河川敷でヘビトンボを発見しました。残念ながら亡骸でしたが、ほぼ完全な形をとどめています。ヘビトンボは清流に生息するヘビトンボ目の昆虫で、清らかな川の上流域に生息するので、河川の水質を判断する指標生物の一つになっています。幼虫は水棲で肉食。孫太郎虫と呼ばれ、子供の疳の薬として珍重されたと言います。一般社団法人北多摩薬剤師会の「お薬博物館」HP(https://www.tpa-kitatama.jp/museum/museum_13.html)によれば、「捕らえた孫太郎虫は乾燥させて5匹ずつ1本の串にさして10串を1把として、桐の箱に入れて商品とした」とされ、さらに、「『孫太郎虫』は小児の疳に1日1串(5匹)ずつ、砂糖醤油につけて焼いて食べるものですが、『孫太郎虫』には必須アミノ酸や多くの脂肪やステリン体が含まれており(ヘビトンボの幼虫『孫太郎虫』はトンボ、トビケラ、カゲロウなど同じ水生昆虫の仲間を捕食するだけあって)、斉川の老人達の言い伝えでは強精の薬効もあり江戸時代はその面でももてはやされたとのことです。」この引用の中に出てくる「斉川」とは、孫太郎虫が特産であり、この産地のものが有名だった奥州宮城県の斉川村(現在の白石市)のことだそうです。
この虫の幼虫がなぜ「孫太郎」と呼ばれるに至ったかは、この虫の霊験あらたかな逸話があるようで、詳しくは上掲のURLを参照してください。
とりあえずは拾得した成虫の写真を掲示しておきます。腹部に何かに噛まれた跡があります。成虫はコナラやクヌギなどの広葉樹の幹からしみ出る樹液を主食としているそうなので、拾得した場所から考えると、おそらくは樹液レストランの主であるスズメバチの不興を買って絶命したものと考えられます。合掌。
2023-07-27
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