2019年10月6日日曜日

観察記録:萩の花の周りに

Hagi, or Yamahagi (Lespedeza bicolor), or in English known as shrubby bushclover、shrub lespedeza, etc. is a very deciduous shrub in Japan, and, at the same time, has been an important shrub species in Japanese culture. Its flowers are by no means showy but are small and modest, which appealed to the courtiers and poets from Nara period on. It is the most frequently sung flower in Manyoshu (The Collection of Ten Thousand Leaves), the first collection of waka poems compiled in the 8th century. It contains 142 (out of 4500) poems that refer to this shrub. From a nature lover's point of view, however, it is an important larval food plant for butterflies.

萩の花が花期の終わりを迎えています。古来から日本人の愛する花の第一のもので、万葉集には最多の142首詠まれているそうです。マメ科の植物ですので、土地を選ばずに栄えます。この花はまた、マメ科の植物を食草とするチョウたちにとっても大切です。嵐山近くの萩の株を丹念に観察するとその様子が見えました。

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キタキチョウの卵です。咲き終わった萩の花殻に産卵していました。

拡大します。蝶の体に比べると比較的大きな卵です。内部に幼虫の体が透けて見えますので、孵化が近いと思っていたら...

夜になって孵化し、幼虫になりました。長さ3ミリほどの幼虫です。どこまで育つか飼育観察してみます。

頭部を拡大します。体毛が濡れていますので、本当に羽化直後と思われます。

近くの枝には、おそらくウラナミシジミでしょうか。卵がありました。

拡大します。シジミチョウの多くはマメ科植物を好み、よく似た白い卵を産みますので、ウラナミシジミかどうかは微妙です。

 家に持ち帰り、三脚としっかりしたマクロレンズで撮影してみました。 表面がハニカムパターンになっているのが特徴的です。

近くには穴の空いた卵がありました。孵化した幼虫はまず卵の殻を食べますので、これは卵に寄生するハチなどにやられたものではないでしょうか。

これもきちんとマクロ撮影しておきます。

同じ株の葉には、カメムシや蜂、テントウムシなど捕食者が多数います。羽化しても厳しい現実に立ち向かわねばなりません。生存率は約1%ということです。



2019.10.05.撮影
2019.10.05.記述




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