2020年1月22日水曜日

枯れ野を探る:植物たちの冬の姿:ジャケツイバラ

初春から観察していたジャケツイバラの冬の姿を見に行きました。

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ジャケツイバラは、マメ科のつる性多年生植物で、高さは2mほどになります。茎に鋭い棘を多数持っていて、他の木々に絡むようにあるいは寄りかかるように成長します。茎が伸びて互いに絡みつく様子が、多数の蛇が絡みついている様子を連想させるために、「蛇結茨」の名がつけられたとのことです。

葉柄から枝に至るまで、全身鋭い爪のような棘に覆われていますが、春になると、この姿からはおよそ信じられないような美しい黄色い花が咲きます。以前、松尾谷の中腹の川の畔に薄暗い川面をバックに咲いていて、そこへ日の光が当たり、えもいわれぬ美しさを際立たせていました。それ以来この植物の1年のライフサイクルを記録したいと思い、ほぼ毎月観察を続けてきた次第です。

昨年咲いた花が実り、サヤが開いて種が露出しています。他のマメ科の植物の多くは、さやがねじれるようにはじけて、パチンと種を飛ばすのですが、ジャケツイバラは空に向かってさやをゆるりと開きます。

多数のサヤが風に揺られていました。

鋭い棘を持った枝です。いったん衣服がからめとられると、外すのに大変苦労します。かぎ爪のような棘ですので、ノイバラの棘よりもたちが悪い。

サヤには側面にもスリットができています。上向きに開いたサヤの水はけをよくするためにできているように思えます。

種は丸く堅くつやつやしていて、左右均等に付いています。

小枝の棘もかぎ爪です。葉の付け根には次の芽生えが準備されています。

側芽には2つの副芽が付いています。

これも...

そしてこれも...

副芽の中には花芽までしっかり用意しているものもあります。


2020.01.18.撮影

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