2020年5月25日月曜日

寄生植物:セイヨウヒキヨモギとヤセウツボ

桂川の河川敷を今の時期に彩る植物の一つにセイヨウヒキヨモギがあります。これは自身に葉緑素を持つ半寄生植物です。先日これともう一つの寄生植物である、ヤセウツボが隣り合って生えているところを見ました。

2つを比較すると片方は緑の葉と黄色い花が鮮やかですが、他方は葉もなく色素もない花がいかにも寄生植物的です。しかし、花の形はなんとなく似ていますね。それもそのはず、双方共にハマウツボ科に属する植物で、前者はセイヨウヒキヨモギ属、後者はハマウツボ属に属する植物です。遺伝子解析で新APG分類ができる前は、形態的な特徴で、ゴマノハグサ科に分類されていました。

ハマウツボ属の植物はほとんどが寄生あるいは半寄生植物です。セイヨウヒキヨモギは特に植物のえり好みをせずに寄生するようですが、ヤセウツボは主としてマメ科の植物に寄生するそうです。そうなると、これらが隣り合わせに咲いているときには、セイヨウヒキヨモギはヤセウツボからも栄養をとっているのでしょうか。この調子で寄生植物が増えていくと、寄生植物が寄生植物に寄生する、ということになりかねません。

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こちらがセイヨウヒキヨモギ。嫌う人もいますが、結構きれいだと思います。生態系への影響はどうなのでしょうか。


こちらがヤセウツボ、花の形がよく似ています。


寄生する側、される側のツーショット。

3者並んでの記念撮影です。

実際にセイヨウヒキヨモギの生えている場所では、他の植物の生育が阻害されるのか、雑草の背丈が低く抑えられています。その中でアカツメクサはよく繁茂しているので、アカツメクサはあまり影響を受けないのかもしれません。

2020.05.23.撮影
2020.05.24.記述



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