2020年6月6日土曜日

ジャコウアゲハの蛹化

桂川沿いには何カ所かウマノスズクサの自生地があります。近年除草剤の使用と、河川管理の徹底で自生地が減少気味です。そのうちの1カ所を久しぶりに訪れたところ、ジャコウアゲハの五齢幼虫が蛹化し始めていました。

ここは国交省の管理下にあり、あと数日すると除草作業が入って、丸坊主になってしまいます。巨大な自走式の草刈り機で刈り取り、干し上げてパッカー車に積み込んで、最終的には焼却処分されるとのことです。

成長途中の幼虫もたくさんいますし、蛹化した個体も草わらの中にたくさんいるはずです。週末にかけて何とか数匹でも救出する作戦を立てねばなりません。それまでにできるだけたくさんの個体が草地を離れて蛹化する場所を確保するように願っています。人の手が加わる環境では、どのような場所で蛹化するかが命の分かれ目になってしまいます。

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草地の中のエノキの葉裏で前蛹化した個体です。このエノキは刈り取られますので、救わねばなりません。ジャコウアゲハの前蛹個体は、色と形からして、パンダが何かに必死にしがみついているようで、かわいらしいと思います。

これも同じエノキの小枝に蛹化しています。

こちらはガードレールに場所を見つけました。これはおそらく除草作業の影響を受けないでしょう。

別個体です。これを見て思ったのですが、ジャコウアゲハのサナギは、夏に羽化する個体はこのように明るい茶色をしていますが、越冬する冬のサナギは暗い灰色に近い色になります。夏はこのように枯れ草にまぎれてカモフラージュする意味があるのではないでしょうか。

これは近くの住宅の壁で前蛹化した例。ここは安全です。住宅の主人が理解のある方であるという前提で。

この住宅には総計10匹ほどの個体が蛹化していました。

別な場所では、ウマノスズクサの花が咲いていました。

花と終齢幼虫とのツーショットです。ここは蛹化する場所が草地しかないので、レスキューする必要があるかもしれません。

いろいろと忙しくなりそうです。

2020.06.04.撮影
2020.06.05.記述


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