キンポウゲ科の植物の例に漏れず有毒で、毒性物質(プロトアネモニン)を含み、微量ならば生薬として用いられますが、手洗いがまだくみ取り式の頃には、この草を切って表面に撒いておくとウジが湧かないとされ、駆虫剤として使われていました。剛健な草本で、冬でも地上部が枯れずに、翌年また芽吹くこともありますが、近年は堤防の草刈りの徹底によって株数と開花面積が狭まり、一面のお花畑にはなかなかお目にかかれません。
今年も開花を楽しみにしていた株があったのですが、今日確認に行ったところ、無残なことになっていました。キイロハバチの食害です。キイロハバチは、ルリチュウレンジやクルミマルハバチなどのように草食性で巣を作らない原始的なハバチの仲間です。この幼虫は、こともあろうに、このセンニンソウを食草としています。幼虫は終齢幼虫でも体長2センチほどの細長いイモムシですが、一時に産む卵の数が多いせいか、いったん発生すると、あっという間に一株のセンニンソウを丸裸にしてしまいます。
白い蝋状の物質で薄く体を包んでいるようです。すでに葉は食べ尽くされて、茎しか残っていません。
ちょっとクルミマルハバチに顔が似て可愛いところもあるのですが、フードをかぶったカトリックの司祭のようにも見えます。
とにかくこの株は今年は諦めて、他の株を探すことにします。
2019.08.06.撮影
2019.08.06.記述
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