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2021年3月9日火曜日

フラサバソウ

河川敷を歩いていると、一面のフラサバソウの群落に出会いました。冬の間の葉は茶色がかった団扇状ですが、春になると一気に伸びてきて、もうすでに紫色の小さな花を一面につけています。

同じオオバコ科クワガタソウ属に属する植物については、以前まとめましたので、繰り返しませんが、今回この植物の写真を撮ってみて、改めてその毛深さに驚きました。深度合成しているので、特に目立つのかもしれません。数枚の写真をポストしておきます。

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風の強い午後の撮影でかなり花がしおれています。

茶色く見えるのが冬越しの葉。茶色く丸く、分厚く、同じ植物の葉とは思えません。

一面絨毯のように咲いていました。匍匐性の植物です。

そして、毛深いこと!

2021.03.04.撮影


2020年3月11日水曜日

フラサバソウ

京都地方で見ることのできるイヌノフグリの仲間(オオバコ科クワガタソウ属)には、イヌノフグリ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、フラサバソウ、コゴメイヌノフグリ、そしてムシクサがあります。先日の例会ではそこここに咲くオオイヌノフグリの鮮やかな紫色が、日の光に映えてきれいでした。その合間にフラサバソウの姿が見えましたので、記録しておきます。ちなみに、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、フラサバソウ、コゴメイヌノフグリは外来種です。

共通した科名のVeronicaは、聖ヴェロニカのことで、ゴルゴタの丘に十字架を背負って歩かされるイエス・キリストを哀れんだ、敬虔な信者ヴェロニカが彼女のヴェールを差し出し、イエスが顔をぬぐったその布にイエスの顔が浮かび上がったという聖顔布の逸話を持つ聖人の名に由来します。確かにオオイヌノフグリの花を正面から見ると、あごひげを生やした人の顔に見えないこともないようです。

フラサバソウの名前の由来は、明治時代に日本の横須賀に在住(1868年~1871年、1873年~1876年)した、医師で植物学者でもあったサバティエ(ポール・アメデ・リュドヴィク・サヴァティエ)と、彼の友人でパリのフランス国立自然史博物館で働いていた植物学者フランシェ(アドリアン・ルネ・フランシェ)との名前を折衷して付けられたものです。サバティエは医師として横須賀造船所で働きながら、当時の日本の植物学者と交流しつつ、日本の植物を広く収集し、フランスに送りました。それを受けたフランシェがこれを研究し、後にサヴァティエと共著で『日本植物目録』(Enumeratio Plantarum in Japonia Sponte Crescentium)を出版しました。これはラテン語による日本の植物目録で、類書としては初めてのものです。フラサバの名前は日本の近代植物学への貢献者として、これを記念すべく付けられたもののようですが、かなり地味な植物が選ばれたプロセスには何があったのでしょうか。ラテン語名はVeronica hederifoliaで、「聖者名+キヅタ属 Hedera に似た葉の」を意味します。

なお、フランシェは勤務先の横須賀造船所で発見された動物の骨の鑑定を、当時の東京帝国大学地質学教室の初代教授だったハインリッヒ・エドムント・ナウマンに鑑定依頼し、それが後にゾウの化石であることがわかり、1924年に Elephas namadicus naumannni (和名:ナウマン象)と命名されました。

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フラサバソウの特徴はとにかく毛深いこと。匍匐性で立ち上がりません。花の大きさはイヌノフグリよりも一回り大きく、オオイヌノフグリよりも二回りほど小さい。色は淡青紫色がかっていて、オオイヌノフグリの横に置くと白っぽく見えます。

これは桂川河川敷に生えていたもの。


  これは有栖川沿いに生えていたもの。花の色がかなり白い種類です。

しかも毛深い!

2本のおしべでめしべを囲む姿はこの科に共通しています。



2020.03.07.および2020.03.03.撮影
2020.03.10.記述


2018年3月4日日曜日

春の到来

今日は最高気温17度を超える暖かな日でした。春の兆しを探して家の周囲を散策してみました。すっかり忘れてしまっている草花の名前を復習しないといけません。
「神は細部に宿る」とは、建築家のミース・ファン・デル・ローエによって有名になった言葉ですが、細部の完成度を見るとき、この言葉は植物にこそふさわしいと思います。どの部分をとっても無駄がありません。そもそもヒトをはじめとする動物の生存に必須の酸素を供給してくれますし、草木の各部の機能も完璧です。本来生殖のために発達したのでしょうが、花もそれぞれに美しい。目立たない極小の花にも、よく見ると絶妙なバランスと、形や色彩の豊かさがあります。野の草の花の美しさを、しばし立ち止まって、ゆっくりと鑑賞する時間と心のゆとりがほしいですね。

青い花の少ないこの季節、
オオイヌノフグリは鮮やかに輝いて見えます。



こちらはフラサバソウです。


セイヨウカラシナも南斜面ではすでにつぼみが膨らんでいます。
小さい個体のほうが春の準備が早いように思えます。

これはセンニンソウです。
毎年刈り込まれるのでいつまでも丈が伸びません。
初夏に美しい白い花を咲かせ、秋には白いひげのついた種子を実らせます。
全草に毒があり、「ウマクワズ」「ウシノハコボレ」とも呼ばれます。
かつて家々に、ぼっとん○○があったときには○○虫の発生を防ぐために
この草を刈って入れておいたと聞きます。つまり天然の駆虫剤として使われました。
近縁種にボタンヅルがあります。園芸品種のクレマチスも近縁です。

これはヒメウズです。

ダキバアレチハナガサ。全草が枯れる場合もありますが、
このように若い苗や茎の下部が緑のまま冬を越すこともあります。類似したものに、
アレチハナガサ、ヒメクマツヅラ(ハマクマツヅラ)があります。

ハコベあるいはミミナグサ?もう少し大きくならないとわかりません。

チガヤでしょうか、昨年の葉が枯れきらずに残っています。
一般に図鑑には冬枯れの姿がありませんので、判別が難しいですね。

イグサが一株生えているようです。
通常湿り気のある場所に生えるのですが...成長を見守りましょう。

彼岸花です。秋に花が咲いてから葉を伸ばします。
冬の間光合成して球根に養分を蓄えたのでしょうか。お疲れ様。

ここから菊科の植物のロゼッタが続きます。これがなかなか難しい。




これはセイタカアワダチソウでしょうか。






これはヘラオオバコ?


これもヘラオオバコ?

これはセイタカアワダチソウ?



街路樹の根元によくわからない植物が生えていました。
マメカミツレかと思います。総花の直径が4ミリほどの極小の花です。




冬枯れした草の見分けは難しいです。
これはセイタカアワダチソウ。

これはヨモギ。

手前にヨモギ。奥にセイタカアワダチソウ。

山桑の芽です。




こちらはアキニレ。


踏まれても踏まれても頑張る雑草です。
形からしても、ストロマトライトに似ていて、応援したくなります。



セイタカアワダチソウの花穂です。手で揉んでみても、どこに種子があるのかわかりません。帰化植物で嫌われ者ですが、ベニマシコはこれを好んで食べるので、一概に悪者呼ばわりする気にはなれません。アワダチソウの名前は、黄色い花穂の咲いている様が泡立つようだとの説もありますが、むしろこの冠羽の方がその名前の由来としてふさわしいように思えます。


ヌカキビ?

ヨモギです。今の時分には根元に次の世代が芽吹いています。

by harusan




池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...