中必須養分の枯渇等)かなりの部分は地中で眠ることを選択したのかもしれません。不思議です。

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小さな蝶が体の脇を通り過ぎて地上に降りました。おおよその方向を見ても、姿がわかりません。

じっと待つと、太陽の方向に羽を広げたので、それとわかりました。ベニシジミです。春一番に飛び回る蝶の1つで、私の大好きな蝶ですが、久しぶりに見ると、こんなに小さかったかな、と少々面食らいます。

近づくと、黒と赤の対比が鮮やかな羽根の模様が見えてきました。

しばらく行くと、今度は白いものが見えてきました。

こちらはモンシロチョウ。姿がバレバレです。

羽根の模様からして雌のようです。モンシロチョウの雄と雌は、紫外線のもとでの翼の光の反射が大きく異なります。人間の目には同じく白っぽい蝶が飛んでいるとしか見えませんが、雌のほうが紫外線を含めてよく光を反射し、オスの方はあまり反射しません。こんな小さな蝶でも人間の見えない世界をしっかりと見る能力があるようです。夜に活動する蛾はフェロモンで雌が雄を呼び寄せますが、昼間に活動する蝶の雄は視覚の鋭さで相手を見つけるのでしょうね。

2020.03.18.撮影
2020.03.18.記述




2019年10月8日火曜日

観察記録:秋の野原に遊んで

A short walk on the riverbank takes me to a stretch of Brazilian verbena, or Verbena brasiliensis. Its flowers bloom till late autumn, providing honey seeking insects precious opportunity to suck on the nectar.

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秋の深まりと共に蜜源植物が少なくなりますが、この時期に、夏の休眠期間を終えて再び咲く花に、アレチハナガサの類があります。アレチハナガサ、ダキバアレチハナガサ、ハマクマツヅラ、ヤナギハナガサなど。いずれも野生種のバーベナで、いずれも今世紀に日本に到来した外来種です。日本の河川の河川敷に広く繁茂し、今ではセイタカアワダチソウなどと並んで、秋の風物詩になった感があります。

この花は、秋の終わりまで咲き続け、蜜を求める虫たちの貴重な蜜源となっています。

ベニシジミです。今は色の濃い夏型です。

ウラナミシジミです。ちょこっと出た尾状突起と一点さしたオレンジ色がチャームポイント。

イチモンジセセリです。食草がイネ科の植物で、かつては稲の害虫として悪者扱いされました。この時期にならないと見られません。セセリチョウの代表格。

先ほどのベニシジミの翼の表側です。春型は全体に色が薄いです。

ツバメシジミのオスのようです。シジミチョウは小さい上に敏捷で、しかも翼の表をなかなか見せてくれないので、同定が難しい場合があります。

ウラナミシジミの翼の裏表両方が見えます。

ヒメアカタテハです。食草はヨモギ。今年はこれを二頭卵から成虫にまで育てました。幼虫は巣を作ってゆったりした生活を送りますが、成虫はきわめて敏捷です。蛹が黄金色で実に美しい

翼の表が見えます。

シロオビノメイガです。

ツマグロヒョウモン(メス)も来ていました。

翼の裏側が見えます。

再びヒメアカタテハ。図鑑的写真です。

帰路に立ち寄ったガガイモの壁では、今年は豊かな実りが期待できます。


葛の葉にコムラサキが休んでいました。

口吻が黄色です。ゴマダラチョウなどと同じです。

 モンキチョウが交尾していました。

草原ではノビタキの姿が見えます。2週間ほど立ち寄って、南に下っていきます。

蝶やバッタたちはノビタキのエネルギー源になります。

 今年は河原の一部でノゲイトウの花園ができていました。

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さて、先日来育てていたアケビコノハが成虫になりました。2匹育てて、1匹は病死(あるいは寄生虫によるものか)。河川敷の茂みで自然に育って蛹になった2匹は寄生バエの犠牲になり、結局4匹のうちこの1匹だけが成虫になりました。

怒りんぼで、ちょっと刺激を与えると、飼育器の中で興奮して暴れまくります。これはリリース直前。かろうじて羽を広げた写真を撮ることができました。

美しい目玉模様です。木の葉への見事な擬態と共に自らを守る数少ない手段です。
2019.10.07.撮影
2019.10.07.記述



京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...