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2020年8月26日水曜日

4号井堰跡

As part of the flood control measures, the No. 4 dam on the Katsura River was removed and the riverbed was lowered. This is a large scale artificial disturbance to the river. I have been monitoring the growth of vegetation for half a year since the completion of the construction.

洪水対策ということで、 4号井堰跡の撤去と河床掘削がなされました。河川への大規模な人為的かく乱です。工事が終了して半年経過しました。豊かにたたえられた水と湿地は失われて、乾燥した河川敷が広がっています。

4号井堰があった頃は、年によってはコハクチョウが訪れるなどした場所です。近年問題になっている極端な降水と被害の増加によって、河川行政を担当する国土交通省は、景観や環境よりも治水、しかも力ずくの治水を推し進めています。一部でも本来の豊かな生物相を取り戻せる治水が可能にならないかと思います。

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イチビです。京都には「イチビる」という言葉がありますが、関係はないようです。その昔、繊維植物として導入されたものが野生化したといわれています。アオイ科の植物で花はきれいなのですが、果実の外見に結構迫力があるので、初めて見たときはぎょっとしました。


別な意味でぎょっとする人もいるでしょうが、ゴボウの花です。ゴボウはキク科の植物ですので、花はアザミによく似ています。種子を飛ばすところも似ていますが、タンポポのようにきれいに飛ばず、アメリカオニアザミのようにかなり汚く飛びますので、写真は載せません。

乾燥した河原にもたくましく育つヤハズソウです。葉を引っ張ってちぎると、矢筈の形になります。



アレチハナガサが暑さにめげずに咲いています。バーベナの仲間ですので、暑さと乾燥にはめっぽう強いです。

ノゲイトウが咲き始めていました。早速ブチヒゲカメムシがお食事中です。

スカシヒメヘリカメムシでしょうか?

これはテントウムシではなくて、羽虫の類かと思いますが、名前がわかりません。黒とオレンジの鮮やかな配色です。




工事が終わったのが4月頃でしたので、それ以降に生えたオオアレチノギクが細く生えています。

クサネムの実です。


花です。

サヤが、種子1つ1つ分にばらけます。浮力が強いので水に浮かび流されます。現在水田の強雑草として嫌われ者です。

オトコエシが一株ありました。オミナエシと同様スイカズラ科オミナエシ属に属する植物です。オミナエシの花の鮮やかさと華やかさがなく、全体にがっしりと生えるところからそのように命名されたのでしょうか。




ユウゲショウです。アカバナユウゲショウと呼ばれることもあります。乾燥地に強く、花期は5月から9月頃までと長いです。花の形からわかるように、マツヨイグサの仲間です。果実は水に濡れると開いて種を散らします。

2020.08.24.撮影
2020.08.24.記述


2019年11月23日土曜日

小さい秋みつけた

紅葉が進み、この週末京都地方の紅葉の名所は大変な混雑が予想されています。嵐山は渡月橋の横断すら困難になるでしょう。日頃散策がてらゆっくりと観察を楽しんでいる身には、大変不自由な季節です。出口のない嵐山地区に観光バスで早朝から大勢の観光客を押し込むことは、考え直すべき時期でしょう。

紅葉の名所を外れたところにも「穴場」的に紅葉の美しい場所がありますが、案外自宅の小さな庭や、近所の並木に美しい秋の姿を認めることもあるのではないでしょうか。昨年の今日の写真から桂川の上野橋下流の4号井堰付近の小さな秋を撮影した写真から拾ってみました。

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クコの実です。クコはナス科の植物で、昔から果実、根皮、葉すべて生薬として用いられ、薬膳にも欠かせない植物です。近年河川敷に群落を作り増加傾向にあります。秋のみのりが美しい。



アメリカフウロです。帰化植物で、昭和初期に日本で初めて発見されたのが京都だったということです。

これはエノコログサの根元。

 小さなギシギシも紅葉しています。

ノゲイトウの葉。

これはサクラタデの葉。タデの類もよく紅葉し、草原を赤く染めます。

エノコログサの葉の紅葉です。穂も赤紫に染まることがあります。

アカザの紅葉。これは赤が濃くてきれいです。

再びエノコログサ。都市部の街路樹の根元にもよく生えて紅葉します。

オオニシキソウ。

キンエノコロです。

4号井堰は今はもうありません。治水対策ということで昨年末からの工事で撤去されました。堰があった頃は水位が安定して広い水面が確保でき、一頃はコハクチョウも羽を休めることがあったのですが、今は見る影もありません。洪水対策ということで、付近では現在も河原を平均2 mほど掘削する工事が全面的に行われています。2017年に湿地植物の調査が行われましたが、昨年に堰を撤去し、河原の植物を一掃し、一昨年まで見られたワンドや湿原植物などもすべて消滅してしまいました。失ったものは多いのですが、ほとんど人の心に残りません。その代わりに何を得たのでしょうか。

2018.11.22.撮影
2019.11.22.記述




京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...