ラベル モッコク の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル モッコク の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年6月30日水曜日

モッコクの花

モッコクは目立たない木ですが、常緑で、樹形が整い、派手さがなく、気品があるということで、江戸時代武家の庭に好んで植えられたということです。寺社にもしばしば植栽が認められますが、関西よりも関東、特に東京の庭園に人気なようです。以前訪れた東京都国分寺の殿ヶ谷戸庭園はモッコクが有名で、見事に手入れされていました。

そのモッコクがつぼみを付けています。1週間もしないうちに花が咲き始めるでしょう。

*****
写真は亀山公園第一展望台脇のモッコクです。このほかにも寺社仏閣などに多くありますので、鑑賞する機会は多いと思われます。ツバキ科の植物で、秋に赤く実る実は野鳥たちの大好物でもあります。野鳥ファンには秋の実りの季節に、この木の存在に気づくかもしれません。

2021-06-26 撮影

2020年7月20日月曜日

御苑自然教室:モッコクについて

京都御苑にて、「自然教室」に参加してきました。京都御苑は国の管理になりますので、主催は環境省京都御苑管理事務所とちょっと物々しい。物々しいですが、例年は人気の教室で、昨年は多いときで150名を超える参加があったと記憶しています。今年はコロナウイルス感染対策で定員10名のコースを、植物とキノコで各1コースずつ。それぞれに講師の先生3~4名と係員2名が付く、大変贅沢な教室になりました。

参加したのは植物コース。植物コースと言っても、野鳥と昆虫を含む観察です。閑院宮邸跡を起点に、宗像神社までのごく短いコースでしたので、暑さを除いては、体力的には全くOKでした。以下、学んだ事、調べたことのうち、モッコクに関することをメモ書きしておきます。

*****

モッコクは日本、朝鮮半島、台湾、東南アジアからインドに至る海沿いの土地に分布している木。樹形が整い風格がある、ということで、庭木として人気があります。特に関東で好まれた木のようで、以前国分寺にある岩崎彦弥太別邸の庭、現在の殿ヶ谷戸庭園を訪れたときに,アプローチから整然と並ぶモッコクの木が美しく、印象的でした。渋い、通好みの樹木と言えます。

葉は厚いクチクラ層に覆われています。クチクラは英語ではcuticleであることを、今回の自然教室で初めて知りました。髪の毛の表面を覆うあの鱗状の物質です。平凡社世界大百科事典では「角皮,キューティクルともいう。生物体の体表(動物では上皮細胞,維管束植物では表皮細胞からなる組織)の外表面に分泌される角質の層の総称。」と定義されています。さらに調べてみると、cuticleはもともとラテン語のcuticlaに由来し、この語はさらにcutisから来ており、これは「皮」という意味になります。

モッコクは葉や花の形態学的特徴から、従来はツバキ科に分類されていましたが、近年の遺伝子解析により、現在APG分類では、モッコク科に分類されています。モッコク(木斛)の名前は、着生蘭の一種セッコク(石斛)の香りに似ていることから付けられたようです。雄木と雌木があり、雌木にも雄木の雄蕊の痕跡が見られることもあるとか。花が咲いた後はツバキに似た小さな実ができますが、この実が野鳥たちの大好物で、キビタキ、コサメビタキ、ルリビタキなどが日本を離れる前の体力を付けるためによく立ち寄るということです。昆虫など肉食専門と思われるコゲラもこの実を好んで食べに来るということでした。

この日のモッコクはすでに花期を過ぎていたので、下の写真は7月5日に撮影したものです。雄木の花だと思います。


2020.07.05.撮影
2020.07.19.記述


池端で

買い物の帰りに遠回りをして池端の野鳥を見てきました。折からの寒波でこの冬一番の冷え込み。横殴りの風が吹く中の観察です。人の出がないので、日頃は隠れていがちな野鳥の姿を認めることができました。 ヒクイナです。 タシギです。 クイナです。 晴れ間に突然カワウの一群が飛び立ったと思った...