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2020年5月14日木曜日

アワフキムシ

西山沢筋散策の余録です。昔はどこにでもいたのですが、最近は山裾にしか見なくなった昆虫です。

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アワフキムシです。久しぶりに見ました。

泡の巣の主はこれ。泡から取り出しました。蝉やカメムシの仲間で、草の維管束液を吸って栄養を取っています。体を隠すために、お尻から取り込んだ空気を粘りけのある排泄物の中に吹き出すことで泡を形成します。



お尻を突き出して空気を取り込んでいます。


拡大します。

元に戻してあげました。

2020.05.11.撮影
2020.05.13.記述





2019年11月2日土曜日

観察行:高雄~大覚寺を歩く:季節のきのこなど

高雄から大覚寺を、京見峠を経て歩いてみました。この季節きのこがたくさん生えているのですが、なかなか同定は困難です。いくつか興味をそそられたたものを紹介します。

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きのこで印象に残ったものです。これはクチベニタケ。一見たこ焼きに似ていますが、たこ焼きよりはかなり小さいです。直径1.5センチほど。

胴体を押すと、赤い部分が割れて、白い胞子がぶわっと出てきます。秋の山で人気のきのこです。

カワラタケの仲間でしょうか。朽ち木に鱗のようにびっしり生えていて、竜の肌のようです。

これらのきのこの多くは木材腐朽菌で、ゆっくりと時間をかけて樹木を土に返していきます。これらの菌類がなければ、良質な表土はあり得ず、豊かな土地も豊かな森もありません。多くの種類の、膨大な量の菌類が、人間の気づかないところで、大いなる自然の営みに従事しています。

2019.10.31.撮影
2019.10.31.記述





2019年8月9日金曜日

西山を歩く(その5)

引き続き西山で遭遇した生きものたちを紹介します。時間軸に沿って並べていますので、ランダムに何が出てくるやら...。

セマダラコガネです。3つに分かれた触覚がチャームポイント。

ルイスジンガサハムシです。ジンガサハムシの仲間は広くはカメノコハムシに属し、この種の特徴として、体の周囲に透明な薄板が広がっていることです。特に美しいのは黄金色の体を持ち、透明度が高いジンガサハムシですが、これにはまだ遭遇したことはありません。

ヤブマオウです。イラクサ科の多年草で、かつてはカラムシ( 苧麻)などとともに、繊維を取り、糸を紡ぎ、布を織る材料になりました。カラムシよりも背が高く、頑健な感じがします。

ニワハンミョウです。同じ仲間のハンミョウに比べて地味ですが、大きく鋭い大顎は共通しています。

シロカネグモの仲間でしょう。緑色に輝く美しい体色をしています。写真では光沢が再現できないのが残念。

ヤブミョウガです。薄暗い半日陰を好みます。球形の液果は濃い青紫色に熟します。

カリガネソウの仲間です。上部に弧を描いて伸びる花柱とおしべが優雅で美しい。

フタオビドロバチのようです。枯れた孟宗竹に穴を開けて巣作りをしているようです。

 ジャコウアゲハのようです。ヤブガラシに吸蜜していました。後翅が長く伸びていて、優雅です。

オニドコロの花が満開でした。ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属し、花もちょっと見には似ているのですが、より繊細な感じがします。雌雄異株。

花の形からすると、これは雄株です。


枯れたオニドコロの実です。身に枚の翼があるのは共通していますが、こうなると外見はヤマノイモとはずいぶん形が違います。

ササキリの幼生です。薄暗い山道にいました。成虫は昼間に活動し、「ジリジリジリジリ...」と余り目立たない声で鳴きます。

モノサシトンボです。節々の模様を物差しの目盛りになぞらえました。

 以前紹介した、カシルリオトシブミです。3ミリほどの小さな昆虫ですが、よく見ると胸の部分の構造色がとてもきれいです。

食痕が道のように見えます。

葉を食べ尽くさないのは生きる知恵かもしれません。オトシブミの仲間にはこのように剥いたように葉を食べるものが多いように思います。

オオフタホシカメムシです。模様が人の顔に似ているという噂もあります。見方によって不機嫌な顔と、喜んでいる顔と。

ウズラカメムシです。なかなかハンサムな虫だと思います。かつての超音速旅客機コンコルドを彷彿とさせます。

こちらも先日紹介したヒメコブオトシブミ。エノキの木の常連さんです。


ハラビロトンボのオスです。この時点で夕立が近づいてきて、撮影にはかなり厳しい条件になりました。

 こちらがメスです。発見したのは住宅地のすぐそば。近くにため池がありました。

西山はニュータウンをはじめ、宅地化が進み、竹林や雑木林が次々と伐採されています。新たに住まう人々は、この土地になじみが薄く、そこに生きる動植物も知られないままですと、雑草・害虫のたぐいにしか見做されません。今回この地を良く知る方に案内されて、豊かな生態系が息づく地であることを改めて確認しました。これらの植物相動物相を調査し、伝えて行く方法を探りたいと思います。

2019.07.16.撮影
2019.08.08.記述



2019年8月8日木曜日

西山を歩く(その4)

少し時間が経ってしまいましたが、西山で出会った生きものたちの記録です。続き物です。

トホシオサゾウムシです。初めて見ました。

なかなかとぼけた顔をしています。誰かさんに似ているかも。

アカメガシワの雌花です。実がかなり大きくなってきていますが、めしべの柱頭がいつまでも赤いです。

 シンジュ(ニワウルシ)にいた、シンジュキノカワガの幼虫です。初めて見ました。これまで見た毛虫の中で、もっとも毛足が長いです。

 ウワミズザクラの実です。花は皆注目しますが、実のことは忘れがちです。

キヌガサタケの幼菌です。なかなか素直に成長してくれません。植物園以外の竹藪では初めて見ました。

以前紹介した、ウスバカゲロウの幼虫のようです。背中に背負ったゴミの中に甲虫の死骸があるようです。食べかすもカモフラージュの材料にするのでしょうか。

今日はこの辺で。まだ続きます。

2019.07.16.撮影
2019.08.07.記述 




京北の林内探索

京北の樹木植物に詳しい方に案内していただいて、ホンゴウソウを探しに行きました。昨年枯れたものを見つけられたとか。目的の場所に行くと、Bingo!約20株ほどが集まって、周囲にもまばらに生えていました。ヒノキ林の林床です。そこから冬虫夏草探索に切り替え、ムシヒキアブのアナモルフ、ガ...