すると、スミレに産卵することもありますが、5回中4回は他の草、特に芝の葉に産卵しているようです。食草に産卵するのが蝶や蛾の常識と思っていましたが、これが覆りました。
調べてみると、ツマグロヒョウモンはスミレ類のある草地を選んで産卵するのですが、必ずしもスミレに生むわけではないので、幼虫は孵化した後、自らの力で食草までたどり着く必要があるとのことです。
確かにスミレは、パンジーやビオラのような園芸種でなければ、比較的広く薄く芝地などに広がっている場合が多く、先にも書きましたが、ノマド的な生活を送らねばならない幼虫にとっては、スミレを選んで産卵するということは余り意味がないのかもしれません。しかし、孵化しても数ミリの小さな幼虫に、ずいぶん過酷な試練を強いるものだと思います。
あるいは、その試練は、選りすぐれた遺伝子を残すための、この蝶の戦略かもしれません。
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ツマグロヒョウモンのメスです。産卵行動に入っています。ですが、卵を産み付けているのは芝です。
こちらは別の個体。やはり芝やカタバミに産み付けていました。
少し引くとこのような状況です。いったん産卵行動に入ると、結構深い草の中にも入り込み、身の安全には余り頓着しないようです。
産卵後、産み付けたとおぼしきところを探ってみました。
これは、スミレの葉柄に産み付けています。
これは芝の葉に産み付けています。
芝生のあちこちに二齢~終齢期の幼虫がいました。よくこうやって芝の葉に止まっている姿を見かけます。固く直線的な芝の止まり具合が良いのか、あるいは、食草を探しくたびれて、しばしの休息を取っているのか、その問いにはなかなか答えてはくれません。
2019.09.28.撮影
2019.09.29.記述
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