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2020年6月8日月曜日

久しぶりの京都御苑

久々に京都御苑を訪れました。新型コロナウイルスのために閉鎖していたこともないとは思うのですが、なんとなく足が遠のいて3ヶ月ほど経過してしまいました。「自粛自粛」と連日声高に報道され、同調圧力とは無縁だと自分では思っていた私も、いつの間にか同調していたようです。

植物園と同様、継続観察していた植物が季節の巡りと共に生長し、花を咲かせ、とうてい継続とは言えない観察になりました。

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ヤマボウシです。おとなしい花ですが、静かで清楚な魅力があります。

イイギリです。これは雄株のようです。花殻のついた花序の名残が見えます。これの花が撮りたかったのですが、これではなんとも...

これはクロガネモチ。花殻が残って、今はちょっと汚く見えますが、秋の実りは見事です。

マテバシイ。昨年は日陰に生えている若木の葉の大きさに驚嘆しました。ドングリが大きくて形が整い、大砲の弾を思わせる形です。戦時中を知る年配の方から「大砲ドングリ」と呼んでいたと伺いました。

根元に雌花があります。この時期に咲いて、秋に大きな実を多数ならす豊穣な樹木です。

ナギの若芽です。これも花を撮りたかったのですが、かないませんでした。広い葉を持っていますが、針葉樹です。


御苑の一角に手の届くところに実るシリブカガシがあります。観察にはもってこいです。剪定されないことを願います。


昨年の秋に咲いた雌花が実ってきました。

これはカジノキの若い実です。これも花の盛りが撮りたかったのですが、なかなか思うに任せません。 御苑のあちこちに芽生えを見ますので、鳥達が果実を食べ、種を運んでいるのでしょう。

アオバズクがまどろんでいました。邪魔をしないように、そっと1枚撮らせてもらいました。マナーをわきまえない観察者がいるために、日本野鳥の会京都支部のアオバズク観察会は廃止になっています。巣立ち直後の幼鳥が、人の歓声に驚いて壁に激突死したとの報告がありました。

地上が一面に薄茶色の絨毯を敷き詰めたようになっています。何事かと見ると、イチイガシの雄花が一面に散っているのでした。それにしてもしっかりと枝を張った立派な株です。 

若葉もきれいです。このイチイガシと、上記のシリブカガシ、そしてマテバシイは、ドングリに渋みが少なく、そのまま食べることができます。縄文時代から日本人にとって炭水化物の摂取源として重要な樹木だったようです。もっとも、味の方はシイの実にかないませんが。照葉樹林帯、かつてこの島に住む人々を支えた木々、の末裔です。

いろいろと観察できて、勉強になりました。

2020.06.06.撮影
2020.06.07.記述





2020年3月5日木曜日

有栖川のマテバシイ

マテバシイはブナ科マテバシイ属に属する常緑広葉樹です。堅果(ドングリ)が大きく、大砲の弾のような形をしているので、年配の方からは「大砲ドングリ」と呼んだと聞いています。堅果は渋みがなく、そのままでも食べることができますが、煎った方が美味しい。ただし、シイの実ほどは美味しくありません。

名前の由来については、しばらく待つとシイの実のように美味しくなるということでマテバシイと名付けられた、葉がマテガイのように細長いことから、などの説があります。(このような命名はアスナロと似ていて個人的には好きではありません。木に優劣を付けているようです。)花期はドングリとしては遅めの6月頃、翌年の10月頃に熟します。同属のシリブカガシと同様に、花と実の両方が同時に見られる木です。

府立植物園には多産のマテバシイの林があり、昨年も地上がドングリだらけになるほどの実を落としていました。ですが、京都市内では植物園や御苑以外の場所では見かけませんでした。ところが、昨日アベマキを発見した有栖川畔でアベマキの隣に見つけた木が、どうもこのマテバシイのようです。

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実が生長しつつある花序で気がつきました。

丸い冬芽も特徴的です。

葉は堅く革質化していて倒卵形。本来はもっと大きな葉ですが、少し小さめ。

樹皮は比較的なめらか。


ということで、マテバシイの条件にすべて当てはまります。

 上の写真の背後、下の写真の左上に、昨日紹介したアベマキの枯れ葉が見えます。

2020.03.03.撮影
2020.03.03.記述


京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...