2020年1月29日水曜日

要注目種:キカラスウリ

桜並木にキカラスウリの古株を見つけました。キカラスウリは、京都府のレッドデーターブック2015で「要注目種」に指定されています。ここ数年生育の様子を見てきましたが、毎年の台風で倒木と共に倒れる事例もあり、また定期的な草刈りの犠牲にもなって、実をつけることのできる個体がかなり減ってきています。

キカラスウリはウリ科の多年草で、カラスウリよりも大きな黄色い実をつけます。カラスウリも多年草ですが、冬に地上部がほとんど枯れてしまうのに対して、キカラスウリは蔓の部分も生き延びて翌年さらに成長し、条件がよければ数十年の成長を見ます。

大きなものは根元の直径が10センチを超え、蔓を伸ばしている木に鈴なりに実をならします。蔓が樹木を締め付けて弱らせるフジとは異なり、基本的に巻きひげで木肌にとりついて伸びるため、ホストの樹木を傷めません。樹木とうまく共生できるつる性植物と言えます。

堤防の桜並木にその古株を見つけました。

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堤防斜面にはヨモギが伸びてきており、柔らかい芽が好みならば、ぼちぼち摘み頃です。暖冬のため、今年は成長が早いです。

キカラスウリは、桜の木を支える左側の杭の陰にありました。

これです。繰り返し行われる草刈りのために、株がえぐれて相当傷んでいます。
 

それでも何とか昨年まで延びていた太い幹は、ちぎれるように切られています。
 

細い蔓もすべて切られています。

 切られてぶら下がっている幹です。先端(根元部分)は水分を失って細くなってきています。

上記の蔓はこの株とつながっていました。切り口の様子からして、切れ味の鈍った刈り払い機で無理矢理引きちぎったようです。今年の春に芽吹いてくることを願います。何からの保護策を考えねばなりません。

近くの護岸に別の株が成長し、実をつけていました。まん丸のキカラスウリです。少し交雑しているのかもしれませんが、キカラスウリには間違いありません。こちらの成長も見守ることにしましょう。

2020.01.28.撮影
2020.01.28.記述



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