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2021年11月13日土曜日

着果短枝ふたたび

この季節になると、落葉広葉樹の種子の拡散が目に付きます。以前にも書きましたが、ケヤキはその中でも着果短枝を多く飛ばして種子の拡散を計る樹木として知られており、実際に大量の着果短枝が周辺に飛んでいます。以前、北風が吹く晩秋の日、京都御を通りかかると、ケヤキの巨木がさわさわと葉を落としていました。その葉の中には着果短枝も多く含まれていたのでしょう、鳩たちが舞い落ちる枯れ葉の中を忙しく地面をついばんでいました。いつまでもいつまでも惜しげなく葉を散らすケヤキの木と、ひたすらに無心に餌をついばむ鳩たちの間に、静かで確実ないのちの引き継ぎを感じて深く感動することがありました。

At this time of the year, if we are careful, we notice the spread of seeds from various deciduous broad-leaved trees. As I have written before, Keyaki, or zelkova trees are known for their ability to spread seeds by producing many short branches, and in fact, on a windy day, a large number of short branches are flying around now. Several years ago, when I was taking a walk in the Kyoto Imperial Palace on a late autumn day, I saw a huge zelkova tree rustling and dropping its leaves with a gently blowing north wind. There must have been many short branches and with them seedson the branches. Pigeons were busily pecking at the ground among the falling brown leaves. I was deeply moved by the solemn and unfailing succession of life between the zelkova tree and the pigeons.

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The seeds on the short branches and the branches on the ground.



Photo 2021-11-12

2020年12月2日水曜日

着果短枝の秋

 落葉が進んできました。イチョウ、ムクノキ、エノキもすっかり葉を落としましたが、ケヤキだけはかなりの葉が残っている部分があります。この多くは着果短枝と呼ばれる、果実を付けた短い枝です。この枝の葉は一枚一枚散ることがなく、枝と果実と共に木から離れます。ケヤキの果実は直径4ミリほどの痩果で、それ自身は遠くまで飛ぶ能力を持ちませんが、葉の付いた枝と共に落ちることで遠くに拡散することができます。枝という身を切って子孫を繁栄させようとする、ケヤキの木の「母の愛」と私は考えています。

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着果短枝が多く付いている枝です。枝の他の葉が散った後にも散らずに残っている枝と葉が多いです。

中央部を拡大します。痩果が見えています。

さらに拡大。カリカリに乾いた痩果と枯れた葉が枝から離れずに付いています。

2020.11.23.撮影
2020.12.01.記述




2019年12月8日日曜日

京都御苑の植物:落ち穂拾い

先般記述した日に観察した京都御苑の植物の補遺版です。

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カクレミノです。葉をよく見ると、素直な単葉のものもあり、単葉でありながら2裂しているもの、3裂しているものなど、一本の木に様々な葉が付いているのが特徴的です。名前は、葉の形が、着れば姿がみえなくなる「隠れ蓑」に似ているからとか。


緑の葉に赤い実をつけたエノキの枝が落ちています。やはりこれは着果短枝と読んでも良いのでは?

10月桜も咲いていました。赤いつぼみはきれいですが、やはり桜は春のものかと...


この木の名前がよく分かりませんでした。帰宅していろいろと調べると、どうもカマツカのようです。

落葉樹で赤い実をつけ、果柄にイボ状の皮目があります。

 鋸歯のある互生の葉。

暗灰色でしわがある樹皮からしても、そう思えるのですが...。
2019.12.05.撮影
2019.12.07.記述




池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...