2019年7月10日水曜日

ハゼラン

近くの桜の木の下にハゼランの株があり、毎年今頃から秋にかけて可愛い花を咲かせます。ランの名前がついていますが、ナデシコ目ハゼラン科で、シンビジウムやデンドロビウムなどのラン目ラン科の植物ではありません。午前中は蕾のままで、午後2時頃から開花します。それで、「三時花」とも呼ばれます。日本に明治期に観賞用として輸入されたものが逸出して野生化しました。

京都では町中でもしばしば見かけますが、特に河川敷の水はけのよい法面に群生を見ることがあります。原産は西インド諸島ということで、現地では野菜として食べられるそうです。茎と葉が肉厚でちょっとおいしそうです。

濃いピンクの花弁に黄色いしべが鮮やかでとてもきれいです。

丸く赤い実もなかなか可愛らしい。
2019.07.06撮影

この記事を書いた翌日、このハゼランの株が誰かによって根こぎにされてしまいました。まだ花穂を伸ばしていない株まで、4,5株あったものがほとんど抜かれてしまいました。どのような意図でなされたのかは分かりませんが、実に残念です。ハゼランは生命力が強く、畑の「強雑草」とされますが、この場所は、古いマンションの敷地の木陰です。毎年同じ場所に営々と生えて咲くので、楽しみにしている方々もおられます。雑草を雑草としてしか見られないのでしょうか。実に悲しいことです。山川草木悉皆成仏、古くから自然に親しんできた日本人には草木にも仏性を見る自然観があったはずですが...。
2019.07.07記述




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