2020年7月27日月曜日

生存のための闘い

A hunter wasp vs. a parasitic fly

ベランダのオオフタオビドロバチに異変です。どうも刺客に狙われているようです。刺客の正体は寄生バエです。このハエが、巣に戻ってきたオオフタオビドロバチの後ろをぴたりとつけてホバリングし、素早く巣穴に潜り込もうという構えで、じっと隙を狙っています。

寄生バエについては、昨年の10月にカラムシに巣を作ったアカタテハの幼虫を狙っていた様子を書きました。体の模様からして、このハエは完全に同じ種類ではないようですが、体の特徴や行動にはきわめて類似した点があります。

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巣に戻ってきたオオフタオビドロバチ(大きな赤丸)の後ろをぴたりとつけて飛ぶ寄生バエです。寄生バエはベランダで待ち構えていて、ハチが戻ってくると、すかさず飛び出して後ろを取ります。

このときはすでに泥ですの蓋をした後でしたが、それでも寄生バエは近くに止まって隙を狙っています。

ハチが去った後、再びの帰還を待って、巣の上に陣取りました。

拡大します。ここから巣までは約30 cm。

15分ほど待った後、プランターの支柱に移動しました。

 ここから巣までは約1 m。このまま微動もせずに約30分待っていました。

ちなみに、これが昨年観察した寄生バエです。カラムシに巣を作ったアカタテハの幼虫を狙っています。胸の模様など異なると思うのですが、同種の個体差かもしれません。


 一見何もなく平和なベランダにも、命をめぐる駆け引きがあることを知りました。

2020.07.23.撮影
2020.07.26.記述




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