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2020年8月4日火曜日

オオフタオビドロバチが羽化しました

A wasp emerges (Anterhynchium flavomarginatum)

オオフタオビドロバチが羽化しました。朝方ベランダの鉢植えに水をやっていたところ、泥で蓋をされたヨシの筒に穴が開いているのを発見。見ている間に1匹の蜂が出てきて飛んでいきました。外見はオオフタオビドロバチとそっくりですが、母バチよりは一回りあまり小さい個体でした。オスでしょうか。

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これが朝撮影した写真です。真ん中の筒に穴が開いていて、ここから羽化した蜂が出て行きました。

日中母バチは反対側の筒に巣を作ることをせっせとしていて、こちら側に回ってきたのは午後遅くです。

筒の中から竹の薄皮を取りだして掃除しています。

これが夕方の写真。母バチはいつものように筒の中で休んでいます。ふと見ると、斜め下の、泥にあいた筒の穴の奥にも蜂の顔が見えます。

拡大します。

夜にライトで照らしてみると、よくわかります。

母と子(?)のツーショットですが、子の方はずいぶん小さいです。これはオスでしょうか、メスでしょうか。筒が小さければ餌の量は少なく、筒が大きければ餌の量が多いとも考えられますが、それが性差につながるのでしょうか。他の種の蜂とは考えにくいので、謎です。捕らえて研究してみるほどの情熱は持ち合わせていないので、これはここまでにしておきましょう。

2020.08.03.撮影
2020.08.03.記述



2020年8月1日土曜日

オオフタオビドロバチの母の愛

A female wasp: A caring mother

オオフタオビドロバチに巣を作ってあげました。その顛末です。

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オオフタオビドロバチが、ベランダにあったすべてのヨシの穴に巣を作ってしまいました。さらに巣を作る場所を探しています。こんなに太い竹筒も探っています。


これは適当な太さの竹ですが、上部にはすでに巣が作ってあります。

ハチの世界も住宅難と理解しましたので、上掲の竹を切って3つの筒を作りました。作るとすぐにオオフタオビドロバチがチェックしに来ました。下の2本が新しい筒、上の1本は昨年巣を作っていた筒で、今回掃除したものです。

最初3つの筒を順に点検します。右の筒に潜り込んですぐ出てきました。

古い巣にもっとも関心を持ち、これを次の巣穴と決めたようです。なかから竹の内側を覆う薄皮や、以前の巣に使っていた土の隔壁などを次々と運び出して掃除します。

背中が泥で真っ白です。

頭から入ったり、後ずさりして入ったりして、大きさや居心地を確認しているようです。

この際重要になるのが触角のようで、触角を盛んに使って内部の大きさを確認していました。


この後夕暮れになり、蜂の姿は見えなくなりました。夜9時頃、ひょっとしたらと、懐中電灯で照らしてみると、何と!筒の中で夜を過ごしています。

朝の9時になってもまだ筒の中から出てきていません。一晩をここで過ごしたのでしょう。

オオフタオビドロバチの母の愛です。考えてみれば、こうやって巣穴に籠もることは、その巣穴の安定性や安全性の確認にもなり、作りかけの巣の卵や幼虫を天敵から守ることもできます。きわめて合理的な行動と言えます。卵を多く産まない狩り蜂たちは、こうやって子孫を残す確実な方法を身につけてきたのでしょうね。

2020.07.30. &2020.07.31.撮影
2020.07.31.記述

2020年7月27日月曜日

生存のための闘い

A hunter wasp vs. a parasitic fly

ベランダのオオフタオビドロバチに異変です。どうも刺客に狙われているようです。刺客の正体は寄生バエです。このハエが、巣に戻ってきたオオフタオビドロバチの後ろをぴたりとつけてホバリングし、素早く巣穴に潜り込もうという構えで、じっと隙を狙っています。

寄生バエについては、昨年の10月にカラムシに巣を作ったアカタテハの幼虫を狙っていた様子を書きました。体の模様からして、このハエは完全に同じ種類ではないようですが、体の特徴や行動にはきわめて類似した点があります。

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巣に戻ってきたオオフタオビドロバチ(大きな赤丸)の後ろをぴたりとつけて飛ぶ寄生バエです。寄生バエはベランダで待ち構えていて、ハチが戻ってくると、すかさず飛び出して後ろを取ります。

このときはすでに泥ですの蓋をした後でしたが、それでも寄生バエは近くに止まって隙を狙っています。

ハチが去った後、再びの帰還を待って、巣の上に陣取りました。

拡大します。ここから巣までは約30 cm。

15分ほど待った後、プランターの支柱に移動しました。

 ここから巣までは約1 m。このまま微動もせずに約30分待っていました。

ちなみに、これが昨年観察した寄生バエです。カラムシに巣を作ったアカタテハの幼虫を狙っています。胸の模様など異なると思うのですが、同種の個体差かもしれません。


 一見何もなく平和なベランダにも、命をめぐる駆け引きがあることを知りました。

2020.07.23.撮影
2020.07.26.記述




2020年7月13日月曜日

オオフタオビドロバチ

ベランダに置いてある竹筒(正確にはセイタカヨシの筒)に今年もオオフタオビドロバチが巣を作っています。この筒はもともとヨシ笛でも作ろうかと、4年ほど前の冬に刈り取ってきたのですが、乾燥するために夏の間束ねて置いておいたら、いつの間にか泥で蓋をされたものがあるのに気づき、観察しているとオオフタオビドロバチが巣を作っていました。毎年作るので、おそらく前年の巣を掃除して作っているのでしょうね。

