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2020年1月5日日曜日

植物探偵団:フィールドサインを求めて

野外観察を繰り返すと、徐々に観察の感度が上がります。同じフィールドでも、何度も通っていると、微細な点や微妙な変化に気づきます。例会予定の場所を再度訪問して、前回には気づかなかったいくつかの点が見えてきましたので、メモしておきます。

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アカザの小穂は、種がないところとあるところが微妙に分かれているので、なぜかな?と考えると、どうもホオジロなどの野鳥がこれを食べに来ているようです。

これは余り食べられていない穂。頂点にあります。

こちらはかなり食べられた穂。中程です。

どうも中程の足場のよいところの穂が先に食べられて種がなくなり、頂点の足場の悪いところは種が残るようです。犯人の足取りは上記の写真にもありますが、この写真で焦点が合っているか所です。

これもそう...

そしてこれも...つまり、枝が折れています。おそらく野鳥の体の重みで折れたのでしょう。枝の細さからすると、ホオジロかアオジかスズメ。枝に乗って集団で食べるのはホオジロかスズメ。このどちらかと思われます。どうでしょうか?

土の上にはナンテンの実が2粒落ちていました。最も近いナンテンの木は100mほど離れたところにあります。これはおそらくヒヨドリのしわざ?食事中を驚いて逃げてここまで来て、加え直そうと思って落としたのか?

 セイバンモロコシもアプローチしやすいところは結構実が落ちています。これはホオジロ、スズメあるいはカシラダカ?この茎はたやすく折れません。しなります。

セイバンモロコシとオギ、ススキは、青葉が茂っている頃はよく似ていますが、枯れると一目瞭然。セイバンモロコシは茶色く汚れて見えます。また穂の形が違うことでも一目瞭然。こちらセイバンモロコシ。

一方で、ススキやオギには汚れた感じはありません。こちらススキ。

セイバンモロコシの葉を拡大するとこのようにまだらに模様が入っています。

これはこれでヒョウ柄のようで(ムリか?)結構おしゃれに見えます。

いつの間にか手袋に種がついていました。これは「飛ぶ種」の一種。セイタカアワダチソウです。セイタカアワダチソウはキク科の植物で、キク科によくある飛ぶための綿毛を持っています。長さは約1ミリ余りの極小の種です。これが大好きなのがベニマシコ。おなかがふくれるには相当たくさん食べないとね。


カヤネズミの巣も2つ見つけました。これです。

よくわからない方のために拡大。

ちょっとわかりにくいところにももう一つ。

例会が楽しみになってきました。

2020.01.03.撮影
2020.01.04.記述


2019年12月24日火曜日

冬越を生き抜く:カナムグラの種

生き物にとっては厳しい季節の到来です。河川敷の草むらも一面枯れ葉色になっています。その中でも一生懸命に冬を越す生き物たちがいます。その様子をフィールドサインから探ります。

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枯れてぼろぼろになった草の塊があります。 秋の終わりに辺り一面を覆い尽くした、カナムグラです。朽ちていくしかないようですが...

枯れ草をそっと持ち上げると、地面の上に種がこぼれています。

カナムグラは麻科のつる性植物です。七味唐辛子に入っている麻の実と同じような固い殻を持つ種子をつくります。

よく見ると食べられている種子があるようです。花殻も散っています。

種子を拾って集めてみました。これが食べられている種子です。

そしてこれが食べられていない種子。ですが...

食べようとした痕跡が残っているものもあります。種を挟むように傷が付いていることからしても、鳥のビークマーク(嘴跡)でしょう。スズメたちが群れで枯れたカナムグラの上に乗っているのをしばしば目にします。スズメの仕業かもしれません。

約20cm四方から拾うと、空っぽにされたものとないものとの比が約2:1になりました。

カナムグラの種子にはこのようにかなり露出したものが多いです。

ひょっとしたら、種子の3分の2程度は食べられることを前提に、鳥たちまき散らしてもらえるよう、見つかりやすいように露出させているのかもしれません。

ちなみに、百人一首に歌われている恵慶法師の「八重葎しげれる宿の...」の歌のヤエムグラは、つる性植物が重なって生い茂っている様子を表しますが、その実態はこのカナムグラだっただろう、という説を聞きました。確かに家を覆うほどの繁殖力があります。

2019.12.21.撮影
2019.12.23.記述





池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...