よく見ると底の方に二股に分かれた顎が開いています。アリなどの獲物が落ちると、気配を察して大顎でパッ、パッと砂をかけ、獲物の逃亡を阻害し、下に落ちた獲物を顎でくわえます。その様子がドラマチックで面白いので、アリや地蜘蛛を捕らえてきて蟻地獄に落として、蟻地獄が捕らえる様子を眺めていました。今から考えれば、結構残酷なことをしていたと、反省します。
ですが、そのおかげで、蟻地獄の生態を学びました。巣から取り出して土の上に置き、息を吹きかけると急いで土に潜ること、後ろ向きにらせん状に回りながら巣を作ること、やがて一見土の塊としか見えないような繭を作ること、やがてトンボに似たウスバカゲロウになること、などです。
そのような自由なたっぷりした時間に遊ぶことができたので、私にとっては牧歌的な田舎の子供時代を思い出す、プチ・マドレーヌ的な存在です。
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夕日を受けて、月のクレーターのように見えます。
周囲を見渡すと、約10個ほどありました。
巣から取り出して、砂の上に置くと、すぐに潜り込みました。すぐに潜り込む臆病者と、しばらくぼーっと(?)しているのんびり屋とがいて、昆虫でも個性があるのだろうと思えます。
これはのんびり屋。
木ぎれの上に置いてみました。丸々と太っていますので、おそらく食料はたっぷりあるのでしょう。
河原ですので、増水すれば水没します。観察を継続して、必要ならば保護することを考えましょう。
2020.04.10.撮影
2020.04.11.記述
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