2020年4月10日金曜日

ニュウナイスズメの訪問

桂川沿いの桜の花が咲くと、ニュウナイスズメが訪れます。ニュウナイスズメはスズメよりも少し小型のスズメ科スズメ属に属する鳥で、オスは特にスズメに似ていますが、スズメの頬にある黒斑がありません。メスは茶色よりも灰色がかった色をしており、目の上の「眉」に当たる部分が白っぽく、顎の下のネクタイのような黒い模様もありません。京都では巨椋池などの平地で冬を過ごすようですが、春になるとこの辺りまで遠征してきます。桜の蜜や、桜に寄生する虫を食べに来ているようです。

「ニュウナイ」の意味については諸説あるようですので、調べてみてください。頬の「斑(にふ)」が「無い」というので、ニュウナイというのが一般的な説です。

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 用心深くて高枝を行き来するばかりでなかなか近くに降りてくれません。何とかピンぼけながら、桜の花の蜜を吸っている姿を取ることができました。「花回し」と勝手に名付けています。

こちらでも。このように花を根元からかみ切って、蜜を吸います。これはちょっと「邪道」っぽい。

これはイモムシ(おそらく尺取り虫)を捕らえたようです。

これがオス。頭の明るい茶色、顎の下のネクタイが特徴的です。

そしてこれがメス。

ヒヨドリもやってきました。

ヒヨドリは長いくちばしを花に差し込んで「正攻法」で蜜を吸います。その証拠がくちばしに残っています。

いったいどれほどの蜜があるのでしょうか。どの程度甘いのでしょうか。かつて勤め先の正門付近に植えられた3本のソメイヨシノの木のうちの1本の下が真っ白になるほど花が散っていました。不思議に思って観察すると、ほとんどすべてがかみ切られた花でした。そこで、その木の花と、両脇の木の花を採取して、蜜をなめてみたところ、中央の木の蜜の量と甘みが両脇のもに比べて格段に多く強かったです。残念ながら蜜の量を量ることはできませんでしたが、仮に花1つに0.01ミリリットル(水1滴は約0.04ミリリットル)の蜜があるとすれば、花100個で1ミリリットル。ヒヨドリが訪れる花の数を、1分間で30とし、一日4時間蜜を吸うとすれば、30×60×4×0.01=72ミリリットル。6時間とすれば108ミリリットル。葯100ccということになります。濃厚な蜜100ccのカロリーを、コーラに換算すると約50キロカロリー。

さて、これが人間との体重比でどの程度になるのか。ヒヨドリの体重を80gとして、体重70キロの私が摂取したら、何と!43750キロカロリー!食事の時間を少なめに見ても、相当の熱量を摂取しているのではないでしょうか。

2020.04.08.撮影
2020.04.09.記述



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