2020年1月16日木曜日

枯れ野を探る:観察会に向けて

月末に地元の小学校の観察会があり、指導員を依頼されているので、夕刻から観察地の下見をしました。今回の下見は植物。冬枯れで何もないと見える河川敷ですが、そこを何とか見る物を見つけねばなりません。

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これはカラムシの花序。単なる枯れ草ですが...その昔、人々はこれの茎から繊維を取り、着物を織りました...などと言っても想像できない姿ですね。朝廷への献上物として近江から宮中へ運ばれたと、琵琶湖博物館の展示物にもありますが...


オブジェとして面白いかも。

こちらはヨモギ。しごいてみるとヨモギの香りがします。これから草餅を想像しなさい...って、ムリですね。


こちらはオオカマキリの卵塊。これは子どもたちも納得するでしょう。

これはアカメガシワの冬芽。よく見ると分厚いコートを着込んでいて、バンザイをしているものもあって面白いのですが、それが見えるまで集中できるか?



アカメガシワは、河川が氾濫してかく乱が起きると、真っ先に芽を出して成長する、いわゆる「パイオニア・プランツ」の代表格です。これは若い幹。枯れ枝に見えますか...

堤防斜面に生えているメキシコマンネングサです。春になると花序を伸ばして、一面に真っ黄色のお花畑になります。カランコエや最近はやりの多肉植物と同様、マンネングサ科の植物です。一見すると、単なる雑草ですが...

寒さに当たった部分は赤く紅葉しています。中心部の若芽は勢いがあって緑色が鮮やかです。

これは堤防斜面に生えているクコの若芽。落葉するはずなのですが、年末の草刈りで刈り込まれ、その刺激で新芽が伸びてきています。最近この川の河川敷では勢力を伸ばしています。

一株だけ実をつけた株がありました。実をよく見ると、何かどこかで見たような...赤いピーマンとか...それもそのはず、クコはナス科の植物です。繁茂していますが、ナス科にありがちな「いや地」現象はないのでしょうか。もしもあれば、連作障害で次第に生える場所が移動するでしょうね。

クコは古来から薬膳の素材としてなくてはならないものです。暖かいおかゆの上に、赤いきれいな乾燥クコが乗っているのは、見た目にもほっこりします...通じるかな?小学生に。

大急ぎの下見はこの程度の収穫ですが、ずいぶん不足なので、次回はロゼットの観察もしないといけません。

2020.01.14.撮影
2020.01.15.記述



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