2019年9月3日火曜日

観察記録:オオシロカゲロウ:大発生

オオシロカゲロウが発生する季節になりました。カゲロウは命はかないものの代名詞のような存在ですが、特にオオシロカゲロウは9月の特定の日の夕刻に一斉発生して、わずか2時間ほどの命を燃やして子孫を残して果てることで知られています。発生する日はピークの日が最も多く、その前後数日にも若干の発生が見られるようです。

本日の昼に桂大橋を通り、兆候を目にしましたので、夜再度訪ねたところ、一斉発生を見ることができました。一年間幼虫で過ごし、水上に出てからわずか2時間。9時に訪れたときにもうすでに飛べない状態のものが多数、10時には飛翔しているものは全くなく、地上のものもすべて命果てていました。

体は卵塊そのものからできていて、卵塊以外は卵塊を遠くへ運ぶための器官です。生まれた地点よりも上流に飛翔して卵塊を産み付けるといわれています。子孫へと命をつなぐだけのために生まれ、育ち、使命を果たして死ぬ。オオシロカゲロウのライフサイクルは生物の基本的な生き方を、最後の華やかな飛翔によって印象づけてくれます。

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オオシロカゲロウです。メスの個体です。メスは亜成虫にまでにしかならないということです。腹部はすべて卵塊です。足は退化しているので、体を支えて止まる力がないということです。写真は後日撮影(2019.09.06.)のものと入れ替えました。

灯火に集まるオオシロカゲロウ。浮かび上がった白いシルエットが、妖精のようです。

灯火まで飛んで力尽きたカゲロウたちです。一度地上に落ちると再び舞い上がれないということです。

拡大するとどれだけ多いかが分かります。路上で朽ちるのは無念でしょうね。カゲロウは水に流されることを考慮に入れて、発生した地点より上流で産卵するということです。これらのカゲロウも、もう少し下流で発生したのかもしれません。

発生のメカニズムなど、まだまだ分からないことが多い昆虫ですので、観察を継続したいと思います。

2019.09.02.撮影
2019.09.02.記述




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