幼虫は孵化すると、蛾の幼虫を食料として育ち蛹となって、羽化すると泥の入り口を破って出てきます。巣は竹筒やヨシの筒に作り、中は育房と呼ばれる小部屋に分かれています。その中に蛾の幼虫を蓄え、1部屋に1個の卵を産み付けるわけです。奥の育房が早く作られますので、奥の方の幼虫の成長が早く、奥の方から順に成虫になるはずですが、成虫となって脱出するときに、どの順番でどのように脱出するのかはよく分かりません。
先日来、母バチが巣を作っているのは知っていました。今日小ぶりなオオフタオビドロバチがベランダにいるのに気づいて、調べたところ羽化したものであるのに気づきました。
羽化したばかりなので十分な飛翔能力がなく、見ている間にベランダの隅の蜘蛛の巣にかかり、すんでの所でクモの餌食になるところでした。気づくのがほんの一瞬遅れたら、間違いなく餌になっていたでしょう。
その蜘蛛の巣ですが、よく見ると、奥の方に大きなオオフタオビドロバチが餌食になっていました。実は巣を作っていた母バチの姿がある日忽然と見えなくなったのですが、どうもこれがその末期の姿のようです。巣作りの作業中に誤って蜘蛛の巣にかかってしまったようです。
蛾の幼虫がドロバチの餌食になり、そのドロバチがクモの餌食になる、そのクモもベランダを訪れるスズメたちの餌食にいつなるとも分かりません。ほんの小さな空間にも厳しい生存のためのドラマが展開しています。
羽化してベランダのガラス戸に止まったオオフタオビドロバチです。小ぶりの体ですので、オスでしょうか。
育房が作られたヨシの茎です。ハチたちが巣を作るために置いてあります。右上の穴から出てきたようです。まだ2本は泥で蓋がされたままです。そのうちの1本は写っていません。
こちらは反対側。一本の茎が泥でふさがれています。
これは想定外で、縦に立てかけてあった竹棒に作った巣。午後に大きめの成虫が飛び出していきました。メスでしょうか。
蜘蛛の巣から外してやったオオフタオビドロバチです。まとわりつく蜘蛛の巣を一生懸命に取り除いています。
反対側です。目がくぼんでいるのが気になりますが、この後しばし休息した後、元気に飛んでいきました。
こちらは蜘蛛の巣にかかっていたオオフタオビドロバチ。大きさからして、巣を作っていた母バチのように思います。
2019.07.29.撮影
2019.07.29.記述
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