2020年8月1日土曜日

オオフタオビドロバチの母の愛

A female wasp: A caring mother

オオフタオビドロバチに巣を作ってあげました。その顛末です。

*****

オオフタオビドロバチが、ベランダにあったすべてのヨシの穴に巣を作ってしまいました。さらに巣を作る場所を探しています。こんなに太い竹筒も探っています。


これは適当な太さの竹ですが、上部にはすでに巣が作ってあります。

ハチの世界も住宅難と理解しましたので、上掲の竹を切って3つの筒を作りました。作るとすぐにオオフタオビドロバチがチェックしに来ました。下の2本が新しい筒、上の1本は昨年巣を作っていた筒で、今回掃除したものです。

最初3つの筒を順に点検します。右の筒に潜り込んですぐ出てきました。

古い巣にもっとも関心を持ち、これを次の巣穴と決めたようです。なかから竹の内側を覆う薄皮や、以前の巣に使っていた土の隔壁などを次々と運び出して掃除します。

背中が泥で真っ白です。

頭から入ったり、後ずさりして入ったりして、大きさや居心地を確認しているようです。

この際重要になるのが触角のようで、触角を盛んに使って内部の大きさを確認していました。


この後夕暮れになり、蜂の姿は見えなくなりました。夜9時頃、ひょっとしたらと、懐中電灯で照らしてみると、何と!筒の中で夜を過ごしています。

朝の9時になってもまだ筒の中から出てきていません。一晩をここで過ごしたのでしょう。

オオフタオビドロバチの母の愛です。考えてみれば、こうやって巣穴に籠もることは、その巣穴の安定性や安全性の確認にもなり、作りかけの巣の卵や幼虫を天敵から守ることもできます。きわめて合理的な行動と言えます。卵を多く産まない狩り蜂たちは、こうやって子孫を残す確実な方法を身につけてきたのでしょうね。

2020.07.30. &2020.07.31.撮影
2020.07.31.記述

0 件のコメント:

コメントを投稿

平均棍

カやハエなどの「双翅目(ハエ目)」の昆虫には、前翅の付け根に退化した後翅が見えます。多くは先の丸まった棍棒のような形をしており、「平均棍」と呼ばれます。わかりにくい日本語ですが、英語では balancer というので、こちらの方が機能的に理解しやすいです。飛翔時には、前翅の羽ばた...