2020年3月5日木曜日

有栖川のマテバシイ

マテバシイはブナ科マテバシイ属に属する常緑広葉樹です。堅果(ドングリ)が大きく、大砲の弾のような形をしているので、年配の方からは「大砲ドングリ」と呼んだと聞いています。堅果は渋みがなく、そのままでも食べることができますが、煎った方が美味しい。ただし、シイの実ほどは美味しくありません。

名前の由来については、しばらく待つとシイの実のように美味しくなるということでマテバシイと名付けられた、葉がマテガイのように細長いことから、などの説があります。(このような命名はアスナロと似ていて個人的には好きではありません。木に優劣を付けているようです。)花期はドングリとしては遅めの6月頃、翌年の10月頃に熟します。同属のシリブカガシと同様に、花と実の両方が同時に見られる木です。

府立植物園には多産のマテバシイの林があり、昨年も地上がドングリだらけになるほどの実を落としていました。ですが、京都市内では植物園や御苑以外の場所では見かけませんでした。ところが、昨日アベマキを発見した有栖川畔でアベマキの隣に見つけた木が、どうもこのマテバシイのようです。

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実が生長しつつある花序で気がつきました。

丸い冬芽も特徴的です。

葉は堅く革質化していて倒卵形。本来はもっと大きな葉ですが、少し小さめ。

樹皮は比較的なめらか。


ということで、マテバシイの条件にすべて当てはまります。

 上の写真の背後、下の写真の左上に、昨日紹介したアベマキの枯れ葉が見えます。

2020.03.03.撮影
2020.03.03.記述


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