私の近所の桂川堤防法面に生えている木がヒメコウゾだと思って見ていましたが、毎年雌花は咲くけれども雄花が咲いた記憶がなく、この春特に注意して観察していました。
今年の観察では上記の場所の株の花序に雄花はついていませんでした。この木はヒメコウゾではなく、コウゾの木でしょうか?これが悩ましい点です。
そこから300mほど下った桜並木沿いに流れる小川沿いにもたくさん同類の木が生えていますが、これもすべて雌木。ただし、丹念に調べると、そのうちの1本に雄花らしいものがわずかに観察されました。この木はヒメコウゾと言えるのでしょうか。あるいはヒメコウゾの性質をちょっとだけ出しているコウゾの木なのでしょうか?これも悩ましいところです。
このような疑問に至ったのは、先週末亀山公園の樹木を見ていて、正真正銘のヒメコウゾとおぼしき木に出会ったからです。場所は公園奥の階段の登り口。ナワシログミの生えているところです。今ミツバアケビの花盛りで、その花の写真を撮っていたところ、巻き付いている木に特徴的な雌花を見つけ、その雌花の下に丸く大きな雄花とおぼしきものを見つけました。開花前の蕾のようでした。
「これがヒメコウゾとすれば、家の前のあの木はいったい何だ!」とにわかに疑問がわいてきた次第です。
樹木をよく知る方に尋ねたところ、お返事をいただきました。それによれば「コウゾは雌雄異株と書かれているものが多いのですが、ヒメコウゾ寄りの特徴をもつものは雌雄同株で更に細かな特徴もヒメコウゾに酷似するものがあるそうです」と教えていただきました。
考えてみれば、掛け合わせた場合、子孫のおのおのにどちらかの形質が強く出てくることは、人間の兄弟姉妹を含め、大いにあり得ることです。今回の悩ましい木は、「ヒメコウゾの形質がチラリと見えているコウゾらしきもの」程度にとらえておきましょう。
そもそも生き物を何かの枠にきっちり収めようとするのは人間の悪い、しかし、仕方がない性質かもしれませんね。もっとゆる~く構えて眺めることにします。
2020.04.25. & 2020.04.27.撮影
2020.04.30.記述
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