2020年5月23日土曜日

いつもの場所のいつもの生き物たち

新型コロナウイルス感染症拡大にようやく収束の気配が見えて、緊急事態宣言が京都でも解除されました。しかし、日本ではこのウイルスの抗体を持つ人の数は人口の0.6%に至りません。特に隔離政策をとっていないスウェーデンでは、死者の率が世界で10位に入りますが、抗体保持者の率は25%と新聞報道にありました。

抗体保持者の数が高率になると「集団免疫」状態になり、感染者が新たな感染を引き起こす可能性が減少して、感染は自然収束に向かうということです。自然免疫に必要な抗体を持つ人のパーセンテージは全人口に対して60%とも聞きました。通常集団免疫はワクチンの接種などで人為的に作り出す必要があり、そのために世界の各国がしのぎを削って開発を急いでいます。

抗体保持者の率が少ない日本は、すでに韓国に見たように、第2次第3次の感染拡大の可能性が常にあります。また、国内の患者数を押さえ込んでも、今後旅行者などによって持ち込まれる可能性は大いにあるわけです。スウェーデンのように罹患者の増加と死者の数を横目で見ながら、急激に抗体保持者の数を増やすか、罹患者と死者の数をできる限り抑制しつつ、ワクチンの完成を待って徐々に抗体保持者の数を増やすか、いずれかの道をとるか。前者は経済活動の疲弊が軽減するでしょうが、後者は大打撃です。

まだまだ油断はできません。いつの間にか5月も半ばを過ぎてしまいました。巡ってくる季節、いつもの場所にいつもの生き物たちが見られるというのは、それを見ている自分自身を含めて、ほんとうに「有り難い」一期一会の出会いである、と知らねばならないと思います。

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この季節、いつもの場所でいつもの虫たちが、いつものように子孫を残す活動に、ひたすら取り組んでいました。ブドウハマキチョッキリがエビヅルの葉を丸めています。



一枚の葉に4匹は初めて見ました。

近くで見ると、普通のゾウムシのように見えますが、ブドウの仲間の葉を丸めて揺籃を作ります。ブドウ農家にとっては害虫で、検索すると駆除の方法がワンサカ掲載されています。

エノキトガリタマバエの虫えい、エノキトガリタマフシです。この中に1匹の幼虫がいて、成長し、初夏には赤く、やがて茶色に変色して地上に落ち、そのまま冬を越して来年の春に成虫になります。成虫は見たことがありません。いつもの場所のいつもの光景です。

2020.05.21.撮影
2020.05.22.記述


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