この花の名前はガガブタ、漢字では「鏡蓋」と書きます。ガガが鏡を意味するのは、ガガイモと同じですが、ガガイモの場合は、綿花状の種を包む実の内側がツヤツヤに光って、鏡のように見えることから来ているという説があります。一方で、ガガブタの場合は、睡蓮に似た丸い葉が、丸い手鏡を入れる箱の蓋のように見えることから、という説が主流のようです。
葉は蓮や睡蓮とよく似ていますが、花は全く異なって、白く長い毛が密生した花冠を持ち、中心部は黄色です。京都府レッドデータブックでは、「絶滅寸前種」に分類されており、「花は異型花性を示し、長花柱花と短花柱花の双方が生育する集団でのみ結実が見られる。」とあります。つまり微妙に異なる2種があるので、その異なる種の間の交配のみで結実する、ということらしいです。このような特殊な性質も、この種の存続を難しくしているのかもしれません。
「ブタ」からの連想とは全く異なる姿ですが、名前にインパクトがあるので、覚えられやすく、少なくとも名前自身はなんとか絶滅を逃れられそうです。
ガガブタの花です。初めて見ました。
近寄ってみます。蓮や睡蓮などと全く異なる花で、別種であることがよく分かります。ガガブタはアサザなどと同じミツガシワ科に属します。
葉の上にクロイトトンボのペアが産卵活動中です。
近くのタデにはキイトトンボも止まっていました。
2019.07.02撮影
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