オオフタオビドロバチは狩りバチの一種で、腹部に黄色の二本線が入っているのでこの名前があります。竹やヨシなどの筒の中に、泥で仕切られた幼虫室を作り、奥の方から麻酔を効かせた蝶や蛾など鱗翅類の幼虫を詰め、一部屋に1個の卵を産んで隔壁を泥で作って行きます。

10分から20分ほどの間隔で戻ってきて、泥をくわえてきたり、幼虫の餌になる青虫(おそらく蛾の)を運んできたりしています。すべての幼虫室を満たすと、泥で入り口の蓋をします。昨年は夏の終わり頃、泥の蓋が破れていましたので、おそらくその頃に成虫が出てきたのでしょう。(現場を目撃していないので、推測です。)

一般に狩りバチは人間に対して害を及ぼすことはまずありません。市街化していく町では巣をかける場所がどんどん減っています。そんな中でもちょっとした工夫で、蜂の生息場所を作ることができます。蜂のアパートです。今年はもう1箇所アパートをつくってあげようかな、と思っています。

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がらくたに見えますが、皆それぞれに物語のある宝物です。6本見えるのがヨシの筒。左端のものは昨年の脱出口が見えます。右上の蓋がしてあるものは、昨年のものか今年のものかよくわかりません。

この筒が現在作成中のです。このときは泥を運んできていました。幼虫室が1つ完成したのでしょうか。ほんの一瞬で姿を消しますので、ピントの甘さはご容赦のほどを。

フラッシュを使って作業中のお尻を撮影しました。筒が狭いので、Uターンはできません。後ろずさりしながら出てきます。

2020.07.11.撮影
2020.07.12.記述


2019年8月2日金曜日

オオフタオビドロバチ:生存のドラマ

ベランダに30cmほどに切ったヨシの茎を束ねておいてあります。これはマメコバチ、ハキリバチ、狩りバチなど細長い茎に巣作りをするハチのためです。よく使ってくれるのはオオフタオビドロバチで、このハチは黒い体の腹部に黄色い帯が2スジ入った狩りバチです。主にメイガの幼虫など蛾の幼虫を捕らえて、中枢神経に針を刺し、仮死状態にしてから巣に入れて卵を産み泥で蓋をします。

幼虫は孵化すると、蛾の幼虫を食料として育ち蛹となって、羽化すると泥の入り口を破って出てきます。巣は竹筒やヨシの筒に作り、中は育房と呼ばれる小部屋に分かれています。その中に蛾の幼虫を蓄え、1部屋に1個の卵を産み付けるわけです。奥の育房が早く作られますので、奥の方の幼虫の成長が早く、奥の方から順に成虫になるはずですが、成虫となって脱出するときに、どの順番でどのように脱出するのかはよく分かりません。

先日来、母バチが巣を作っているのは知っていました。今日小ぶりなオオフタオビドロバチがベランダにいるのに気づいて、調べたところ羽化したものであるのに気づきました。

羽化したばかりなので十分な飛翔能力がなく、見ている間にベランダの隅の蜘蛛の巣にかかり、すんでの所でクモの餌食になるところでした。気づくのがほんの一瞬遅れたら、間違いなく餌になっていたでしょう。

その蜘蛛の巣ですが、よく見ると、奥の方に大きなオオフタオビドロバチが餌食になっていました。実は巣を作っていた母バチの姿がある日忽然と見えなくなったのですが、どうもこれがその末期の姿のようです。巣作りの作業中に誤って蜘蛛の巣にかかってしまったようです。

蛾の幼虫がドロバチの餌食になり、そのドロバチがクモの餌食になる、そのクモもベランダを訪れるスズメたちの餌食にいつなるとも分かりません。ほんの小さな空間にも厳しい生存のためのドラマが展開しています。

羽化してベランダのガラス戸に止まったオオフタオビドロバチです。小ぶりの体ですので、オスでしょうか。

育房が作られたヨシの茎です。ハチたちが巣を作るために置いてあります。右上の穴から出てきたようです。まだ2本は泥で蓋がされたままです。そのうちの1本は写っていません。

こちらは反対側。一本の茎が泥でふさがれています。

これは想定外で、縦に立てかけてあった竹棒に作った巣。午後に大きめの成虫が飛び出していきました。メスでしょうか。

蜘蛛の巣から外してやったオオフタオビドロバチです。まとわりつく蜘蛛の巣を一生懸命に取り除いています。

反対側です。目がくぼんでいるのが気になりますが、この後しばし休息した後、元気に飛んでいきました。

こちらは蜘蛛の巣にかかっていたオオフタオビドロバチ。大きさからして、巣を作っていた母バチのように思います。
2019.07.29.撮影
2019.07.29.記述



池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...