2019年8月20日火曜日

残暑の植物園に見る生きものたち

植物園に用事があって出かけました。一昨日昨日と降雨があったせいか、刺すように照りつける太陽の下でも、植物は元気に葉を茂らせ花を咲かせています。見たものを時間順にいくつかメモ書きしておきます。

パパイヤの木と実です。熟した実に含まれる酵素パパインは、パイナップルに含まれるブロメラインと同様に、タンパク質分解酵素の中のシステインプロテアーゼに分類される酵素です。肉料理と相性が良いのはそのせいもあるでしょう。

支えのロープの先にある緩衝材がプラゴミのようで興ざめです。もう少し美的な配慮がないとね。

夏でも元気なのがこのサルスベリ。あちこちで鮮やかに咲いています。花の構造が複雑です。花の後にできる実も面白い形をしていて、ドライにしてリース飾りに使えます。

広場の南西にあるシダレエンジュです。葉を落とした冬には独特のシルエットで目立ちますが、夏にはしだれていることは分かりますが、緑が枝を隠して、あまり目立ちません。

花も小さくて派手さがなく、地味系です。

ナラガシワの堅果です。だいぶ大きくなってきました。ドングリの仲間は実をならすのに1年かかるものと2年かかるものがありますが、この木は1年で熟します。備長炭で有名なウバメガシなどは2年かかります。

ホルトノキ。街路樹や公園木などによく使われますが、これも地味系の樹木で、目立たないので気づきません。平賀源内がポルトガル(ホルト)に由来する木だと誤解して、この名を付けたという説があります。

アオダイショウが幹を登っていきました。足がないのに器用ですね。久しぶりにじっくりと蛇を観察しました。

カラタチの実です。今年は実りが良いようです。かつては寺の周囲などによく植えられて、アゲハチョウの繁殖を助けていましたが、鋭い刺が嫌われるのか、近年滅多に見かけなくなりました。初めて見た時の木は、ほとんど刺だけのもので、阿部公房の短編に出てくる「デンドロカカリヤ」とは、この木ならん、と思いました。

熟したニガウリです。ナスにしろキュウリにしろオクラにしろ、野菜には未熟あるいは超未熟なものを食べるものがあります。このニガウリもまたその1つ。熟しては食べられませんが、美しいです。

やがておしりの方から崩れていって...

ぼとぼとと熟した種が落ちます。これが自然にあるべき姿ですね。

近くには長瓢もありました。ナガフクベと読むらしいです。長くて重い!

こちらは大ひょうたん。

ディル(フェネル?)にはアカスジカメムシが20匹ほど、恍惚の表情を浮かべながら汁を吸っていました。

恍惚の表情です。(硬骨かも(^^;)

この蜂が何かよく分からない。スズメバチ系統ではなく、クマバチ系統のようですが、なかなか近くまで来ないので、以下の写真がめいっぱいです。オオハキリバチかな?


これはサネカズラの花。実も美しいですが、花もなかなかのもの。ビナンカズラとも言い、古くは植物体から取れる粘液で髪の毛を梳かしつけたとか。これは雄花です。

この棚ではまだたくさんの蕾もあり、当分楽しめそうです。

雌花の時期は過ぎたのでしょうか。開花しているものがありませんでした。これは実り始め。

徐々に大きくなり...

秋の終わりには、鮮やかな赤色になります。実が落ちた後の花托も赤くきれいで、常緑でもあり、一年中楽しめる植物です。

傍らにはあけびの実も大きくなってきています。 

アーモンドの実が熟してきています。食べる部分は種の仁の部分です。

オミナエシが花の盛りで、いろいろな虫たちが吸蜜していました。フタモンアシナガバチのようです。

アブの仲間。

これは触覚が長いので、ハチの仲間でしょうね。

カメムシの仲間。

ミツバチより一回り小さな蜂です。

ミカドトックリバチでしょうか。
2019.08.17.撮影
2019.08.17.記述



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